Eighter -Scarlet Nocturne-
16ther 〜凱旋門に影傑現る D〜



#7
古畑呂司(りょうじ)「……あの、姜馬(きょうま)様?」
新田姜馬(きょうま)「はっ!?」
 そして、姜馬(きょうま)は現実世界に引き戻される。
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「大丈夫か?戦場でボケっとしてると死ぬぞ」
姜馬(きょうま)「余計な世話だ」
 それよりも、どれ位気を失っていた?とか聞いてくる姜馬(きょうま)
梶太郎(かぢだろう)「やっぱり失神していたんじゃねぇかよ。ったく、大丈夫か?」
姜馬(きょうま)「心配は要らん……」
 呂司(りょうじ)から聞いた話によると、僅か3秒だったという。
姜馬(きょうま)(僅か3秒……か……)

 さて、そうこうしているうちにオルレアン四天王(の内の二人)に最期の時が訪れる
梓與鷹(よたか)「これで終わりだ!神狼九断(しんろうくだん)!」
出音(でおん)・グロウシュベル「あの世に帰りな!陽明閃刃破(ようめいせんじんは)!」
 数多のスケルトンの軍団を蹴散らし、遂にブレストルクとフロンテスタを追い詰める
ブレストルク、フロンテスタ「ぐっ、ぐおおおっ!あのクソ(アマ)ぁッ!死ぬ前に一発ヤらせろやッ!」
 それが彼らの断末魔となった。
 なんとも欲望に塗れた叫びであった。
出音(でおん)「おっ!どうやら最終的に俺たちの方が一歩リードできたみたいだな!」
 ノース光輪結社、大神の降真靈(こうしんりょう)の方はまだオルレアン四天王と死合っているのを確認して、出音(でおん)が呟く。
與鷹(よたか)(どういうことだ!?こいつらはジャンヌ・ダルク……いや、正確には邪ンヌ・堕ルクだったか……の守護者
を名乗っていたはずなのに……どうして彼女に暴言を吐いて散っていったんだ?)
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「へっ、ようやくエンジンがかかったと思ったらもう終わっちまったのかよ!」
 いや、お前、本当は死合う気なかったんじゃ?と疑念がわいて出る與鷹(よたか)であった。
メイルヒェン・海藤「カミカーズ、帰ってくるんだ!」
與鷹(よたか)「おい、アンタ、危ない……」
カミカーズ・海藤「黙れ!」
 ブンッ
メイルヒェン「へごふっ!?」
 與鷹(よたか)が止めるのも無視し、妹に近づいた哀れな兄は、妹の持つ旗で殴り飛ばされ、壁に激突する。
出音(でおん)「し、死んでないよな……」
與鷹(よたか)「そう思いたい……」
 どうやら白目をむいて気絶しているだけのようなので、死んではいないようだ。
 ほっと一安心である。
御御脚(ユウ・ユウジャオ)「ともかくダ、奴ラより先にヴァルカナを!」

#8
 メイルヒェンには悪いが、今はカミカーズよりもヴァルカナが優先だ。
カミカーズ「私自らが前線に立たなければならないとは、不甲斐ない……」
 織麗庵の聖櫃(ジ・アーク・オブ・オルレアン)を足蹴にしつつため息をつきながらカミカーズが呟く。
出音(でおん)「次はアンタが相手になるってのか?」
梶太郎(かぢだろう)「いいぜ、相手にとって不服なし!」
與鷹(よたか)「いや、不服ありだろ……」
 そもそも、依頼人(?)の妹をぶちのめすのもどうなのか……
御脚(ユウジャオ)「しかし、奴ヲ倒さない限り、ヴァルカナが手ニ入らないというのならバ……」
 悩んでいる場合ではないのは確かなのだが、それでも、どうするか決断をしないといけない……
 そんな時、壁に激突されて、ノびていた兄が起き上がる
メイルヒェン「待ってくれ、妹の不始末は兄の監督不行き届き……ここは俺に任せてくれ」
與鷹(よたか)「お、おう……」
出音(でおん)「大丈夫なのか?」
 心なしかふらつきながらカミカーズの下へ向かうメイルヒェンを見て、思わず心配になる出音(でおん)
メイルヒェン「問題ない……妹に引導を渡すのは兄の役目!」
一同「いや、ちょっと待てよ!」
 なんか話がおかしな方向に進んでいるので思わず突っ込みを入れる一行であった
灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)「待って、彼は、彼であって彼ではない……」
梶太郎(かぢだろう)「はぁ?!どういうことだよ!?」
姜馬(きょうま)「まさか、何者かに操られている?」
 姜馬(きょうま)の言葉に一同は言葉を失う

メイルヒェン「さぁ、ジャンヌ・ダルク!魔女裁判を再開しようではないか!」
 そういい放つとメイルヒェンはどこからかSの文字が付いたかの様な鉢金を頭に巻く。
 なんなの、それ?
 いや、確かにFa〇eシリーズに出てくるジャンヌ・ダルクはMみたいな王冠のようなものを付けていたけど、かと
言って対抗してSの文字のようなものがついた鉢金をつける意味などないはずだ。
カミカーズ「き、貴様は……」
 心なしか震えだしているように見えるカミカーズ。何かトラウマでも刳られたのだろうか?
メイルヒェン「フッ……ジャンヌ・ダルクよ、私が誰だかわかるか?……そう、私は異端審問委員会の総意の生ま
れ変わりだ!」
カミカーズ「ば、馬鹿なっ!?」
 思わず一歩後退るカミカーズ

#9
出音(でおん)「いや、そういうの、生まれ変わりっていうのか?」
 冷静な突っ込みかつ、素朴な疑問だった。
メイルヒェン「さぁ!お前の罪を数えろ!貴様の罪状は、ジャンヌ・ダルク!……ジャンヌ・ダルクであることが
貴様の最大の罪!」
 いや、どこのスレイ〇ーズだよ!と思わず與鷹(よたか)は突っ込んだ。
※あと『お前の罪を数えろ』って仮面ライダー〇ネタじゃねぇか
出音(でおん)「ど、どうするんだ?」
與鷹(よたか)「どうするったって……」
 このままメイルヒェンにカミカーズを任せてもロクなことにならないは明白だ。
御脚(ユウジャオ)(つくづく甘い奴らダ……)
 ヴァルカナを優先するならば有無を言わさず抑えればいい……しかし、一般人(?)を巻き込んでもいいものか
……という考えたそれを妨げる。
 ただ、有嗎幇(ユーマハン)としても迂闊な行動をしてEighterとの共闘が決裂するのも避けなければならない
 ここで強硬手段をとるわけにもいかないのが現状だ。
 だが、時間の猶予もあまりない。何かしら決断しないといけないのは確かだ。で、あれば、とるべき行動とは何
か!?


END

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