Eighter -Scarlet Nocturne-
15ther 〜凱旋門に影傑眠る D〜



#7
クラウド・ノシュケー・マルーメ「死者はあの世に帰りな!」
弥如(びぎん)「鬼籍に入っているあなた方にも仏の慈悲を!」
 オルレアン四天王、その四人がそれぞれの組織の前に立ちはだかる。
※当然、Eighter、有嗎幇(ユーマハン)連合軍には二人だ
 しかもそれだけではない。オルレアン四天王の登場に、先ほど叩き砕いたはずのアヌビス・アミーゴの連中が息
を吹き返す(正確には彼らは既に死んでるので吹き返しませんが……)
御御脚(ユウ・ユウジャオ)「厄介ナ……」
梓與鷹(よたか)「だが、やるしかねぇだろ……」
 ひとまずオルレアン四天王にはクラウド、弥如(びぎん)御脚(ユウジャオ)與鷹(よたか)の四人があたり、他のメンバーはアヌビス・アミー
ゴを倒す布陣で行くことになった。
 みな考えることは同じだったということだろう。

クラウド「砕け散れ!超級武振覇影斬(ちょうきゅうぶしんはえいざん)!」
弥如(びぎん)煩濃猖鋒錐負拳(ぼんのうしょうふすいふけん)!」
 ズガガガガガガッ
 ゴドガガガガガガッ
 持ち前の幽闘術、螺旋の相克(スパイラル・エア)をもってしてまるで頭だけを固定して体を回転して斬撃を繰り出しているかのよう
な人体の構造を無視した回転斬りをタンジェントに浴びせるクラウド。
 轟曦真靈杖(ごうきしんれいじょう)をしゃらりと鳴らしつつ暴風雨のように荒れ狂う打擲でバックスヤドを滅多打ちにする弥如(びぎん)。
クラウド、弥如(びぎん)「何!?」
 しかし、タンジェントとバックスヤドは骨と骨を外して隙間を作るなどという信じられない方法で二人の繰り出
す攻撃を回避する。
與鷹(よたか)神狼九断(しんろうくだん)!」
御脚(ユウジャオ)白乾児魔炎(パイカリック・バーナー)!」
 そして、與鷹(よたか)御脚(ユウジャオ)もブレストルク、フロンテスタに攻撃を繰り出すも、同様の手段で回避されるのであった
與鷹(よたか)(チッ、どんな攻撃も当たらなければ意味はない……)
御脚(ユウジャオ)(こいつラ……強い……)
 よくよく観察してみれば、このオルレアン四天王とやら、他のスケルトンとは違いどす黒いオーラに包まれてい
る。
 それは、なんというか、妙な凄みを醸し出していた。
※それってただの性欲じゃないんですかね?
與鷹(よたか)(さて、どうしたものか……)
御脚(ユウジャオ)(スケルトンだからこそ可能ナ人体ヲ無視した回避方法……それヲ打ち破るにハ……)
 フェイントを織り交ぜるか……あるいは広域殲滅型の技を繰り出すか……

#8
 更に問題はそれだけではない。
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「チッ、こいつら倒しても倒しても復活してきやがる」
出音(でおん)・グロウシュベル「全く、キリがないな……」
 アヌビス・アミーゴの連中と死合っている方も、苦戦しているのだ。
 最大の理由は数。なるほど、『闘いは数だよ』とは言ったものである。
新田姜馬(きょうま)「相手の骨を叩き砕いても、なぜか復活している……」
古畑呂司(りょうじ)「えぇ、嘘だろ……」
 律義に分析しながら死合っていた姜馬(きょうま)がぽつりとつぶやく。流石の情報厨である。
※それ、褒めてない。
梶太郎(かぢだろう)「だが、文句を言っても始まらないぜ」
呂司(りょうじ)「それはそうだが……」
 しかし、文句の一つでも言ってやらないと気が済まないのも確かだ。
姜馬(きょうま)「やはり、大元を叩かねば趨勢は覆らないということか……」
出音(でおん)「大元って……」
 出音(でおん)呂司(りょうじ)の視線がカミカーズに向く。
 そして、そこにたどり着くにはオルレアン四天王が邪魔だ……
 なんというジレンマであろうか。
姜馬(きょうま)(さて、どうする……この状況を打開にするには……スケルトンの軍団を放置して援護に向かうのは愚策……
しかし、かといってこのまま(いたずら)に死合を長引かせるのも下策……)
 ちなみに、氷の召喚呪術を使う姜馬(きょうま)が炎の幽闘術を使う御脚(ユウジャオ)の援護に向かっても邪魔になるだけであることは十
分に承知しており、迂闊に動けない要因の一つになっているのだ。
梶太郎(かぢだろう)「おい、そこのお前もサボってないで手伝え!」
 腕組みして動かない姜馬(きょうま)に怒鳴り声をあげる梶太郎(かぢだろう)
呂司(りょうじ)「な、貴様、言うに事を欠いて!」
 姜馬(きょうま)様はお前みたいな脳筋とは違うんだ!と売り言葉に買い言葉の呂司(りょうじ)であった。
出音(でおん)「お前ら喧嘩すんなよ……」
姜馬(きょうま)「フッ……」
 その時、姜馬(きょうま)は笑みを浮かべる。
梶太郎(かぢだろう)「いや、てめぇなに笑ってんだよ!」
 そして、ここぞとばかりに突っかかってくる梶太郎(かぢだろう)と何とか出音(でおん)が宥め透かしネゴシエイションしていると姜馬(きょうま)
がぽつりと呟く
※宥め透かしネゴシエイションて……
姜馬(きょうま)「そうだな、俺たちは今共闘しているのだった……」
 有嗎幇(ユーマハン)だけなら無理だとしてもEighterがいるのならば、あるいは……

#9
姜馬(きょうま)「一つ、提案があるのだが、いいだろうか」
梶太郎(かぢだろう)「あぁ?提案だぁ!?」
 何を言い出してるんだこいつ?ってな顔で姜馬(きょうま)を睨む梶太郎(かぢだろう)。
 そんな梶太郎(かぢだろう)を睨み返すのは呂司(りょうじ)の役目だ。
姜馬(きょうま)「ここは俺と呂司(りょうじ)が食い止める。だから、お前たちは援護へ迎え!」
出音(でおん)「なっ!?」
梶太郎(かぢだろう)「俺たちが援護に向かったところを背後から襲うってわけない?」
呂司(りょうじ)「そんなことするわけないだろ!」
出音(でおん)「まぁ、確かに共倒れするなどとデメリットしかないわな……しかし、いいのか?」
姜馬(きょうま)「そこは信じてもらうほかないな……」
 出音(でおん)はここを任せてもいいのか?という確認だったのだが、姜馬(きょうま)は本当に襲ってこないのだな?という確認だと
受け取った模様だ。
出音(でおん)「まぁ、もともと共闘するって約束だったしな……」
 更に出音(でおん)梶太郎(かぢだろう)が援護に向かうのは適材適所でもある。
梶太郎(かぢだろう)「おっしゃ〜!じゃ、早速行くぜ!」
呂司(りょうじ)「えぇ!?」
 態度の豹変しすぎだろ……って驚きを隠せない呂司(りょうじ)であった。
※なんか精神に失陥でもあるんじゃないか?って位の豹変ぶりだよね
 さておき、作戦が決まったならば、あとは実効あるのみだ!


END

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