Eighter -Scarlet Nocturne-
15ther 〜凱旋門に影傑眠る B〜



#3
メイルヒェン・海藤「なな、なんなんですか?この人たち」
 急に現れた見るからにヤバそうな連中を相手に思わずたじろぐメイルヒェン。
出音(でおん)・グロウシュベル「有嗎幇(ユーマハン)……」
メイルヒェン「え?」
梓與鷹(よたか)「危険だから下がっていてくれ」
御御脚(ユウ・ユウジャオ)「まぁ、少シ待て」
 一触即発……のその時、御脚(ユウジャオ)が一歩前に出て臨戦態勢を構える與鷹(よたか)らに声をかける
御脚(ユウジャオ)「何も今ハお前たちとコトを構えるわけでハない」
與鷹(よたか)(今は!?)
新田姜馬(きょうま)「ヴァルカナを狙っているのは俺たち以外にもいる……そして、奴らは既にここへ来ているだろう……」
與鷹(よたか)「つまり、メキシコの時と同じように一時休戦ってことか?」
御脚(ユウジャオ)「そうダ」
古畑呂司(りょうじ)「お前たちにとっても悪い話ではないはずだ?」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「まぁ、確かにな……だが、俺の目が黒いうちは貴様らは敵だ!」
 ドゴンッ
梶太郎(かぢだろう)「げえふぉあ!?」
 次の瞬間、與鷹(よたか)にドつかれ白目をむいて気絶する梶太郎(かぢだろう)
與鷹(よたか)「よし、これで目が白くなったしOKだな」
一同「……」
與鷹(よたか)「ウチの馬鹿がすまんな……それで、話を戻すが、一時休戦して共闘……受け入れよう」
御脚(ユウジャオ)「オオ!」
出音(でおん)(ってか、いいのか?さっきの『今は』ってワードが不穏すぎるんだが……)
與鷹(よたか)(その時はその時考えればいい)
 と、いうわけで今回もまた有嗎幇(ユーマハン)と行動を共にする事になったEighter一行なのであった。

姜馬(きょうま)「地下に向かっているようだが……」
與鷹(よたか)「あぁ、地下に向かっている」
呂司(りょうじ)「いや、その理由を知りたいんだが……」
梶太郎(かぢだろう)「そんなもん、ヴァルカナが地下にあるからに決まってるだろ、お前頭悪いのか?」
呂司(りょうじ)「貴様ッ!」
 梶太郎(かぢだろう)の罵声にカチンとくる呂司(りょうじ)
與鷹(よたか)「まぁまぁ……」
 咄嗟に與鷹(よたか)が仲裁に入らなかったら決裂していたかもしれない。
御脚(ユウジャオ)「確かニヴァルカナが眠るとしたら地上より地下カ……」
 それに地上とかにあれば、衛星写真とかですぐにわかっていそうなものだし、それがないということはやはり、
地下で間違いないのだろう。
メイルヒェン「……あの、この人達って結局何なんです?」
姜馬(きょうま)「世の中には知らない方がいいということもある」
メイルヒェン「は、はぁ……」

#4
 そして、暫く地下に降りると、妙に神聖な雰囲気がある開けた場所へとたどり着く
メイルヒェン「凱旋門の地下にこんな場所が!?」
 地元の民であるメイルヒェンも知らない場所で驚きを隠せない。
與鷹(よたか)「どうやらお出ましのようだぜ」
メイルヒェン「何!?妹か!?」
出音(でおん)「いや、そういうわけじゃなくて……」
 そこにやってきたのは勿論、メイルヒェンが探している妹ではなく、ヴァルカナを求めてフランスまでやってき
た残り二つの組織、ノース光輪結社と大神の降真靈(こうしんりょう)だった。
弥如(びぎん)「やはり来ましたか……」
クラウド・ノシュケー・マルーメ「当然。我らがノース光輪結社の大願成就の為にはヴァルカナは必須!」
弥如(びぎん)「大願成就ときましたか……ですが、それはこちらのセリフですよ?」
クラウド「何だと!?」
 そして、早くもノース光輪結社と大神の降真靈(こうしんりょう)は一触即発状態だ。
メイルヒェン「な、なんなんですか、あいつら!?」
梶太郎(かぢだろう)「一言で言えば敵だ!」
與鷹(よたか)「ンな大雑把な……」
 説明が雑。

*「控えよ!ジャンヌ・ダルクの御前であるぞ!」
 そして、その時、謎の声が響く。
メイルヒェン「こ、この声は!?」
 そして、兄であるメイルヒェンが真っ先に反応する……つまり、ソレは彼の妹である。
メイルヒェン「カミカーズ……カミカーズなのか!?」
 ガコンッ
 ウィ〜〜ン……
 すると突如床が開き、まるで劇場にある奈落から人が登場するかの如く、カミカーズが登場する。
 彼女は大きな旗をもって登場した。ただ、彼女が持っているのは何故か紅白歌合戦で使われる優勝旗に酷似して
いた。
※いや、ジャンヌ・ダルクはそんな旗持たねぇよ!
カイゼルグ・N・ショー「あぁ?なんだ、てめぇ、喧嘩売ってんのか!」
 真っ先に噛み付くのはカイゼルグだ。いや、カイゼルグじゃなくても突っ込みたくなる気持ちは分かるよ。
與鷹(よたか)「ん?あれは?!」
姜馬(きょうま)「棺か!?」
 それだけではない。カミカーズの傍には豪奢な棺が一つ。
 さらに、その棺にはVIIの数字と二輪の戦車に乗った若き王が描かれた透明なタロットカードのようなものが嵌
め込まれていた。
一同「ヴァルカナ!」
 それは紛れもなく《戦車(チャリオット)》のヴァルカナだった。


続

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