Eighter -Scarlet Nocturne-
12ther 〜影雄は極彩(いろ)を好む B〜



#3
一同「な、なんだ、コイツら!?」
*、*「……」
 不気味な沈黙を貫く真っ白なジャガーの戦士と真っ赤なイーグルの戦士。
新田姜馬(きょうま)「……ここ、メキシコとはかつてアステカの文明が栄えた地」
古畑呂司(りょうじ)「一体何を?!」
梓與鷹(よたか)「なるほど、奴らはアステカのエリート貴族戦士の戦士団……」
 有嗎幇(ユーマハン)に相乗りする形で與鷹(よたか)が口を挟む
姜馬(きょうま)「ジャガーの戦士はオセロメー」
與鷹(よたか)「イーグルの戦士はクァクァウティン」
オセロメー「敵は、排除……」
クァクァウティン「侵入者は、始末……」
 そう呟くや否や、二手に分かれて襲い掛かるオセロメー、クァクァウティン
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「チッ、オセロの恨みはあの世でやってくれ!」
出音(でおん)・グロウシュベル「いや、『オセロめぇ!』って恨み言じゃないから……」
カイゼルグ・N・ショー「古代人が現代人に喧嘩売るとはいい度胸じゃねぇか、あぁ?文明の違いって奴を見せて
やるぜ!」
弥如「ヴァルカナ争奪戦とは思ったよりハードなレースのようですねぇ……」
※いや、いつもこういうわけではない。
アレフ・サンドクロック「暴風の鷲撃刃(シュツルム・アードラー)!」
 ズシャアアッ
 先手必勝とでも言わんばかりに上空から一気に降り注ぐ風の刃でクァクァウティンを両断するアレフ
カイゼルグ「ケッ!他愛もない!」
呂司(りょうじ)「こちらも、早く奴を……」
姜馬(きょうま)「待て……先ほどの言葉を覚えているか?」
呂司(りょうじ)「先程の言葉?」
 ど、どれだ?と考え込む呂司(りょうじ)與鷹(よたか)「オセロメー、クァクァウティン……この二つは個人の名前ではない」
梶太郎(かぢだろう)「何!?……じゃ、アステカ文明の時代から今までずっと生きてるってことか?」
 いや、故人ちゃう、個人やから
出音(でおん)「そうか、戦士団の名前って言ってたな……」
アレフ「マジかよ……」
 その言葉を待ってましたとでも言わんばかりのタイミングでわらわらと参上する両戦団。
灰漸(はいぜん)栖嶺(すれい)「いいだろう、ならば、貴様らには我らノイエDA第五分隊が自ら仏の慈悲の二文字を叩き込んでやるわ!」
 謎のポージングを決めて啖呵を切るハイゼンスレイラーU。
 ってか、『仏の慈悲』って二文字じゃなく四文字だから

#4
梶太郎(かぢだろう)「俺たちも早く奴らをぶちのめそうぜ!」
出音(でおん)「お前は気楽でいいな……」
呂司(りょうじ)「だが、奴らを何とかしないことには、何も始まらないことは確か……」
御御脚(ユウ・ユウジャオ)「そこノお前らに相談ガある……」
 その時、御脚(ユウジャオ)與鷹(よたか)らに声をかける
與鷹(よたか)「言いたいことは分かる。一時休戦して共闘だろ?」
御脚(ユウジャオ)「あぁ……そうシてくれるト助かる」
梶太郎(かぢだろう)「いいぜぇ、旅は道連れ、余は情け容赦無いっていうからな!」
出音(でおん)「いや、言わないだろ……」
 と、いうわけで、Eighterの一行は有嗎幇(ユーマハン)と一時休戦して共闘することを決める。
アレフ「カイゼルグ様、こちらも一時休戦して共闘するのはどうでしょうか?」
カイゼルグ「あぁ!?てめぇ、俺に喧嘩売ってんのか!」
アレフ「で、ですよねぇ……分かってました。はい」
 ノース光輪結社も大神の降真靈(こうしんりょう)と一時休戦して共闘しようと持ち掛けるも、カイゼルグはそれを拒む。
 ってか、ノース光輪結社の正式な司祭を差し置いて勝手に共闘を断って大丈夫なのだろうか?
クラウド・ノシュケー・マルーメ「因縁のある相手は譲ってあげますよ?」
カイゼルグ「言われなくともだ!行くぜアレフ!」
 共闘決裂……アレフは内心涙を流しながらかつての仲間との死合に望むのであった。

姜馬(きょうま)「奴らは愚かですね……こんな時にもいがみ合うとは……」
 巨大な爪を彷彿させる形状のカタールを振るい迫るオセロメーを撃退しつつ姜馬(きょうま)は呟く。
與鷹(よたか)「ノース光輪結社も大神の降真靈(こうしんりょう)も自分以外を認めない秘密結社ってことだろうよ……」
 與鷹(よたか)も双狼拳でオセロメーを殴り飛ばしつつ相槌を打つ。
呂司(りょうじ)「ウェステリア……いや、今はカイゼルグか……奴がいるからこじれるんだと思っていたが……」
梶太郎(かぢだろう)「ってか、こいつらどんだけいるんだよ……」
 殴り飛ばしても殴り飛ばしてもケロリとして立ち上がり襲い掛かる軍勢に一種の恐怖を禁じ得ない梶太郎(かぢだろう)であっ
た。
出音(でおん)「そもそも、アステカ文明があったころにいた戦団なのだろう?……どうして現代でも生きているんだ?」
 まさか、脈々と戦士は受け継がれていて、こいつらは現代の戦士というわけでもあるまい……と出音(でおん)はぼやく
呂司(りょうじ)「考えられるのは奴らがひと塊でヴァルカナリアクターである可能性……」
梶太郎(かぢだろう)「何ぃ!?そんなことできるのか?」
 果たして、真相はいかに!?


続

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