Eighter -Scarlet Nocturne-
11ther 〜僧兵は影雄を求む B〜
#3
反永「つまり、我々が最初に用いていたものは場違いな白き遺物(と呼ばれるアーティファクトであり韻麗(が知った
のは場違いな黒き遺物(と呼ばれるアーティファクトを用いる方法であった」
ユーサー・コージィ「あ、はい……そうです。つまり、そういうことなんです」
ユーサーの拙い言葉からここまでの情報を引き出して見せる反永(。
それは正しく一を聞いて十を知ると言った感じであった。
反永(「そして、今回の提案はもう一つの方法……場違いな影の遺物(を用いる手法というわけだ」
ユーサー「そうです。そうです。分かりにくくて、すいません、すいません」
こくこく頷きながらへこへこ頭を下げるユーサーであった。
反永(「百万朱版の転生大聖印(……通称ヴァルカナ……」
それはぶっちゃけるとタロットカードのような代物……と身も蓋もないことを言いだす反永(
韻麗(「しかし……」
そんなうまい話があるのか?と半信半疑な韻麗(。
ユーザー「こ、この世界に、そ、存在しない神を召喚するには、や、やはり、こ、この世界に存在しない代物を使
うのが、こここ、効果的……」
慈円(「なるほど、異世界の神召喚ガチャに必要なアーティファクトとはこの世界に存在しない代物である方がいい
ということですか……」
この海のリ〇クの眼をもってしても見抜けなんだわとまるでお前の眼は節穴か!と言いたくなるような納得の仕
方をする慈円(であった。
韻麗(「で、この世界に存在しないアーティファクトをどうやって探すというんだ?」
そもそも、存在しないものを探すなどワケが分からないよ。
ユーサー「す、既にいくつかのヴァルカナは見つかっていて……ヴァルカナ争奪戦は始まっている」
一同「何だと!?」
もし、それが事実ならば大神の降真靈(は出遅れたということになる。
反永(「だが、出遅れたものは仕方のないこと……」
一同「それは……ですが……」
反永(「問題なのは巻き返しが可能かどうか……でしょう?」
まぁ、巻き返しが厳しいのであれば、こんな情報を今更持ち込んでくることもないのでしょうが……
ユーサー「あ、あと、もももも、ももも、もう一つ……」
反永(「なんだ?」
そうして、ユーサーが告げるのはヴァルカナリアクターと幽闘術についてだった
※一つじゃなく、二つじゃんって揚げ足取りは無しで
#4
それだけではない。百万朱版の転生小聖印(も手渡すとユーサーはまた平身低頭しながらその場を去っていくので
あった。
慈円(「反永(様?」
ずっとユーサーが立ち去った方向を見続ける反永(に、思わず慈円(が声をかける。
反永(「ヴァルカナ争奪戦、乗りましょう」
韻麗(「いいんですか?……罠という可能性は?」
反永(「アレがそんなことを考えているとは思えません……それに、今の力でアレを倒すことができますか?」
一同「そ、それは……」
ヴァルカナリアクター、幽闘術……その得体の知れなさすぎるモノを相手に勝てる確証はない。
反永(「まずは百万朱版の転生小聖印(を使ってDAの立て直しです」
こうして、DAはノイエDAとして生まれ変わったのDA!
そして、一週間後……
新たなるヴァルカナの出現がEighter、ノース光輪結社、有嗎幇(、大神の降真靈(に届けられた。
場所はメキシコ!
と、いうわけでメキシコに四つの組織が集うこととなる。
メキシコ、北部某所
弥如(「しかし、本当にこんなところにヴァルカナなんてものがあるのか、少し疑わしいものだな」
惹閃(「……だ、だけど、こ、これは反永(様からの命でもあるから……」
弥如(「分かっている。反永(様のお言葉を疑っているわけではない」
そもそも、本当に疑っているわけではない!それくらいわかっているだろ!って毒づく弥如(。
そこまで力強く言われると何も言い返せない惹閃(であった。
灰漸(「ともかく、ひとまずは行くしかない……」
その目的の場所はテスココ湖。メキシコ中央高原にあったタツノオトシゴのような瓢箪のような形の南北約65km
にわたる大きな湖であった。
しかし、時代の流れとともに埋め立てが進み、今は5km×2km程度の長方形の区画を残すのみとなっているらしい
※ちなみにこの情報は2007年の情報になります。
灰漸(「それにしてもテスココ湖って言いにくいな……」
一同「……」
いや、それはどうでもいいと思う一行であった。
続
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