Eighter -Scarlet Nocturne-
5ther 〜影光と致死の反動(デスリアクション) C〜



#5
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「ハアアアッ!無彩虎襲(むさいこしゅう)!」
 ドゴドゴドゴドゴドゴッ
アレフ・サンドロック(クッ、コイツ……こんなに強かったか!?)
 苦戦を強いられるアレフ。
 アレフのあずかり知らぬことだが梶太郎(かぢだろう)は恒常的にウェルと我が元に帰れ(ヴォレーゲン)状態なのだ。
※解除したら死ぬ……まではいかないまでも日常生活に難ありってなっちゃうので仕方ない
クラブの3「そんな馬鹿な……アレフ様が圧されている!?」
クラブの4「馬鹿な……」
クラブの5「奴はヴァルカナリアクター……いや違う……そっ、そんなことがありえるのか!?」
 梶太郎(かぢだろう)の腕に何も刻まれていないことを確認し、驚愕するしかない宣教倶楽部の面々だった。

 一方……
青井(そら)「俺の歌を聞っけぇ〜〜〜」
 ギャルイ〜〜ンッ
 音が電気を帯びてジョスィフに襲い掛かる
ジョスィフ・クロード「それが貴様の幽闘術か……だが、その程度では俺の月の御手(ムーン・レィス)の足元にも及ばないな」
 ドゴンッ
 左手をズボンのポケットに突っ込んだまま、軽く右拳を叩きつける余裕な表情のジョスィフ。
(そら)「んなっ!?」
 しかし、この遊んでいるかのような拳打で(そら)の音は掻き消された。
(そら)「てめぇ、人の音楽を叩き砕くなんて何を考えてやがる!」
ジョスィフ「フン、ならば、貴様の音がその程度だったということだ」
(そら)「なめるなッ!ならば、俺の音を……魂を聞ッけぇ〜〜〜」
 ドギャオ〜〜〜ッ
(そら)「これが俺の突撃ラブハートだッ!」
 いや、待て待て!それアカンやろ!
※ちなみにLove HeartではなくRub Hurt(擦って傷つける)だからOK(いや、マテコラ!)
ジョスィフ「だから。無駄だと……」
 ガインッ
 先ほどよりも威力の強い拳が電撃を帯びた音と激突。今度は砕けない。
ジョスィフ「ほう?」
(そら)「どうよ!」
ジョスィフ「少しだけ、相手をしてやる」
 ズドムッ
 しかし、慌てず騒がずジョスィフは左拳を叩きつける。
(そら)「こ、こいつ!?」
 ビキビキッ
(そら)「うっ!?」
 音が、押し返されるなどという謎の感覚を(そら)は味わっていた。
 更に、(そら)の持つエレキギターに(ヒビ)が入っていく。
(そら)「ばっ、馬鹿な!?俺の音楽が?!」

#6
ジョスィフ「どうした?お前の力はその程度か?」
(そら)「なめんな!……歌は兵器!」
 いや、待て!それもアカン奴!
(そら)「うおおおおっ!」
 例えこのエレキギターが限界を迎えようとも、俺の歌は、魂は不滅だ!と言わんばかりにエレキギターを鳴らし
続ける(そら)
(そら)「響、け、風の唄〜♪」
 ギャイィ〜〜〜ンッ
※いや、それだとマク□スじゃなくてテイ〇ズになるねん。
 迫る電気を帯びた音。
 だが、しかし、ジョスィフは攻撃を繰り出そうとしない。
(そら)「貴様、巫山戯(ふざけ)てんのか!」
ジョスィフ「いや、もう終わった……」
(そら)「はぁ!?」
 バァンッ
 そして、ジョスィフが予告(?)した通り、(そら)のエレキギターは砕け散る。
(そら)「うっ!?」
 そして、死を宣告するかの如くゆっくりと(そら)に歩み寄るジョスィフ。
出音(でおん)・グロウシュベル「マズイぞ……」
梓與鷹(よたか)「あ、ああ……」
クラブの3「ハッ!させるかよ!」
 出音(でおん)與鷹(よたか)の動きを一瞬だけでも止められれば、あるいは……と宣教倶楽部のメンバーが襲い来る。
與鷹(よたか)「ええいっ」
出音(でおん)「邪魔っ!」
クラブの4「貴様らこそ、ノース光輪結社にとって邪魔者以外の何物でもないわッ!!」
 三人とも青い炎を纏った拳で殴りくる
出音(でおん)刃拳反(はけんがえし)!」
與鷹(よたか)聖狼躱虚(しょうろうたうろ)!」
 ズドドガンッ
クラブの3、4、5「ぷげらッ!?」
 しかし、案の定と言うべきか、宣教倶楽部のメンバーでは與鷹(よたか)出音(でおん)のコンビを食い止められるはずもなかった
 攻撃を躱され、強烈なカウンターを食らって吹き飛ぶ三人。
梶太郎(かぢだろう)「ヘッ、俺も後れを取るわけにはいかねぇなぁ……」
 それを見て梶太郎(かぢだろう)も決着を急ぐ。
アレフ「なめるなよッ!暴風の鷲撃刃(シュツルム・アードラー)!」
 ドドドドドドドドッ
 上空から一気に降り注ぐ風の刃で梶太郎(かぢだろう)を切り裂きにかかるアレフ
梶太郎(かぢだろう)金鯱流楼(きんこるろう)!」
 すすすっ
 しかし、梶太郎(かぢだろう)はその刃を華麗なステップで回避する
アレフ「グッ、駄目かッ……」
 かつての敗北が、リフレインする
梶太郎(かぢだろう)「おらあっ!」
 ドゴオンンッ
アレフ「ぐっ……ぐふぅ!?」
 かくて、梶太郎(かぢだろう)の拳を受け、アレフは(くずお)れる。

#7
ジョスィフ「……」
 アレフ、宣教倶楽部のメンバーを掻い潜ってジョスィフの前までやってくる一行。
與鷹(よたか)(正直、コイツの力は底が知れないが……)
出音(でおん)(それでもやるしかない……)
 《ザ・テンペスト》までとも言わないが、ジョスィフの実力もまた、計り知れない
ジョスィフ「フッ、貴様らに一つ教えておいてやるぜ」
梶太郎(かぢだろう)「何をだよ!?」
ジョスィフ「ヴァルカナはヴァルカナリアクターの手によってのみ引きはがせる!」
 (そら)の右腕を左手で掴み、あたかもカードを抜き去るようなパントマイムを行うジョスィフ。
 するとそれは現実となる。ジョスィフの右手にはXVの数字とバフォメットのようないかにも悪魔といった生物が
描かれたクリアカードで出来たタロットカード……ヴァルカナが握られていた。
梶太郎(かぢだろう)「あぁ、そうかい、ご丁寧に説明ありがとよ」
與鷹(よたか)(ってことは、ヴァルカナリアクターを見つけても、ヴァルカナを確保することはできない!?)
(そら)「お、ごあああ!?」
與鷹(よたか)「なんだ!?」
 そして、突如(そら)が藻掻き苦しみだす。
ジョスィフ「そして、もうひとつ、教えておいてやろう……ヴァルカナリアクターがヴァルカナを失うとき、それ
はすなわち死を意味する」
一同「な、なんだと!?」
 衝撃の事実を目の当たりにする一行。その間にノース光輪結社の連中は閃光とともにその場から消え去ってしま
うのであった。
 ヴァルカナ争奪戦……それは血を見ずして終わらない戦いである。


END

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