Eighter -Scarlet Nocturne-
1ster 〜場違いな影の遺物(シルエット・オーパーツ) A〜



#0
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を巡る一連の事件は収束した。
 しかし、あの結末は、果たして終わったと言っていいのかどうか迷うところでもあるが……
 そして、全ての終わりは、全ての始まりでしかない……と誰かが本能寺で死ぬ前におっしゃっていました。
※それじゃ、誰かじゃなくて織田信長だって言ってるようなもんだよ!
 そう、これは新たなる波乱の幕開けなのである。

#1
 天四斗(あまよと)、某所
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「ほおぉっ」
 その日、梶太郎(かぢだろう)は先日の戦闘で受けた傷が、今後の拳法家人生に障らないか確認するために一人体を動かしてい
た。
 と、そんな時、そこへ一人の男がやってくる。見たところ、何者かに追われているようだ。
*「はぁ、はぁ……」
 男は梶太郎(かぢだろう)と目が合うとそのまま、彼に縋りつく
梶太郎(かぢだろう)「おいおい……」
*「たっ、頼む、こ、コレを……Eighterに……」
 ガクリッ
梶太郎(かぢだろう)「はぁ!?」
 その言葉を最後に、男はこと切れる。そして、その直後に彼を追ってきた奴らもそこへやってくる。
梶太郎(かぢだろう)「なんだ、てめぇら!?」
*「貴様こそ……」
*「いや、そんなことよりも、その男から何か貰わなかったか?」
梶太郎(かぢだろう)「……さぁな……」
 何か聞かなかったか、ではなく、貰わなかったか……と来たか……と梶太郎(かぢだろう)は目を細める。
 奴らの狙いは間違いなく先ほど貰ったアレだろう……別に俺とは何の関係もないことだから、奴らに渡してもよ
かったのかもしれんが、梶太郎(かぢだろう)は今やEighterらの手駒である。勝手な真似はできないのだ。
※いや、自らをそんなの卑下せんでも……
*「隠すと為にならんぞ」
梶太郎(かぢだろう)「そんなに大事なものをなくす方が悪いんじゃねぇか?」
*「貴様……」
*「ならば、ここで死ね!」
 目の色を変えて襲い掛かる奴ら。そんな奴らを見て、梶太郎(かぢだろう)はリハビリには丁度いいと双虎拳(そうこけん)を振るう
梶太郎(かぢだろう)「おらあッ!黄虎蹄(おうこてい)!」
 ドゴンッ
 バガンッ
一同「げっ、ゴハッ!?」
 左右から挟撃にかかってくる奴らに対して腹への強烈な一撃を叩き込む梶太郎(かぢだろう)。
 腹部を強打されれば、暫く動けなくなるのは道理である。
*「馬鹿な、奴は俺たちと同じ!?」
*「それこそ、そんな馬鹿な!?」
梶太郎(かぢだろう)「チッ、てめぇらじゃリハビリにもなりゃしねぇ!」
 凄む梶太郎(かぢだろう)に、襲い掛かってきた奴らは一時撤退を余儀なくされるのであった。

#2
梶太郎(かぢだろう)「クッソ、何だってんだよ……」
 これは、どう考えても厄介ごとの匂いしかしない……
 そうは言っても、託された最後の願いがEighterへと来た。梶太郎(かぢだろう)は盛大な溜息を一つつくと、Eighter本部へと
足を運ぶのであった。
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
梶太郎(かぢだろう)「おらあっ!與鷹(よたか)ッ!死ねぇ!」
梓與鷹(よたか)「って、またかよ……」
 ズドガンッ
 今日は入り口のドアを破壊して殴り込んでくる始末である。
 今まで以上に怒りを覚えた與鷹(よたか)は思わず天狼甲ショロトルを呼び出して渾身の二撃を繰り出すのであった。

梶太郎(かぢだろう)「はっ!?」
 暫くして目を覚ます梶太郎(かぢだろう)
エスティリオ・アリーフ・ザンスパイン「どうやら目を覚ましたようであ〜るな」
梶太郎(かぢだろう)「貴様はッ!」
 ゴンッ
與鷹(よたか)「お前、ドア弁償しろよ!」
 起き掛けに目にしたエスティリオに思わず身構える梶太郎(かぢだろう)だが、背後から脳天に拳骨を叩き込まれて再び昏倒し
そうになる。
 無論、與鷹(よたか)からの一撃である。
 ちなみに、サイレントウィザードとの最終決戦の後、どういったわけかエスティリオが仲間に加わりました。
※いや、なんで!?
與鷹(よたか)「総はいないぞ?」
梶太郎(かぢだろう)「ヘッ、俺は確かに奴の手駒だが、奴の命令がなければ何もできない木偶ではないわッ!」
一同「……」
 じゃ、お前、何しに来たんだよ、という視線が突き刺さる。
梶太郎(かぢだろう)「俺が今日ここに来たのは貴様に渡すものがあるからよ!」
與鷹(よたか)「なんだ?もしかして果たし状か?」
 なんて冗談交じりで言ってみる與鷹(よたか)。
 その直後、梶太郎(かぢだろう)はドダンと机に拳を叩きつける
與鷹(よたか)「い、いや、今のは冗談だっての……」
梶太郎(かぢだろう)「コレだ!」
 先ほど机に拳を叩きつけたかに見えて、実は懐から取り出したあるものを見せつけていたのだ。
一同「何だこれ!?」
 透明なカードのようなものがそこにあった。そして、そこには0という数字と、一人の旅人らしき男と一匹の犬
が描かれていた。
 どこからどう考えてもタロットカードとしか思えなかった。
與鷹(よたか)「お前は俺に何か渡すだけでもいちいちドアを破壊しないと気が済まないのかよ!」
 思わず、與鷹(よたか)がそんなことを突っ込んでしまう。


続

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