Eighter -Practical Era-
48ther 〜戦うことは運命だ A〜



#0
 ある日サザンオルステラからやって来たのはミセスリコルデの弟子を名乗る二人。……師匠が強すぎて相手にな
らないので武者修行のために天四斗(あまよと)へとやって来たのだ。
 天四斗(あまよと)工業きっての武闘派である夏、南と死合うことになるのだが、こんな面白いことを見逃すような天四斗(あまよと)の
Dr.キリコとGTRではない。颯爽と武道館を占拠して戦いのゴングは鳴った!
※そういえば(らく)とか花も結構戦闘力あるから武闘派の一門だよね。天四斗(あまよと)工業武闘派四天王……アリかもしれない
 (をい)

#1
 さて、模造刀を()し折られショックを受けていた夏の方は、メイドの櫟木樂(いちい・らく)から仕込み箒を借りて心機一転。
 死合は第二幕へ
榎木(えのき)夏「黎月(れいげつ)!」
ライラ・ケペシュ「ジャックスラッシュ!」
 ガガガガガキンッ
 弧を描く一閃と左右からの連続斬撃……先ほどと全く同じ技と技とのぶつかり合いだが、先ほどとは違う点が一
つだけあった。
 そう、夏の刀が()し折られない点である。
ライラ「その得物……なかなかの業物と見た!」
櫟木樂(いちい・らく)「はい。日本メイド協会より特に優れたメイドに送られる逸品ですから」
 日本メイド協会、どうなってんだよ……と一同、心の中で突っ込む。
 ちなみに、余談だが、サザンオルステラのメイド協会でも似たようなものらしい。更に世の中には竹箒ではなく
砲機(ほうき)を下賜するメイド協会もあるらしい。メイド協会って一体……
夏「いける!これなら夏殷流刀鞘術(かいんりゅうとうしょうじゅつ)の全てを出せる!」
 いや、模造刀じゃ刀身がもたないのかよ……
ライラ「だったら、その全てを見せてください!リッパータイフーン」
 どぎゅるるるるるっ
 回転しながら突っ込んでくるライラ。
夏「幻晶銀冽(げんしょうぎんれつ)!」
 ドッ
 片手で上段に構えた仕込み箒を一気に振り下ろす。
ライラ(見切った!)
夏(甘い!)
 ライラが見切った!と思った次の瞬間、逆手に持ち替えた夏は切り上げを繰り出す
ライラ「さっきの斬撃はフェイント!?」
 ガインンッ
 回転斬撃をやめて、なんとか迫る凶刃を両手で受け止めるライラ。
一同「おお!」
 手に汗握る攻防に、一行も固唾を飲んで見守る。

テ金(しんかね)心「ところで話は変わるが、(くくる)は、進路はどうするつもりなんだ?」
テ金括(しんかね・くくる)「なんで唐突に今そんな話になるんだよ!姉さん!」
 寧ろ、話を変え過ぎだ!
心「うむ、ここに座ってるだけというのも退屈になってきたので……」
(くくる)「解説しようよ、姉さん……」
 解説が解説を放棄しちゃダメだろ……と頭を抱える(くくる)。
心「やっぱり第一志望は姉に永久就職?」
(くくる)「そんなわけあるか〜〜!」
心「はっ!?まさか、他の女に永久就職!?だ、ダメだよ、そんなこと許さないんだから!」
 両手を握りしめ、ぶんぶんと首を振りながら叫ぶ心。
(くくる)「個人に永久就職って考えやめてぇ!」
 すると、すっと急に真面目な顔つきになる心。
(くくる)「姉さん?」
心「……うむ、そうだな、人はいずれ死ぬ……ならば、永久ではなく、半永久と言った方が正しいか」
(くくる)「そういう意味じゃねぇ!」
 真面目な顔で何言ってんだ!
 と、言うか本気で解説してください。

#2
 一方、南とイルルは……
楠木南「はああ!」
イルル・ファルカタ「てぇえい!」
 ガガガガッガキンッ
 入れ替わり、立ち替わり天神明写しとエックス仮バー君とがぶつかり合い、火花が飛び散る。
(くくる)「な、なぁ、あの二人の戦いの余波で武道館が壊れそうなんだが……」
一同「……」
 確かに太刀風とか剣圧とかが武道館のあちこちをキズモノにしていく。
※いや、キズモノって表現……
品辛斬子(ぴんから・きりこ)「問題ない。修理費は成小路が払ってくれる」
成小路金厭(かねあき)「そんなわけあるか!」
風見原莉暗(りおん)「な、何だと……」
金厭(かねあき)「なんでそんな驚愕するんですか!」
 おかしいでしょ!といきり立つ成金
斬子(きりこ)「そうか……じゃ、仕方がないな……下半身丸出し(フルチン)にして……」
金厭(かねあき)「分かりました、ここの修理は成小路財閥が責任をもって行います!」
一同(折れるの速ッ)
 と、言うか、天四斗(あまよと)のDr.キリコの発言がえげつなさすぎる……
斬子(きりこ)「よし、南、それに夏、もっと派手にぶちかましていいぞ!」
金厭(かねあき)「やめろ!」
 修理するって言ったけど、だからといって跡形もなく破壊していいって意味じゃねぇよ!と憤る成金
イルル「喰らえ!ブラッドアフタヌーン!」
南「何の!結蜻蛉(むすびとんぼ)・上座!」
 ドカンッズドオンッ
 両手でエックス仮バー君を握りしめると突き出しつつ突撃を繰り出すイルル。
 対して南は天神明写しで斬撃を放つとともに反動を利用して後方へ飛ぶ。
 追うものと逃げるものの激突。スピードは同じようなため距離が縮まらない……
イルル「逃げの一手では私は斃せないわよ!」
南「何も逃げているわけじゃないわ、距離を取っているのよ」
一同(いや、言い方の問題……)
(くくる)「姉さん、距離をとるのは逃げるのとは違うってことでいいのか?」
心「う〜〜ん、その人の気分次第なんじゃないかな?」
 そんな適当な……
心「それはさておき、(くくる)、もっと距離を詰めてもいいんだぞ?」
(くくる)「いや、この距離で……」
 寧ろ、私の膝の上に座ってほしいと、自分の両膝をぱんぱん叩く心。暑っ苦しいのでこのままで……と(くくる)。謎の
攻防だった。
※本当、何やってんだか、この二人……

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