Eighter -Practical Era-
18ther 〜宇宙何光年の卓球 B〜



#3
 卓球の強豪、長野農多林高校……をなんだかどうにも拍子抜けな感じで撃破した天四斗あまよと工業
 そして、トーナメントを次に進めることになり……
品辛斬子ぴんから・きりこ「まさか、ここまで進んでしまうとはな……」
 その後、かんなの超運の庇護なのか……何なのか……ともかく、天四斗あまよと工業は勝ち続け……遂には決勝にまで進
出することに成功した
 まぁ、孫家流卓球、曹家流卓球、劉家流卓球のようなインチキな卓球を使う選手なんて他に入るわけもなく、そ
うなると純粋に力の差で夏、南、心が助っ人として出場している天四斗あまよと工業の進撃を阻めるものなんていないわけ
で……
 この結果は至極当然ともいえる……
嘱口属しょっこう・やから「ここまで来たら優勝めざせるわよ」
榎木えのき夏「ま、私達が助っ人なんだから当然でしょ」
楠木南「でも、油断は禁物よ」
テ金しんかね心「ま、心配あるまい……なんたって君たちは私が誇る妹なのだからな」
やから、夏、南「いや、だから……」
 私は貴方を姉と認めない……そんな感じの三人であった
夏「で、決勝の相手はどこなの?」
南「え〜〜っと……」
 とりあえずトーナメント表を見てみる南
心「ふむ、どうやら天四斗あまよと商業のようだな」
やから「え?天四斗あまよと商業?」
 予期せぬ名前が飛び出し、やからは唖然としつつ、トーナメント表を確認する
やから「……本当だ!天四斗あまよと商業だ……嘘っ……」
斬子きりこ天四斗あまよと工業 VS 天四斗あまよと商業か……これは、因縁の闘いになるな」
やから「いやいや、そんなわけないでしょ……」
斬子きりこ「なんだ、因縁はないのか……」
やから「違くて……天四斗あまよと商業が卓球に力を入れているなんて聞いたことないんですけど……」
一同「え?」
斬子きりこ「おお、いいところに気がついたな……私もそれを先に言おうとしていたのだよ」
一同(本当かよ……)
 ……まぁ、ともかく、天四斗あまよと商業が卓球に力を入れているなんて噂は聞いたこともない……それはつまり、卓球
の強豪ではないという意味である。
 最も、ひたすら隠し続けてここに来たのならば話は別だが……人の口に扉は立てられないもの……どんなに情報
規制を行っても、知られ渡ってしまうものである
*「フッ……どうやら考えることは同じのようだな!」
やから「あなたは?」
 と、そこへやってくるのは無論、天四斗あまよと商業の生徒
*「俺は天四斗あまよと商業、卓球部部長、踊足甬おどたり・ようやから「考えることは一緒ってどういうこと?」
踊足甬おどたり・よう「そっちも今回の大会の為に助っ人を用意したんだろう?」
心「なるほど、では、そちらも今回の大会の為に助っ人を用意したと言うわけだな」
よう「おうよ!そして見よ!この精鋭の姿を!」
 そして、紹介される四人の女性……
 彼女らは皆、誇らしげに触角の様な二本のアフォ毛がピコっと揺れ動いていた

#4
やから「なっ、天蓋てんがいあだッ?」
 驚愕するやから
 触角のように二本のアフォ毛が特徴の存在と言えばもはや、思い当たるのは一つしかない
 そう、天四斗あまよと商業が用意した助っ人というのは天蓋てんがいあだだったのだ……
 宇宙からやってきた友好的な種族にして、人間を遥かに超えた力の持ち主たる天蓋てんがいあだにしてみれば、卓球で人
間を圧倒することなど容易い。
 卓球に力を入れている強豪でもなんでもない天四斗あまよと商業が決勝戦まで勝ち残れたのは正しく、天蓋てんがいあだの力添え
があったからなのだ
やから天蓋てんがいあだが相手だなんて……」
 いまだかつて、人間が天蓋てんがいあだを凌駕したという話は聞いたことが無い……
 まぁ、もしかしたら世界中くまなく探せばそんな人間が至りいなかったりするのかも知れなくもないかもしれな
いが……(結局どっちだよ!)
 今の戦力で天蓋てんがいあだをねじ伏せられるかと言われると……
斬子きりこ「お前たち、そんなことでどうするんだ」
一同「先生?」
斬子きりこ「諦めたらそこで見合い終了ですよと、結婚したくて焦っている女性も言っていただろう」
 いや、言ってない……
斬子きりこ「いいか、たとえ1%の勝機しかなくても立ち向かうのが天四斗あまよと工業の生徒だろう」
 そんな話は聞いたことが無い
心「ふむ、そうだな……確かに、相手があの天蓋てんがいあだだといって気おくれしていても始まらない」
斬子きりこ「まぁ、天蓋てんがいあだが相手ならば1%の勝機もないだろうがな」
一同「アンタは一体何なんだァああああ〜〜〜ッ!」
 そう言う台詞は二人が言うことで物語が進行するのであって同じ人物が言いだすのでは矛盾するというか、なん
というか、一体何がしたいの?ってな感じである
心「まぁ、いいさ……相手が天蓋てんがいあだであろうとも勝負は勝負」
天蓋てんがいあだ「その意気やよし」
心「天四斗あまよと工業全校生徒の姉としてまずは私が相手になろう」
 すっと前に出る心。その姿は正しく生徒会長といった感じだった
※本人は姉のつもりですが

 ……で、試合結果はどうなったのかというと……

南「やっぱ、天蓋てんがいあだには勝てないわね……」
夏「……ストレートにコールド負け……」
 そう、やはり、天蓋てんがいあだが相手では分が悪かった。
 心をはじめとして夏、南、やからと続けざまに敗北を喫し、天四斗あまよと工業は決勝にて敗れ去ることになったのだ
よう「ふははは!これが天四斗あまよと商業の底力って奴だ!」
天蓋てんがいあだ「まぁ、実は私達は天四斗あまよと商業の生徒ではないんだがな」
一同「え?」
よう「ちょ、お前ら……そこは黙っていろよ!」
天蓋てんがいあだ「何故?」
天蓋てんがいあだ「隠し事とは卑怯ではないか?」
 はてな?と言った感じで二本のアフォ毛×四が首を傾げる
よう「いや、だから……」
*「おおっと、どうやら決勝に進んだ天四斗あまよと商業ですが、選手は天四斗あまよと商業の生徒では無かった模様です……と、
なると、これは……失格になるのではないでしょうか」
よう「ま、待ってくれ……彼女たちはウチの生徒だ!……あれは所謂天蓋てんがいあだの冗談」
天蓋てんがいあだ一同「いや、事実だが……」
よう「……」

#5
 正々堂々と勝負を挑む誇り高き種族である天蓋てんがいあだが嘘をついて試合に臨むなどとありえない
 そんなわけで決勝まで進んだ天四斗あまよと商業は失格で棄権扱いとなり、天蓋てんがいあだに敗北を喫した天四斗あまよと工業は判定に
より優勝ということになった
斬子きりこ「ま、終わりよければすべてよしだな……」
一同(い、いいのかなぁ……)
 これも、もしかすると運の女神、かんなの超運の庇護によるものなのだろうか……
※今回、結局最後までかんなが一切登場しなかったけど……
 なお、決勝まで進んだ天四斗あまよと商業は、それまで負かした高校一校から貴様、よくも天蓋てんがいあだが生徒だと偽って試
合に臨んだな……許さん!と言った感じで天四斗あまよと商業に襲いかかるのだが、それはまた、別の話である。


END

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