Eighter -Practical Era-
17ther 〜中国四千年の卓球 B〜



#3
 天四斗あまよと工業が力を入れるスポーツ……それは卓球……そして、そんな卓球の全国大会に出場することになったの
だが、初戦の相手は中国四千年の歴史を誇る卓球の使い手
 かくて、卓球部部長の嘱口属しょっこう・やからは助っ人を頼むのだった……
 長野県、長野県オリンピックスタジアム
嘱口属しょっこう・やから「さ、行くわよ、準備はいい?」
榎木えのき夏「ええ、まぁ……」
楠木南「任せなさい」
テ金しんかね心「愚問だな、私はいつでも準備万端だ……」
 そして、天四斗あまよと工業 VS 長野農多林高校、その試合が始まった!

*「私は孫家流卓球の正式伝承者、めんすてい……貴方に孫家流卓球の恐ろしさ、教えてあげるわ!」
夏「望むところ!」
 まずは孫家流卓球の使い手、すていと夏との試合。
 両者気合十分ですていからのサーブ
夏「はっ」
 カコッ
めんすてい「よっ」
 カカッ
 南がそれを撃ち返し、すていが更にそれを返す……
 地味〜〜にラリーが続き……
夏(まずは、先制頂きッ)
 勝負を決める!とカっと目を見開いて迫るピンポン玉をスマッシュで弾き返す……いや、弾き返そうとする夏
 スカアアッ
夏「なっ?」
 しかし、盛大に外して点を許してしまう
夏(嘘っ……)
 そして、その時、夏は見てしまった……今のは自分がミスってラケットを外してしまったのではない……ピンポ
ン玉の方がサラっとラケットを避けたのだ……と
 呆然とする夏に対し、すていはフッと意味深な笑みを浮かべる
夏「まだよっ!」
すてい「いいえ、お終いです!」
 スカッ
 すていの言う通り、その後もラリーは続かず、夏は連続で得点を許してしまう
品辛斬子ぴんから・きりこ「おいおい、真面目にやってもらわないと困るぞ」
夏「いや、分かってるけど……」
斬子きりこ「まぁ、お前が真面目にやっているのは分かってるんだけどね」
一同「じゃ、なんで言ったんですか?」
斬子きりこ「決まっているだろう、精神的プレッシャーを与えて見ただけだ」
 この教師、最低だ!
すてい「ふふ、先ほどからどうして討ち返せないのか……不思議なんでしょう?」
 玉を左手に、ラケットを右手に構えてすていが呟く
夏「……あなた、一体何をしたの?」
 さっきから明らかにピンポン玉がラケットを避けているんだけど……と夏
すてい「私の孫家流卓球は気を操る……」
生徒「気を操るって……」
すてい「そして、その極意こそが、操気魔球そうきまきゅう!」
 どどん!と得意げに宣言するすていであった。

#4
夏「なるほど、気を操ってピンポン玉を操作、ラケットを避けて得点をモノにしているってわけ……」
すてい「ええ、そうよ……そして、そんな私の前に、敵はない!」
 豪語するすていだが、彼女にはそれほどまでの自信がある
夏「要するに、こっちも気合入れて臨めばいいんでしょ」
 行くわよ〜と夏も気合を入れ直して卓球に臨むのだが……
すてい「甘いわ!孫家流卓球は気を操る……そう言ったでしょう?……吸気魔掌きゅうきましょう!」
夏「……」
 すていがそう叫んで左手を前に突き出した次の瞬間、夏になんだかどうにもけだるさが襲う
 それはまるで……いや、これ以上は表現が下品になるので自重します。
※下ネタかッ!
夏「気を操るって……」
 気合を入れた途端に抜かれる……これでは試合に集中できない
やから「くっ、流石は中国四千年の歴史を誇る一派、孫家流卓球……」
 まさかこれほどまでとは……とやからは愕然とする
 と、いうか、スポーツマンシップ的に言うとこれはどうなのだろうか……卑怯な気がするんだけど……
生徒「気合と脱力の掛け合い……先に精神ポイントが無くなった方が負けだな……」
 試合を見てぽつりと呟く生徒
 いや、確かにそんな感じですけど……そんなこと言わないで……
※と、言うかスパロボ知らない人がいたら精神ポイントって何だよ!って話になるじゃないですか
斬子きりこ「まぁ、アレだな……夏もここで負ければ所詮そこまでだったってことだな……」
一同「いやいや、先生」
斬子きりこ「そんな夏に一つ言葉を送ってあげようではないか……『所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死
ぬ』」
 ……お前、教師として最低だな……と思う教師一行であったが、口にするとどうなるか分かった物では無いので
皆、心の中でそう突っ込む
夏「なっ、私がここで終わりですって……?」
 しかし、その言葉は夏にとっては激励の一言(?)だったらしく、気合十分。
 ここで、気合と脱力のかけあいは、一気に気迫と脱力のかけあいに代わる
※ところで精神ポイントが尽きないのかってな疑問に関しては導入しているのが精神コマンドだけで、精神ポイン
 トは導入されてないのでそもそも精神ポイントの枯渇が無い(いや、どうでもいい……)
すてい「なっ……なんてこと……あなた、なんて気合の持ち主なの……」
 気を吸い取っていたすていが徐々に圧されていく
夏「春夏秋冬きっての武闘派をあまりなめないでよね!」
すてい「しゅんかしゅう……何?」
 ズカカカカッ
 そして、一方的なピンポン玉オラオラのラッシュ……
すてい「くっ……そんな、私の気を操る技法が……一切通じない?」
夏「これで、終わりよッ」
 ダアンッ
 かくて、夏の渾身の一球がすていを打ち砕く
 戦維喪失せんいそうしつ……という文字がドでかく浮かび上がったかの如く、すていは敗北するのであった


続

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