Eighter -Practical Era-
9ther 〜誘拐融解うかい B〜



#3
 天四斗あまよとを騒がす女子学生誘拐事件……
 それを勝手に調査すべく春夏秋冬は経ちあがった。
 まず成金が怪しいと睨んだ一行は成金を尾行したのだが、どうやら彼は犯人では無く……
 そして、あほらしくなって帰ろうとした矢先、犯人と遭遇したのであった

 翌日……
 天四斗あまよと工業、3-J
品辛斬子ぴんから・きりこ「……今日はみなさんに残念なお知らせがあります」
生徒「残念なお知らせってなんですか?」
斬子きりこ「教室の空席を見れば分かると思いますが」
楯木てすりぎ盾「……そういや、今日、春夏秋冬いないな……」
斬子きりこ「ええ、そうです。昨日、ついに椿木つばき春、榎木えのき夏、楸木ひさぎ秋、柊木ひいらぎ冬にも魔手が……」
生徒「ゆ、誘拐されたんですか?」
杭木亢「ってことは、今頃犯人に凌辱の限りを尽くされて……そのうちそれを記録したモノが出回るってことか」
女子一行「サイテー!」
斬子きりこ「……詳しくは警察の方からお話があります」
 と、言うわけで警察参上
風留ふうるウヅキ「あ〜、天四斗あまよと警察の風留ふうるだ……」
 目撃者の証言によると最初秋が車に押し込まれそうになったところを他の三人が目撃、すかさず夏が奪還のため
に犯人に襲いかかったところ、車の中より助っ人が参上。
 そのまま激しいバトルが繰り広げられ、最終的に疲労で夏が敗北を喫した後、残りの二人も纏めて車に押し込め
られたそうだ……と語るウヅキ
生徒「そんな、夏が負けるだなんて……」
楠木南「となると、ここは私の出番ね」
 ガシっと拳を左手に叩きつけて立ち上がる南
南「あなたの仇は私が討つわ!」
ウヅキ「こらこら、そこの……いきり立つのは男性の股間だけにしときなさい」
一同「セクハラだぁ!」
ウヅキ「あ〜〜、大体だな、彼女たちがどこに監禁されているのかもまだ分かっていないこの状況でどこに殴りこ
みにいくというのだね?」
南「心配ご無用……ウチには最終決戦兵器、かんながいるからね」
白拍子かんな「兵器じゃないけど……」
南「い、今のは例えよ、たとえ……」
※いや、それは分かってるって……
南「と、いうわけで、春夏秋冬がどこに囚われているのか教えてかんな」
かんな「……」
 なんか便利なアイテム扱いされてるかんな……まぁ、とりあえず、持ち前の超運にて春夏秋冬らが囚われている
場所を示すことにする
かんな「域椙侘いきすぎたホール」
南「おし、じゃ、早速殴りこみに行くわよ!」
斬子きりこ「ふむ、じゃ、公欠扱いにしておくから行ってきなさい……そして、四人を連れ戻しなさい!私が許可する」
南「任せておいて!」
 いやいやいや、そこの教師、殴りこみを勧めないでください。
ウヅキ「任せましたぞ!」
 ビシっと南にたいして敬礼するウヅキ
 って、待て待て、アンタも警察なら率先してここは私が……とか言えよ!

#4
 天四斗あまよと域椙侘いきすぎたホール
南「ここね……ここに春夏秋冬が囚われているのね……」
*「お嬢さん、こんなところに何の用かな」
 と、その時、ホールの中より一人の男性がやってくる。
 この男性、見る人が見れば、昨日春夏秋冬を車に押し込んだ男性だと一目でわかった
南「貴方が連続女子学生誘拐事件の犯人で、ここが監禁場所だってことは分かっているんだからね」
*「さて、何の事やら……私は天四斗あまよとフルクロスの社長、中谷なかや健三」
南「天四斗あまよとフルクロス……?」
 天四斗あまよとフルクロス……それは天四斗あまよとの大手服飾メーカーのことなのだが、ファッションに疎い南には何のことや
ら分からない様子であった。
 まぁ、南の場合、服は綺麗とか美しいとかじゃなく、丈夫で機能性に富んでいるのがお好きなので仕方のないこ
とかもしれませんが……
南「何でもいいわ……アンタが昨日、ウチの高校の生徒四人を誘拐した犯人だってことは既に運の女神の手によっ
て分かっているのよ」
中谷なかや健三「クッ、運の女神……だと?」
 まさか、そんなものまで出張ってくるとは……と表情を険しくする健三
南「さぁ、観念しなさい!」
健三「せ、先生お願いします」
*「……」
 そして、健三の叫びと共にやってくるのは夏を打ち負かしたという評判のスーツの男性だった
南「アナタが……」
*「私は御手洗華摘みたらい・かつみ……天四斗あまよと地区の」
南「夏の仇ぃッ……噴流灼弾ふんりゅうしゃくだんッ!」
 華摘かつみの口上を無視して襲いかかる南
御手洗華摘みたらい・かつみ「フッ」
 しかし、南の必殺の拳を軽く左で受ける華摘かつみ
南「少しは出来るようね」
華摘かつみ「武芸百般何でもこなす、あの楠木の末裔がこの程度ではないでしょう?」
南「言うじゃないの……だったら、これはどう?亡霊蹴屠ぼうれいしゅうと!」
 ジャンプと同時にそのまま華摘かつみ目掛けて蹴り降ろし
華摘かつみ乗騎面闘術じょうきめんとうじゅつ……闇曦闘アギト」
 ドゴオオンンッ
 南の蹴りに対しアッパーカットを見舞う華摘かつみ。
 そして、蹴りと拳とが激突する
南「なっ?」
 拮抗する力と力……
 このままでは埒があかないと踏んだ南は一旦華摘かつみから離れて体勢を立て直す。
 しかし、そんな隙を与えるほど華摘かつみは優しくはなかった
華摘かつみ「本当の蹴りを見せてやろう……鋒逢逗ファイズ!」
 ジャンプからの全てを穿ち抜く優雅な蹴り
 それは正しくライダーキックであった
南「くっ……」
 咄嗟の判断で蹴りを回避すると、同時に域椙侘いきすぎたホールの床に大穴があく。
 それほどまでの凄まじい威力……ってか、ちゃんと修理しておけよ……
華摘かつみ「力の差は歴然だろう……大人しく身を引いてもらえないか?」
南「……そういうわけにはいかないわ!」
 負けられない闘いがここにある……
 夏という強敵ともの前に、この死合、引くわけにはいかないのだ!


続

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