Eighter -Practical Era-
8ther 〜残された試し書き D〜



#7
 王治部おうじぶ邸傷害窃盗事件……現場に残された試し書きは……犯人を示していた……!?そして、かんなの超運によ
り、犯人は導き出され……
 天四斗あまよといちい家
 ダムッ
 ドカドカドカッ
降來戸ぶらいどミナヅキ「櫟木一重いちい・いちえッ!王治部おうじぶ真さつ……」
警官「王治部おうじぶ真に傷害を与え、ノートパソコンを窃盗した容疑で逮捕する!」
 未だに勝手に殺している降來戸ぶらいど警部に代わり、部下が叫ぶ
櫟木一重いちい・いちえ「どわっ!?」
ミナヅキ「大人しくしろ……」
 1人王治部おうじぶ真のノートパソコンを前に奮闘していた一重いちえは大人しく手を上げる
※当然ながらパスワードがかかっており、解読などできなかったのです……
ミナヅキ「話は署で聞く!」
一重いちえ「……」
 かくて、ここに櫟木一重いちい・いちえは逮捕されたのであった……
・
・・
・・・
 <富山、富山県警
ミナヅキ「さて……何故あんなことをしたんだ!?……」
一重いちえ「お前ら……王治部おうじぶ真がどんな人間か知らないのか!?」
警官「……にぃてんご流小説家としてティーン層に支持を受けている人物だとは知っているが……」
※何!?そのねんどろいどのバージョンっぽい階級!?
一重いちえ「……あいつは……いや、あのお方は……バイオレットリバー・ルートルートルート大先生なんだぞ!!」
ミナヅキ「な……にぃ!?」
警官「降來戸ぶらいど警部……知っているんですか!?」
ミナヅキ「お前ら、知らないのか!?かつてコミケを震撼させた伝説の同人作家……バイオレットリバー・ルート
ルートルート大先生を!」
一同「いや、知りませんよ……」
ミナヅキ「かぁ〜〜〜、お前らは人生の半分……いや、25%は損をしているぞ……」
 あの先生の小説は……それはそれは(エロ)素晴らしいんだぞ!と力説する降來戸ぶらいど警部……警官一行はただはぁ
……としか言えないのであった……
ミナヅキ「……まさか、こんな場所に同志がいるとはな……だが、おしいことに犯罪者とは……何故だ!?貴様は
何故バイオレットリバー・ルートルートルート大先生を殺した!?」
警官「だから、死んでませんって……」
一重いちえ「……フッ……あなたも先生の作品のファンなら分かるはずだ……8年前の……先生の最後の作品の事件を…
…」
ミナヅキ「まさか……」
警官「……8年前に何があったんですか!?」
 なんかしょ〜〜もないことなんだろうな……などと思いつつ、聞かずにはいられない警官一行……

#8
ミナヅキ「あれは忘れもしない……8年前の冬コミ……俺は……いや、俺たちは先生の新刊を心待ちにして、冬コ
ミに臨んだ……」
一重いちえ「……ああ……そして、先生の作品はそれはそれは素晴らしかった……」
ミナヅキ「しかし……」
一重いちえ「そうだッ!あの作品は完結ではなかった……そして、次の夏コミ以降先生は会場から……姿を消した!!」
ミナヅキ「ああ、忘れるわけもない……」
 あの大先生がコミケで落ちるわけがない……あれは何かの陰謀だ……と今でも俺は思っている……と
降來戸ぶらいど警部
警官「……でそんなどうでもいい思い出話はおいといて……なんでアンタ、事件を起こしたんだ!?」
一重いちえ「……かの大先生のノートパソコンになら、あの作品の続きが一部でも残っているんじゃないか……と思うと
……」
ミナヅキ「なるほど、それは確かに……櫟木一重いちい・いちえさん……アンタは無罪だ……さぁ、今から押収したノーパソの中に
眠るあの日の感動を……」
一同「いやいやいや、何勝手なことを言っているんですか!?降來戸ぶらいど警部……」
王治部おうじぶ真「なるほど……そういった事情でしたか……ですが……ならば……無理です……」
ミナヅキ「な……何故に!?」
 と、そこに真登場
真「……なぜなら……アレは……今から5年前に失踪した妻の……妻の路呉子じごこの作品だから……」
警官「ンなぁ!!?」
一重いちえ「バカな……だったら……なぜ、アンタは……今更になってあの時と同じような作品が書ける!?」
 嘘をつくな!と叫びだす一重いちえ……いや、突っ込むところそこなのか!?と一同……
真「……それは……今でも、メールで時折作品が送られてくる……そして、私はそれを提出しているに過ぎないん
だ……無論、これも妻の伝言故に……」
一重いちえ「なんてこった……まさか……そんなことになっていただなんて……」
ミナヅキ「そんなことなら……もっと早くに言ってくれれば……俺が、警察の威信をかけて守り抜いてやったのに
……」
一同「……いや、そこに警察の威信をかけるのもどうかと……」
 一同、渾身の突っ込みだった……
警官「……しかし、なぜ奥さんは……失踪したんです!?」
真「……ああ、妻は……ある日突然、このままではいつか『組織』に殺されてしまう!……と言い残し失踪してし
まったんだ……クッ……まさか、彼女の作品が……そこまでのものとは……」
一同「……」
 奥さん……(今、いくつかは知らないが)その歳で厨二病を発症だなんて……イタすぎる……と一行
・
・・
・・・
 ともかく……こうして、このしょ〜〜もない事件は幕を閉じた……

#9
 そして……その後……今回の事件を経て変化したことが1つ……
天四斗あまよと天四斗あまよと工業、3-J
品辛斬子ぴんから・きりこ「……櫟木樂いちい・らく……学校でメイド服を着るのはやめろ!学校には制服で来る
ものだ」
生徒「先生!メイド服も立派な制服の一つです」
斬子きりこ「……フム、ならば、仕方がないな……」
一同「いやいやいや、そこで折れないでくださいよ……」
 メイドをやっていることがバレた彼女は学校でもメイドをやることになったのであった……


END

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