Eighter -Practical Era-
5ther 〜馬鹿には莫伽を! C〜



#5
 馬鹿な銀行強盗2人組に馬鹿な野望を持つ無能警官……この2つが交わる時……事件は更に馬鹿を極める!?
 成小路金厭なりのこうじ・かねあき「見たまえ、あそこにある黄金の像こそ、我が成小路なりのこうじ財閥の礎を気付いた伝説の漢の像である」
 ……と、個展の案内を行う成金……無論クラスメイトと担任の先生がいるから成金がこんなことを行っているの
ではなく、無論、かんなに近付きたいがためだ……
榎木えのき夏「……う〜〜ん、なんだか……こう……」
 近くで見れば見るほど……何と言っていいか……不格好というか、形が崩れている像であった……
品辛斬子ぴんから・きりこ「成金……お前の先祖は何と言うか……こう……不細工だな」
一同(うわっ……)
 思ったことは素直にズバっと言うのは斬子きりこの凄いところである
金厭かねあき「なっ……何を言う!?これでも昔はスマートだったんだぞ!」
柊木冬「いや、そんなことを言われても……」
金厭かねあき「だったら、証拠を見せてやる!こっちの写真……これは今から20年前の金の像の写真だ!」
 ズビシっと何処からともなく……なぜか等身大の写真を取り出す成金
一同「ええええ!!?」
 ……確かに、その写真に写っていた金の像は今見ている像と違い、スマートな体系だった……
金厭かねあき「我ら成小路なりのこうじの者は偉大なる先祖を崇めるため、毎年この像に金箔をはりつけているのだ……」
白拍子かんな「……何度も何度も貼り付けていくから着太りしちゃったんだね……」
 ……それは、むしろご先祖様を侮辱してないか!?などと思う一行であった……
金厭かねあき「さて、では気を取り直して……あそこに見えるのが……我が成小路なりのこうじ財閥が誇る黄金のメイド様」
一同「……」
 なぜか個展の内容ではなく、人物紹介が唐突に始まる。
金厭かねあき「彼女こそメイドのために生まれてきたかのような存在……まさしくキング・オブ・メイド!掃除、洗濯、料
理に、不審者の討伐……学問の才もさることながら、夜伽まで完全にこなす正にパーフェクトな存在」
 グっと拳を握りながら叫ぶ成金
金厭かねあき「それゆえに黄金のメイドさんカチューシャをつけることを許されたのだッ!」
一同「はぁ……」
金厭かねあき「だがッ!しかし、彼女は名も無きメイドの1人に過ぎん!」
と、その後、何故か某北斗の拳の修羅の国みたいな流れの話を行う成金……屋敷には三萌将さんほうしょうと呼ばれる超絶の存
在がいるだの……我が屋敷のメイドは皆魔界を見たことがあるだの……どこまでが本当でどこまでが冗談なのか、
さっぱりだ……
斬子きりこ「……南……ちょっとアイツを黙らせろ……」
南「言われなくても……」
 ガオンッ
 襲いかかる南……だが、しかし、微動だにしない成金……そして、南を止める名も無きメイド

#6
一同「なっ!?」
金厭かねあき「フハハ……言ったはずだ……彼女は侵入者の討伐もお手の物……最強にして完璧なメイドだと!」
夏「いや、でも名乗ることすら許されない下級のメイドなんでしょ……」
南「……この女……出来る……!」
メイド「ふふふ……」
・
・・
・・・
 と、南とメイドが一触即発している最中……別の場所では……
浅学泰二「強盗だ!!」
非才雄吾「黄金は……どこだよ!?」
 馬鹿2人、馬鹿正直に正面からやってくる
風留ふうるウヅキ「来たか!!みな、俺の野望のために、力を貸してくれ!」
警官「……」
 正直、アンタの野望の為に働きたくはない……と思う警官一行ではあったが……ともかく、この場に攻め込んで
来たあの馬鹿は逮捕せねばなるまい……
一同「うおおおああ!!」
雄吾「アニキ……」
泰二「おうよ!」
 ドゴスバキャアアッ
一同「がはぁっ!?」
 ……だが、この馬鹿2人はただの馬鹿じゃなかった……そう、並はずれた馬鹿力の持ち主であったのだ
 そして……
斬子きりこ「……さっきからなんだかやけに騒がしいな……」
 南と名もなき下級のメイドが死合っているこの場所にも、その騒乱は聞こえてくる……
 ドッ
一同「なっ!?なななっ!?」
雄吾「アニキッ!」
泰二「もうすぐ本日の目玉商品の黄金のピラミッド……」
南、メイド「ハッ!」
 ドガシャアアアッ
金厭かねあき「……へ!?」
 ……勝負は思わぬ形で終了した……
 そう、突如乱入した馬鹿2人……を、南と名もなき下級のメイドが見事仕留めて……そして、死合は終わった
メイド「なかなかわるわね……」
南「あなたこそ……」
雄吾「ガッ!?」
泰二「ゲッ!?」
 ドタッバタッ
ウヅキ「俺の殊勲賞ッ」
 ダムッ
 そして、そこへ遅れてやってくる無謀な野望を持つ無能警官……
ウヅキ「……あれ!?俺の野望の礎は!?」
一同「いや、そんなものはない……」
 ……かくて、馬鹿な強盗2人組は南らの手によって無事に捕縛されたのだが……
 風留ふうる警部はまたしても、何もできなかったとのことで降格の扱いになったのであった……
ウヅキ「お、俺の……メイド刑事をはべらせる夢が……」
 ガクリッ
 その場にくずおれる風留ふうる警部……
一同(風留ふうる警部は一刻も早く警官をやめるべきじゃね……)
 だが、しかし無能警官・風留ふうるウヅキの野望は潰えない……


END

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