Eighter -Practical Era-
3rder 〜七不思議は闇の扉 B〜



#3
 ある日突然天四斗あまよと工業に伝わる七不思議を調べようと言い出した漢・丘瑠屠馬煮阿おかると・まにあ……
 授業をさぼり、6つの不思議を発見したと言うが……
丘瑠屠馬煮阿おかると・まにあ「フッフッフ……この俺様の血の滲むような努力の末、ようやく七不思議のうち6つを探し出すこと
に成功したのだ!」
 昼休み、フラっと参上する馬煮阿まにあ
生徒「……授業、今まで全部欠席になってるけど、いいの?」
馬煮阿まにあ「授業よりも大切なものがある……そうだろ!?」
柳木ぼう「いや、そうだけど……少なくとも、七不思議より授業は大事だろ……」
 正論だが、今の彼にはそれは届かない……
馬煮阿まにあ「では、早速調査の結果を皆に伝えてやろう!」
一同「人の話聞けよ……」
馬煮阿まにあ「うむ、まずは1つ……図書室の奥にある開かずの間には地球外生命体の骨が祭ってある」
生徒「はぁ……」
 いきなり語りだす馬煮阿まにあに一行は呆れてものも言えない
馬煮阿まにあ「ま、骨が埋まってるとかいうのはよくある話だよな……」
楠木南「まぁ、確かに、よくある話なんだろうけど……何か違うような……」
馬煮阿まにあ「1つ、体育館にあるバスケットのゴールに5:00丁度に5回シュートを決めると異世界に飛ばされる」
 無視して次の七不思議を語る馬煮阿まにあ。これもよくある話だよな?と頷きながら……
南「いや、よくある話じゃないし……ってかワープの条件が複雑ってか……誰がそんなことするわけ?」
馬煮阿まにあ「さ、次行ってみよう……1つ、真夜中0:12に女子生徒が保健室に忍び込むと貞操を奪われる」
 さらに無視して七不思議を語りだす馬煮阿まにあ
ぼう「いやいや……誰も好き好んでそんな時間に学校に来ないっての!!」
生徒「ってか何?……0:12って中途半端な時間ねぇ……」
白拍子かんな「012レイプってことだったりして……」
一同「……」
 かんなの運による解説に一同沈黙。しかし、どこからそんなごろ合わせが……と思わなくもない一行であった
馬煮阿まにあ「さ、次だ次!1つ、紅い満月が爛々と輝く真夜中3:30にグランドに行くと本来ありもしないはずの紫色の
私書箱ポストが浮かび上がる」
生徒「紫色の私書箱ポスト!?……なんじゃそりゃ!?」
南「また、複雑な条件ねぇ……」
 いや、それ以前に紅い満月が爛々と輝いている時点である意味怪奇現象だよ!と一行
馬煮阿まにあ「しかし、これについては良く分からない。なんでまた紅じゃなくて紫なんだろうな?」
ぼう「う〜〜ん、どっかで聞いたような……」
 どこかで聞いたような怪奇現象だなぁ……とぼう……

#4
南「はいはい、次は何?」
ぼうが唸っていると、南が次の七不思議をせかしてみる。実は結構ハマってきているのだろうか……?
馬煮阿まにあ「おう、乗ってきたねぇ……」
 嬉しい限りだ……と馬煮阿まにあ……そんな彼を無視して、いいから早く話しなさい!と南。
馬煮阿まにあ「1つ、深夜2:00に体育館倉庫に忍び込むと上級生の霊に精気を奪われる」
生徒「……」
 そんな時間に忍び込む奴はいないよ……と一行は思うのだが……黙っておくことに……
馬煮阿まにあ「何でも昔そこで強姦された上、殺された女性の霊が彷徨っているらしい。その女性はレズの気もあったか
ら体育館倉庫に入った人間なら誰だっていいとのことだ……」
 更に言うとコスプレイヤーの気もあったらしく、毎回違う衣装でお出迎えしてくれるそうだぞ……と続ける
馬煮阿まにあ
一同「どんな七不思議だよ!!」
 過去にはコスプレ姿を一目見たくて精気を奪われに行く生徒もいたそうだ……と馬煮阿まにあ
かんな「……魅入られちゃった……んだね、その人……」
一同「……」
 ぼそっと呟くかんなに一同は沈黙……
・
・・
・・・
馬煮阿まにあ「じゃ、気を取り直して6つ目、行ってみよう……1つ、4:44に音楽室に入ると新世界が聞こえてくる」
生徒「なんでまた新世界!?」
ぼう「成金が何かやってんじゃないのか!?」
南「うわ……何かありえそう……」
 確かに、成金こと成小路金厭なりのこうじ・かねあきはいつも、登場時ドヴォルザークの新世界を流しながら現れるのだが……
馬煮阿まにあ「たしかに、一時期俺もそう思った……しかし、それはありえない……なぜなら、この怪奇現象はあいつが
入学する前からあった……」
 正確には30年前からこの怪奇現象は起きていたらしく……なんでもその昔、吹奏楽部の1人が厳しい先輩の指導
のもと、死亡していしまい、それ以降怪奇現象が発生しているらしい
南「……もしかして流れる曲目が『新世界』なのは、新世界に目覚めちゃったから……とか!?」
一同「いやいや、流石に……」
 『新世界に目覚めた』じゃなく、『死後の世界で目覚めた』が正しいんじゃ……などと考えるぼうであった
馬煮阿まにあ「と、言うわけで、七不思議のうち6つを探し出すことに成功したわけだが……」
南「うん、ここまで来ると最後の1つが無性に気になるよね……」
馬煮阿まにあ「だろう!?……さぁ、お前も午後の授業を有意義に過ごさないか!?」
一同「いや……」
 午後の授業をさぼって七不思議探しをしようぜ……なんて誘われても……と思う一行であった……
 果たして……七不思議最後の1つとは……!?


続

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