Eighter -Noble Gathering-
44ther 〜黄金帝国は復興す A〜
#0
黄金帝国アロッティ……そこは八大帝国の属国にして、第九帝国の手により、核汚染されてしまった国……
今もなお核汚染は続き、アロッティの民はシェルター暮らしを余儀なくされているのだが……
今回はそんなアロッティに纏わる物語である
#1
天四斗(、Eighter本部
それは珍しくEighterに対して依頼が無い……非番の際に起きた出来事
ルシャーティー・エィユゥミス「御機嫌よう。6日8時間32分33秒ぶりです」
梓與鷹(「ルシャ……」
唐突に空間スクリーンが登場し、ルシャが顔を出す
與鷹(「どうしたんだ?何かあったのか?」
ルシャーティー「あ、いえ……」
そして、ルシャはもうひとつ空間スクリーンを造り、そこにあるものを映す
エル・オンブレ・ドラド「これは……光の天球?」
それは、いつだったかの依頼の際に受け取った報酬、オーパーツ、光の天球であった
與鷹(「それがどうかしたのか?」
まさか、ルシャに限って管理中失ったってことはないと思うが……と與鷹(
ルシャーティー「はい、この光の天球があれば、放射能除去剤(を精製することが出来ます」
雨水朧(「放射能除去剤(……?」
ってなんだっけ?と朧(が首を傾げる
與鷹(「……それは!」
エル「つまり、それがあればアロッティを救える……と、いうことですね?」
ルシャーティー「ええ、そうです」
朧(「……ああ、アロッティの!」
そう言えばそんなのあったね……と朧(がポムと手を打つ
ルシャーティー「……ですが……」
與鷹(「ですが?」
ルシャーティー「これだけあっても放射能除去剤(は精製できません」
朧(「ん?……ああ、器具だけあっても材料がなければ作れないってこと?」
ルシャーティー「それも、ありますが……問題は使い方です」
與鷹(「取扱説明書が必要ってわけか……」
ルシャーティー「ええ……」
まずは、そこから探さないといけないのか……と思っていると、エルが口を開く
エル「ルシャ……あなたの持っている魔導書ではだめなの?」
ルシャーティー「私の魔導書?」
エル「正確にはあなたの産みの親、パラケルススが残した魔導書、三原篇のことよ……」
ルシャーティー「……錬金術(について書かれた書物・黄金の聖典、超科學(について書かれた書物・漆黒の法典、
真魔術(について書かれた書物・深紅の経典……現在、いずれも私の手元にはありませんが……しかし、内容を
覚えているのでさして問題はありません……」
※ちなみに、余談であるが超科學(とは超隔壁技術(のことである
#2
エル「なら……」
で、あれば問題がないのでは……とエルが言おうとした矢先、ルシャが告げる
ルシャーティー「しかしながら、放射能除去剤(はファティーマが作り上げた物質ですので、パラケルススの魔導書
があったところで何の役にも立ちませんよ」
エル「……」
結局、取扱説明書がなければ何もできないのである……
與鷹(「で、ルシャ……肝心のマニュアルはどこにあるのか……あるいは、名前位は分からないものか?」
ルシャーティー「……所在は私にもわかりませんが、その書物の名前は翠緑(の異本……です」
與鷹(「翠緑(の異本ねぇ……」
と、そんな與鷹(の隣で早速アトランティスを駆使して翠緑(の異本を探してみるかんな
白拍子かんな「あ、これですね……」
翡緑の異本……それはファティーマ・サンチェゴが残した魔導書のひとつ。
かんな「現在の所有者は……」
マニュアル探しは難航するのではないか……と思われたが、しかし、思いのほか簡単に見つかりそうであった
天四斗(、L&L
かつて蓋五山(グループの本社ビルだったその場所は、今ではL&Lという別の会社になっており、そして、その会社
の社長というのが、獅殺山(麗であった。
L&L……それはLeo & Lily……そして、その社名の通り、百合を咥えた獅子がシンボルマークである
與鷹(「……まぁ、アレだな……光の天球を持っていた……と、いうことはひょっとしたらそれの取扱説明書
みたいな翠緑(の異本も持っているかもしれない……と、考えればよかったのか……」
かんな「とりあえず、行きましょうか?」
與鷹(「そうだな……」
とりあえず、社長に話を聞くべく、與鷹(、かんなはL&Lの中へと入る。
*「……本社に何の用でございましょうか?」
與鷹((……むむむ、商談でもないし、かといって相談とか言い出したら追い返されそうだな……)
さて、どうしたものか……と、思っていると、そこへ社長颯爽と登場
獅殺山(麗「あれ?……どうしたんですか?」
かんな「久しぶりです」
*「社長……この人達は……?」
麗「……相談役?」
*「なんで疑問形なんですか?」
麗「まぁ、いいじゃない」
*「は、はぁ……」
いいのかなぁ……と思いつつ、社長がそう言うんだから……と受付嬢はそれ以上な何も突っ込まず、自分の持ち場
に戻る。
麗「……それで、今日はどんな?」
與鷹(「翠緑(の異本……」
麗「スイリョクのイホン?」
唐突にそんなことを言われても何のことだかさっぱり分からない様子の麗
麗「……」
果たして、與鷹(は無事に翡緑の異本を入手することが出来るのか?
アロッティを救うことが出来るのか……
続
前の話へ 戻る 次の話へ