Eighter -Noble Gathering-
37ther 〜魔の海域は地獄へ C〜



#5
潜水海賊、黒き潟……それは政府の裏金や表沙汰には出来ない宝石をメインに奪い去る義賊のような海賊……
そして、そんな黒き潟を殲滅せんと政府高官は立ち上がったのだが……
魚雷の爆発の影響でまだぐらぐらと揺れる潜水艦・マウンタンドの中……
山並界次「……」
立浪たつなみ宇美「終わった……の!?」
大和玻璃やまと・はり「……あれだけ戦艦がいて、これで、終わり……なんてことはないでしょうけど……」

一方、海上でも……

夏寒なつかんリョーラ「どうだ!?破片でも浮上しているか!?……それとも、粉微塵に砕け散ったか!?」
*「……いえ、分かりません……爆発の衝撃により、まだソナーも使えませんし……今しばらくお待ちください
 ……」
リョーラ「……フン……だが、あの魚雷の雨の中、生き残れる潜水艦などあるまい……あったとしたら……
 それこそ……化け物だ……」
*「モビーディック……ですか……」
……しかし、海上でのそんな断言の中、オーパーツによって守られた黒き潟は生きている……そして、ソナー
の使えない今こそ、反撃のチャンスである
特攻野郎「敵戦力概算は?」
千鳥「はい。ヴェラ・ガルフ級3隻、シーバット級5隻、シーウルフ級6隻……が主たる戦艦だったと……」
特攻野郎「……14……か……魚雷の数は足りるな……」
そう呟くと特攻野郎はシャンバラを操作しだす
界次「ちょ、アンタ何を勝手に!?」
宇美「勝手に使わないでよ!」
一同(ってか、私達よりも使いこなせている?)
この漢、一体何者?と3人……
そして、3人がそんなことを考えている間に、特攻野郎は敵艦隊に対して魚雷を発射
特攻野郎「奴らの足を奪う!」

ドゴズウアアアアッ
リョーラ「何だ!?何事だ!!?」
突如巻き起こった爆発に艦隊は大パニック……
そして、海上に、けたたましいアラームが鳴り響く
リョーラ「ええい。どうした?何があった?」
*「た、大変です……スクリューシャフトが完全に破壊されました!!推力が得られません!」
リョーラの通信に操舵師が叫んで応える
リョーラ「な……んだと!?」
更に、悪夢は続く……
*「サー、シーバット級1番艦〜5番艦より入電、我、推力を得られず……と」
リョーラ「そんな馬鹿な……」
*「シーウルフ級1-A艦〜3-B艦より入電……我、推力を得られず……」
リョーラ「何だ!?……一体……何が起こった!!?……これは……これは!!?」
それだけではない……ヴェラ・ガルフ級空母も全て、スクリューシャフト破砕……
たった一隻の戦艦が……僅か1分にも満たない内に艦隊の推力を完全に殺したのだ……

#6
リョーラ「……馬鹿な……奴は……あの魚雷の雨の中を生き延びたと……いや、それよりもだ……このバブルの
 怒号の真っ只中……我らの主戦力の推力のみをピンポイントで狙って撃ってきた……だと!!?」
驚きを隠せないリョーラ
そして、その絶望は一気に艦隊に広まって行く
*「奴は……本当に……化け物……ですか!?」
一行の中に、黒の潟は伝説の白鯨……モビーディックの化身ではないか……と噂が広まる。
※最も、潜水艦は真っ黒なのですが……
*「サー、リョーラ……」
リョーラ「……全艦に打電!……持ちうる全ての魚雷を注ぎ込め!奴が悪魔だろうと化け物だろうと構わん
 ……ぶち殺せ!!!」
一同「イエッサ〜〜!!!」
環境など知ったことか!黒き潟をここで完全にぶち殺さなくては、我ら政府高官の裏の道に明日はない!と怒号を
発するリョーラ
別に政府高官の不正に明日がなくてもいいのだが、しかし、この政府高官は裏金が生き甲斐なのだから仕方が
ない。
かくて、先ほどの魚雷の嵐がほんの小手調べだったのように、大量の魚雷の雨が潜水艦・マウンタンドを襲う
玻璃はり「ちょっと、ちょっと、また来たわよ、魚雷……」
レーダーにびっしりと隙間なく埋め尽くされる魚雷の数に圧巻される玻璃はり
界次「奴ら物理法則も何もあったモンじゃねぇ!」
叫んだ後、あ、間違えた『環境保護』だった……と界次……チェンゲの流竜馬きどりか?
黒き潟のメンバーが慌てる中、冷静沈着なのは特攻野郎と千鳥の2人だ……
特攻野郎「慌てるな……」
宇美(この人達、なんでこんなに冷静なの?)
首を傾げる宇美……
確かに、特攻野郎はこのメンバーの中で誰よりも冷静沈着……そして、千鳥は、そんな特攻野郎を心の底から
信頼しているからこそ、冷静なのだ……
玻璃はり「いや、あなた、落ち着きすぎでしょう!」
流石に玻璃はりが突っ込む。
特攻野郎「……フン、こちらには九大オーパーツCPがひとつ、シャンバラがある……それに、運の女神が3日
 がかりで作ってくれた疑似ツェルツラのプログラムもある」
玻璃はり「え?今なんて?」
運の女神……それは、言わずもがな、白拍子かんなのことである……
聞き捨てならない単語を耳にして玻璃はりが思わず聞き返す。
※さて、もう、お分かりかもしれないが、特攻野郎とはかみ総介で、千鳥とは山咲やまざき桜のことである……
界次(こいつ……なぜ、ここまでシャンバラの操作に手慣れているんだ!!?一体……アンタは……何者
 なんだ!?)
そして、手慣れた手つきでシャンバラを操作する特攻野郎を見て唖然とする界次
特攻野郎「さて、では反撃開始と行こうか!」
かくて、特攻野郎、改め、総介は反撃を開始する。


END

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