Eighter -Noble Gathering-
36ther 〜過住かすみ攻太郎の艱難 C〜



#5
攻太郎に与えられた最後のチャンス……
だが、剣八郎けんやろうの圧倒的な力の前に一度は屈するも……大いなる力に覚醒した攻太郎は辛くも剣八郎けんやろうに勝利する
過住剣八郎かすみ・けんやろう「見事だ!」
うっすらと透けていた剣八郎けんやろうの姿が更に薄くなっていく
過住かすみ攻太郎「祖父さん……」
一時期『ジジィ』と叫んでいた攻太郎……だが、今、再び呼称は『祖父さん』に戻る
剣八郎けんやろう「攻太郎……お前は……自らに眠りし龍を遂に目覚めさせたのだ……」
攻太郎「何!?……それ……は……」
剣八郎けんやろう「……できれば……陰轟留牡鴉アンゴルモアを倒す前に……目覚めさせたかった……そして……陰轟留牡鴉アンゴルモアを……
 お前さんの手で斃して欲しかった……」
攻太郎「祖父さん……」
剣八郎けんやろう「儂からの最期のたむけ……お前の持つ刀を見よ」
攻太郎「……これは?」
言われてバニッシャーを見ると……先ほどまでは実態を持つ片刃だったバニッシャーが……光の両刃に変化して
いた
剣八郎けんやろう「それが、ラストバニッシャー……ソードピークトマホークの真の姿にして……お前の新たな力だ……」
更に、剣八郎けんやろうの姿が消えていくのと同時に、歴史の墓場もまた、崩壊していく
攻太郎「な、何だ!?これ……」
剣八郎けんやろう「……この空間は……儂の力で作り上げていた疑似的な世界……故に……儂が消えれば、この空間もまた、
 消滅する……」
攻太郎「そんな、祖父さん……」
哀しげな眼で剣八郎けんやろうを見つめる攻太郎
剣八郎けんやろう「フッ……そんな顔をするな……お前は……一族の誇り……やはり……他の親族ではなく、お前に役目を
 授けた儂の眼に……狂いはなかった……」
穏やかな顔でそのまま剣八郎けんやろうは姿を消す
攻太郎「祖父さぁ〜〜〜〜ん」
そして、攻太郎の叫びが虚しくこだまする
剣八郎けんやろう(……攻太郎……お前の想った道を行け……それが、儂からお前へ送る、最後の言葉だ)
攻太郎「……祖父さん……」

攻太郎「はっ!?ここは……」
気がつけば、攻太郎はかんなと最初に飛ばされた場所……剣八郎けんやろうが作りだした歴史の墓場に似た空間ではなく、
本当の歴史の墓場に戻っていた
茜瑙哭セドナ(……ほぉう……どうやら無事に戻れたようだな……)
白拍子かんな「……どうやら……無事に試練を終えて帰ってこれたようですね……」
攻太郎「試練……?」
確かに、アレは試練と言えなくもなかった……
かんな「さて……」
では、気を取り直して死合を続けましょうか?とかんなは神滅超越者ラグナロクエクセルを構えだす
攻太郎「……いや、もう、いいや……」
しかし、攻太郎には既にかんなとケリを付けたいなどと思っていなかった……
攻太郎(……祖父さん……確かに、俺はいつまでも過ぎたことに拘り過ぎていたのかもしれん……)
だが、それも終わった……

#6
かんな「では、帰りましょうか」
攻太郎「ああ、そうだな……」
と、かんなが言い出し、攻太郎が承諾するや否や、再び空間スクリーン出現
ルシャーティー・エィユゥミス「お呼びですか?」
攻太郎「うはぁ……」
やっぱり、この登場の仕方、心臓に悪いな……などと考える攻太郎
かんな「こちらの用件は終わったので、元の世界へ戻してください」
ルシャーティー「了解です」

かくて、2人はEighter本部へと戻ってくる。

梓與鷹よたか「おかえり、かんな」
かんな「はい、ただいまです」
やはり、想像していたと通り、何事もなかったな……と與鷹よたか。
攻太郎「……邪魔したな……」
そんな中、帰ってきた途端、攻太郎は早々にEighter本部を去っていく
與鷹よたか「……」
あいつは一体何がしたかったんだ?と首を傾げる與鷹よたか。
いや、與鷹よたかはもう一つ別のことでも疑問を感じていた
與鷹よたか(来た時は無理のある兵器、ソードピークトマホークを持っていたような気がするんだが……)
しかし、帰ってきたとき、攻太郎はラストバニッシャーを携えていた……
與鷹よたか(歴史の墓場で一体何があったんだ?)
確かに、與鷹よたからEighter本部の面々はルシャの強力のもと、空間スクリーンにて、かんなと攻太郎との死合の
一部始終を観戦していた。
しかし、攻太郎が突如消え去ってから再び出現するまでの部分に関しては誰ひとり目撃していない……
その点に関してはルシャの管轄外であるから仕方のないことではあるのだが……
某敢それがし・いさむ「しかし、あの御仁、来たときとはまるで別人でござるな……」
そんな中、ポツリと漏らすいさむ
この短期間に、どんな成長を遂げたのやら……と
與鷹よたか「まぁ、そんなことよりもだ……今回は引き分け……というか、攻太郎が引き下がってくれたようだけど
 また、今みたいに死合だすことがあったりは……」
かんな「それは大丈夫ですよ……リーダー」
もう、陰轟留牡鴉アンゴルモアに関するわだかまりは解けました……
だから、牡鴉モアに関して攻太郎がかんなに死合を申し込んでくることはない……と断言するかんな
與鷹よたか「まぁ、そうならいいんだが……」
いさむ「ふむ、では、強者を求めてかんな殿と死合いたい……などと言いだしてくることはないのでござらんか?」
與鷹よたか「……」
しかし、仮にそんなことがあったとしても、攻太郎ではかんなを斃すことはできないであろう……
かんなには『位』の破壊神、茜瑙哭セドナがついているからだ……
※実は攻太郎がかんなに勝てない理由はそれだけじゃないんだけどね……

#7
攻太郎「祖父さん……俺は俺の道を行くぜ!」
そして、攻太郎は素盞嗚尊スサノオノミコトの力を受け継ぎ、世界を渡り歩く……そんな彼にもいつか……奇稲田姫クシナダヒメの様な存在が
現れたりするうのだろうか……それとも……
※でも、今後、攻太郎の出番はなかったりして……(うぉい!!)
ともかく、攻太郎の未来に幸あれ!


END

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