Eighter -Noble Gathering-
32nder 〜眠る蒼き獅子の章 A〜



#0
かみ総介……世界でただ1人何事にも束縛されること無く捜査を行えるというSRAPであり、真理に触れ、生還し
た人物……
今回はそんな総介に纏わる物語

#1
天四斗あまよと、Eighter本部
総介は連日のように各所を巡り、各地の無能警官の無能っぷりに呆れつつ、自らの手で数々の事件を解決に
導いていた……
そして、今日はたまたま非番と言うこともあり、Eighter本部を訪れていたのだった。
梓與鷹よたか「そういえば、総、お前の持っている蒼王の刃ブルーロード藍后の刄ブルーエンプレス……それって、神器だったよな?」
山咲やまざき桜「のようですが……」
かみ総介「……そうだが……?」
それが何か?と総介。
與鷹よたか「いや、いつ、どこで手に入れたのかちょっと気になったというか、何と言うか……」
総介「……まぁ、いいだろう……」
さしあたって抱えている案件もないため、総介は知られざる神器入手の過去を語ることとなる。
総介「あれは、まだ昨羅さくらが生きていたころの話だ……」

それは、與鷹よたからが大学時代の話……
総介「……與鷹よたか交喙いすかも都合がつかないだと?」
山嵜昨羅やまざき・さくら「どうやらそうみたい……」
その日、與鷹よたからは古物商から入手したカオスプレートを駆使して、そこから転移出来る遺跡の探索を行う予定
であった……
しかし、突然、與鷹よたか交喙いすかの都合が取れなくなったのである。
……與鷹よたかは双狼拳の師匠に呼び出され、交喙いすかは自分の父親に呼び出され……
総介「……仕方あるまい」
待ってやる義理もない……都合がつかないのであればそれは仕方がないことだ……よって総介は昨羅さくらと2人で
遺跡を探索することを決意する。
※本当に都合が悪かったのか、それとも、気を遣って2人きりにしたのか……それは今では誰にもわからない
総介「行くぞ」
昨羅さくら「あ、うん……」
かくて、二人はカオスプレートに手を翳し、歴史の墓場へと転移する……

総介「……これは……」
そこは、壁一面が青で染め上げられた遺跡であった……
昨羅さくら「まるで、海の底にいるみたい……」
総介「いや……この青は……天空……?」
昨羅さくら「へ!?」
総介が何気に口にした言葉……しかし、昨羅さくらは天空の青よりは海原の青を連想させる遺跡であると思った。
総介「……確かに……この遺跡は……何か……違う……」
昨羅さくら「……何?博士の真似?」
博士というのはご存じ、歴史の墓場の第一人者たる威隻法腱いせき・はっけんのことである。
彼の残した著作を紐解くと、彼自身もこの遺跡に足を踏み入れたことがあったらしい。
総介「いや……だが、お前も……この遺跡に対し、違和感を覚えないか?」
昨羅さくら「……」
しかし、昨羅さくらは特に何も感じることが出来なかったので首を傾げるばかりであった。

#2
かつてこの遺跡を訪れた威隻法腱いせき・はっけんも、この遺跡に違和感を覚えたと手記には書いてあった……そして、その
違和感が何であるかは終ぞ分からなかったとされている……
総介(……違和感が……ある……だが、しかし……その違和感は……一体!!?……)
総介「……何!?」
昨羅さくら「どうしたの?総介……?」
総介は文献に走り書きされていや地図を頼って遺跡の中を進んでいたのだが……しかし、地図通り道が続いて
はいなかったのだ
総介「……博士の手記が……間違っていた!?……いや、まさか……」
遺跡の地図と行き止まりの道……双方を睨めつつ総介が呟く
昨羅さくら「でも、道はここまでずっと一本道だったはずよね?」
途中に横道とかそんなものは無かったわよと昨羅さくらが呟く。
確かに、遺跡は青い回廊がずっと続く一本道、迷いようがなかった。
総介「ああ……その……ハズだ……だが、少し気になっていたのはこの地図が何度も書き直された跡があると
 いうことだが……」
総介(単純なミスか……あるいは……入る度に地形が……?……いや、まさかな……ゲームじゃあるまいし……
 もしや、方向感覚を狂わせる仕掛けでもしてあるのか……?)
と、考え込んでいると……そのとき……
昨羅さくら「あれ!?こんなところに道なんてあったっけ!?」
総介「……ん?どうした?」
総介もつられて昨羅さくらの方を向くと、青一面の壁にぽっかりと穴があいているのを発見する。
しかし、そこは先ほどまで壁だったような気がするのだが……
総介「何?」
そして、総介が再び前を向くと……先ほどまで続いていたはずの道が青い壁に閉ざされていた。
いや、まるで最初からそこが壁だったかのように……
昨羅さくら「ど、どういうこと!?」
流石に昨羅さくらも目をぱちくりさせる。
総介「考えても埒が明かん……道が閉ざされ……代わりに別の道が出現した……ならば、そちらへ行くしかある
 まい……」
昨羅さくら「そ、そうよね……」
と、言うわけで、総介、昨羅さくらは新たに出現した道へと足を運ぶ。
総介(なっ!?……これは……!)
一歩足を踏み入れた途端、総介はその道から神々しさを感じ取る。
総介「何だ?この道は……この先に……何が?」
昨羅さくら「え?何?どうしたの?」
総介の驚きの声にびっくりする昨羅さくら
総介「……何も感じないのか?」
昨羅さくら「何なの?さっきから」
総介が人を馬鹿にするようなことはあまりない……ならば、これは総介が実際に感じ取っていることなのだろう
……そして、昨羅さくらには感じ取れない何か……
昨羅さくら(一体……何が?)
果たして、その先には何が待っているのか……
まぁ、蒼王の刃ブルーロード藍后の刄ブルーエンプレスが待っているのは確かな事実だけどね
※ヲイ、身も蓋もないことを……

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