Eighter -Noble Gathering-
26ther 〜紅き扉に関する怪 A〜



#0
これは1枚の迷画……それは……後々までかんなに付き纏うことになるとある存在に関するもの……
そして……ある画家が遺した一品にまつわる事件……

#1
天四斗あまよと徒午かちうま徒午東北かちうま・とんぺい「どうだ、いい絵だろう?なぁ?西南しゃな徒午西南かちうま・しゃな「どこがですか、こんな一面に紅一色で塗りたくったようなわけの分からない絵に100万出すなんて
 ……」
赫紅赭絳かがやくくれないこうしゃ……そんなタイトルの……様々な『あか』をキャンバスに勢いだけで
塗りたくったようなそんな乱暴な作品……を見て西南しゃなは言う
東北とんぺい「何を言う!真の価値ある芸術とは古今東西一目には何を書いてあるのかワケの分からないものなのである
 ……フランシスコ・デ・パウラ、ホアン・ネポムセーノ、デ・ラ・サンティシマ・トリニダード、
 パブロ・ピカソといった具合にな……」
※それ、全部同一人物……ってかピカソのフルネームの一部だから!
西南しゃな「……大体作者は誰なんですか?」
百歩譲ってこんな絵が大層な値段なのはいいとして、本当に著名な方が描いた絵なんでしょうね?と西南しゃなが問い
正す。
東北とんぺい「作者は、確か、あの伝説の画家・真原紅人しんはら・べにとだとかなんとか言っていたな……」
西南しゃな「……聞いた事の無い名前なんですけど……何が伝説の画家ですか!……無銘なんじゃないの!?」
この人、本当に伝説の画家とかいう単語に弱いんだから……とため息をつく西南しゃな
東北とんぺい「な……何を言う!!俺が今までカンで生きてきてハズレたことがあったか!!」
西南しゃな(……あなたがカンで生きてきて外れたことが無くても私は大ハズレなのよ!!全く……結婚するんじゃ
 なかったわ!!!)
東北とんぺい「……だ、だが、この絵を見ろ……落ちつくだろ……」
西南しゃな「どこがですか!見るだけで眼が痛くなりそうです!」
東北とんぺい「赤色といっても一色じゃない……ってよく分かる作品だろう」
西南しゃな「それが何ですか……」
東北とんぺい「うっく……」
早くも(?)離婚の危機……ピリピリとした空気が辺りを包む
東北とんぺい(……ど、どうしたものか……このままでは……実は200万円だった……なんて死んでも言えない
 ぞ……)
ダラダラと冷や汗をかきながらどうにか事態を収拾しようとする東北とんぺい……と、その時
西南しゃな「あら、何かしら?こんな処に……落書き!?」
東北とんぺい「はい!?何だって……?」
突如西南しゃながそんなことを言い出し、絵の中心部分を見る
東北とんぺい「……ん〜〜〜!?」

#2
釣られて東北とんぺいも絵の中心を見てはみるが……しかし、特に変わったところは何もない……
東北とんぺい「どこに落書きがあるってんだ!?な……あ!?」
そのまま西南しゃなを見ると、彼女は瞬き一つせず、食い入るように赫紅赭絳かがやくくれないこうしゃを見ていた
東北とんぺい「お、おい、西南しゃな……」
西南しゃな「……」
正しく、狂ったかの如く瞳孔と口を開きただ、ひたすら赫紅赭絳かがやくくれないこうしゃを見る西南しゃなに流石に不気味に思う東北とんぺい
西南しゃな「……Yog……So……to……」
東北とんぺい「なんだって!?」
カカアッ
ズムウウウウンッ
そして、それは突如訪れた……破滅……
・
・・
・・・
欺盛凍炉ぎもり・こごろ「……フム、ガイ者は徒午東北かちうま・とんぺい(38歳)とその妻、西南しゃな(25歳)……」
死亡した2人は……焼け爛れたような斬り痕が無惨に残っていたのだ……
警官「欺盛ぎもり警部……目撃者の情報によりますと死亡推定時刻くらいに突如雷みたいな光が走り……そして
 血の臭いがしたとのことですが……」
凍炉こごろ「……フム、雷に血の臭い……だから焼け爛れたような傷痕があるってか……バカなことを……」
警官「ですよねぇ……大体、雨も降っていませんし、雷の光だけで音を聞いた人はいなかったみたいですし
 ……」
凍炉こごろ「バカモン!青天の霹靂ってな言葉もあるだろう!晴れだろうが雪だろうが雷が堕ちることはあるんだ!」
※それは何か間違っていると思います
警官「……で、欺盛ぎもり警部……この不気味な絵からもルミノール反応が出たのですが……」
凍炉こごろ「ふむ……とりあえず署に持ってけ……鑑識に回してみろ」
警官「はっ、分かりました……」
・
・・
・・・
そして、ニュースは巡り……
天四斗あまよと、Eighter本部
雨水おぼろ「例の謎の殺人事件、まだ犯人が見つからないみたいみたいねぇ……」
梓與鷹よたか「……ふぅ〜〜ん」
ガチャッ
かみ総介「行くぞ、與鷹よたか!」
與鷹よたか「総!?」
と、その時、突如総介が桜と共に出現
総介「話は後だ……急がないと手遅れになるぞ!」
白拍子かんな「それは……」
山咲桜「ええ、例の、赫紅赭絳かがやくくれないこうしゃのことです」
おぼろ「……何?それ……」
突如出てきた単語に首をかしげるおぼろ
かんな「……日本のエイボンとまで呼ばれた画家、真原紅人しんはら・べにとが残した逸品」
與鷹よたか「……まさか、あの絵か!?」
おぼろ「いや、リーダーも、あの絵とか……日本のエイボンとか言われても……」
総介「ともかく、行くぞ!」
與鷹よたか「ああ」
かくて、與鷹よたかはかんなとともに去っていく
果たして……真原紅人しんはら・べにととは……赫紅赭絳かがやくくれないこうしゃとは……一体何なのか!?


続

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