Eighter -Noble Gathering-
24ther 〜堕ちた剣鬼を狩れ B〜



#3
とある暗黒街アンダーグラウンドで極められた結論……萌は裏の世界に生きる資格なし……かくして萌
を抹殺すべく裏・無敵の殺し屋が萌に立ちはだかる。
無敵というのは伊達や飾りではなく、彼もまた魔眼を使う剣鬼。かくて、萌は窮地へと追い込まれる
百井ももい銀牙「ハッハ〜〜〜」
ドシュッ
バシュッ
ズズンッ
ヒットアンドウェイを繰り返し……徐々にだが確実に萌の体力を奪っていく銀牙
冥時みょうじ萌「ぐ……うう……」
銀牙「無様だな……孤高の剣鬼……最強の名が廃るぜ!!!」
嘲笑うかの如く、銀牙が叫ぶ
萌「……俺は一度も『最強』を名乗った事も無いし、呼ばれたことも無いッ……」
銀牙「ふん、貴様がどう思おうが……貴様は、裏の世界の顔役だった……最強の剣鬼としてな……」
萌「……」
萌(くっ……確かに、奴は無敵となのだけの強さはある……)
4本の刀を構え直しつつ、萌は銀牙を睨む
銀牙「ジワジワと甚振り殺す……ん〜〜、実にいい殺し方だ……そう思わんか?」
萌「……下らん……」
銀牙「……フン……そうか……」
チャキッ
妖刀・宸扼紅桜しんやくべにざくらを構えなおす銀牙
銀牙「ま、いいや……もうちょっと遊んでやるから勝手に死ぬなよ!!この程度で死んだら最強の名が廃るって
 もんだぜぇ!!」
ゴゴゴゴゴゴッ
魔眼を使い、気を溜めている銀牙
萌「……だから、俺は最強も無敵も必要ない……ただ……『さらに上を』……それだけだ……」
最強も無敵も無い……さらにそれを上回る先……萌が現在目指しているのは正にそれなのだ……
そして、それは、剣聖・某敢も歩む道……
銀牙「ハッ……笑わせる……貴様は今、ここで死ぬ!……貴様に先など無い!!とっと死ねぇ!」
この程度で死ぬなよ……と言っておきながら、とっとと死ねと叫ぶ……全く、矛盾を含む発言である。
銀牙「ハッ!魔翳斷空牙まえいだんくうが」
ドギョアアアアアッ
禍々しいオーラを纏った刃での一刀両断
萌「ぬん!!」
ガギャギィイイイイッ
だが、それを2刀、2刀で防御する萌
……しかし、防ぎきれず競り負ける萌
銀牙「よくぞ受けた……だが、守りに徹していては永遠に俺をたおせんぞ」
萌「……」
そんな叫びもどこ吹く風、萌はただ、刀を構え、銀牙を睨みつける。
銀牙「……全て防いで見せると……ふふ……よかろう……ならば、全て受けて見せろ!魔翳斷空牙まえいだんくうが!
 魔翳斷空牙まえいだんくうが魔翳斷空牙まえいだんくうが!!」
ゴギャギャギャアアアアアッ
そして、一刀両断3連撃!
※ちなみに、一刀両断の斬撃は、続けざまに放つと2撃目以降が1撃目より弱くなる(踏み込み、振り方の影響)
 となると思うのだが……なぜ同じ威力なの!?とか突っ込んではいけません。

#4
銀牙「はあっ!」
ズドムッ
萌「ぐ……ぐぅう……」
ガクリッ
幾度の斬撃を受け……遂に、萌、跪く
銀牙「へっへっへ……さて、そろそろ幕引きだ……死んでもらうぜ!孤高の剣鬼……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴッ
銀牙の殺気が増す
萌「……貴様如きにはこの力を使わずにたおせると踏んでいたのだがな……仕方ない……」
ドドスッ
四屠しとの陣から双屠そうとの陣へと構えを変え、2刀を地面に突き刺す
銀牙「貴様如き!?……ハッ!何を言い出すかと思いきや……この期に及んでまだ力を隠しているとでも!?
 ……寝言は寝て言え……いや、永眠てあの世で悔やめ!!」
元屠歳殺げんとさいさつ流は四刀流が真骨頂……だが、なぜ萌はここで刀を手放すのか!?
ギュンッ
叫び終わるなり一足飛びかかる銀牙
銀牙「魔翳まえい……」
ガギイイッ
突如飛んできた2つの刀が技を阻止する
銀牙「な……何ぃい!!?」
萌「……特別に見せてやるよ……開祖を超えて会得した魔眼極まがんのきわみをな……」
開祖とは御座四聖獸みざしせいじゅうが1柱、破弄廻理首ハロエリスのことである。
銀牙「ま……魔眼の……極みいぃ!?ハッ……ふざけるな……たかが刀を投げつけただけじゃねぇか
 ……そんな小細工で俺をたおそうなんざ1千万年早いってんだよ!!」
確かに不意を突かれたが、しかし、そんな程度で俺をたおせると思うな!と銀牙が咆える
萌「……フッ……転移衝てんいしょう」
ヴオムッ
銀牙「ハッ……空間転移など……俺には無意……」
しかし、言い終える前に、背後から萌の2刀、左右からも2刀……
銀牙「な……んだと!!?」
ズバシュッ
掠りつつも回避する
銀牙「ぐ……ぐぅ……」
流石に冷や汗が顔を伝う
銀牙(何があった!!?刀を投げつけて空間転移した……のか!?)
そんな銀牙の驚き様を見て、ニヤリとする萌
萌「……魔眼極まがんのきわみ……錬魔操剣れんまそうけん!……冥土の土産によく見ておくんだな……」
かつて、破弄廻理首ハロエリスは4つの刀を手を使わず操り真四刀流にて萌と死合った……萌はこれを応用し手を使わずに
魔眼の力を借りて2つの刀を操っているのだ……これぞ、『冥時みょうじ萌流真四刀流』!
だからこそ、萌は先ほど刀を2本手放したのだ……
銀牙「……ふ……ふざけやがってぇ!!!」
……これで勝負は振り出しに戻った……!?白熱する死合の行方は……?


続

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