Eighter -Noble Gathering-
22nder ~波濤に消えた母娘 B~
#3
西表付近の海で起きた事件!母娘が異世界に飛ばされた!?……その親子を救うべくかんな
一行は黶鬥甦世界へとやってきたのだが……
黶鬥甦世界、某所
奈切涼子「……」
涼子に付き従い、一行は朱一色の神殿へと脚を運ぶ。
上総介「ふん、仰々しい……」
その神殿は正しく朱一触で統一されたド派手な神殿……無論、柱も、床も、壁も天井も……
梓與鷹「眼が痛くなりそうだ……」
白拍子かんな「……来ます……」
チュギョオオオアアッ
そして、雷とともにそれは来た……
涼子「あ……ああああ!!!」
現れた人影に……涼子の様子がおかしくなる。
*「ようこそ、わが蠻或讎瑙の神殿、皆朱の聖域へようこそ……歓迎しますよ」
與鷹「……蠻或讎瑙……?」
白拍子かなり「……『断罪の覇道を』……いいや、『血染の覇道を往く霹靂の鬼神』の別名を持つ神ね
……」
蠻或讎瑙「……」
かなりの言葉に一瞬だけピクリとする蠻或讎瑙、しかし、直後、何事も無かったかのように平然と立つ
総介「フン……」
かんな「……奈切美加を返してもらいましょうか?」
蠻或讎瑙「……ミカ……?ああ、あの女か……いや、それは出来んな……」
涼子「な……なぜ!?」
蠻或讎瑙「あの女は『光を呼ぶ印章』を持っている……ゆえに手放すことはできん……」
與鷹「……それが黶鬥甦世界に来るきっかけとなった代物か……」
総介「『光を呼ぶ印章』……か」
與鷹(総は……それについて何か知っている……?)
咄嗟に総介を見る與鷹。しかし、当の本人はいつものように険し表情で蠻或讎瑙を睨んでいるだけであった
美加「……このペンダントが欲しいならあげるわよ!!だから私を開放して!」
後ろから現れる美加
涼子「ダメよ!美加!それは我が家代々に伝わる代物……大事なものなんだから……」
山咲桜「……形見と娘とどちらが大切なんですか?」
涼子「……でも……どんなことがあってもあれだけは手放すな……と言われ続けてきたものなのよ……」
與鷹「……」
蠻或讎瑙「却下だ!『光りを呼ぶ印章』も必要だが、それ以上にこの娘も必要なのだ……贄としてな……」
そんなことを話しあっている内に、蠻或讎瑙が口を開く
涼子「に……え!?」
桜「生贄のことです」
涼子「なっ……そんな!!」
かんな「……だったら……」
ヴンッ
茜瑙哭の力を覚醒させ、神滅超越者を展開するかんな
かんな「あなたを斃して力尽くで奪い返します」
蠻或讎瑙「……よかろう……我の相手になるか!?」
バリバリバリバリッ
空間を歪めて蛇矛を取り出す蠻或讎瑙
#4
蠻或讎瑙「……神に人間が敵うと思うなよ!」
ブンッ
雷を帯びた剣閃がかんなに舞う
かんな「はっ」
ヒュオアッ
軽々と回避し間合いを詰めるかんな
蠻或讎瑙「ぬぅ!?」
ヒュガウアッ
そのまま蠻或讎瑙を横に薙ぎ払って吹き飛ばす
かんな「そっちこそ、女子供と思って甘く見ると痛い思いをしますよ……」
ザザザッ
蠻或讎瑙「フフフ……なるほどな……この世界の存在ではないのであったな……面白い」
吹き飛ばされつつ距離を取る蠻或讎瑙
蠻或讎瑙「ハッ!霆戟破軍!」
チュゴオオオオンッ
雷を纏った刃で上空から突きかかる
かんな「龍咬舞刃」
キュインッ
バシュアアアッ
蠻或讎瑙「おぐああ!!?」
応龍に変化する光の龍が雷もろとも蠻或讎瑙を弾き飛ばす
ザダダンッ
蠻或讎瑙(な……何!?こいつ……)
弾き飛ばされつつも体勢を立て直し、蠻或讎瑙が驚愕す
蠻或讎瑙(いや、それよりも……この神氣は……似ている……奴に!!……)
一体、誰に似ているというのか!?
蠻或讎瑙「ならば……これはどうだッ!霆戟鬥駈」
ギュゴアッ
一気に間合いをつめ、雷を帯びた刃で十文字に斬りかかる
ギギンッ
蠻或讎瑙「なっ!?」
だが、それは簡単に受けられる。
蠻或讎瑙「バ……」
かんな「……返します……」
キュイインッ
バシュアアアアッ
馬鹿なぁ!と叫ぶ前に、またしても応龍が蠻或讎瑙を弾き飛ばす
蠻或讎瑙「ごはああ!!!?」
ズダダンダダンッ
龍咬舞刃をまともに食らい吹き飛び、壁に激突する蠻或讎瑙
涼子「……何?!……何が……おきているの!?」
美加「すっごい!!いけいけ!!何でもいいからやっつけちゃえ!!」
※ビックリ仰天して動くに動けない母親と最早スポーツ観戦気分の娘……これが若さが……
與鷹(……一方的だな……)
茜瑙哭の力……ここまでのものだとは……と與鷹は唖然としながら死合を見つめる。
かなり「ふふん……そうこなくっちゃ……」
総介「……かなり……お前……何を考えている?」
かなり「さぁねぇ……うふふ~~~」
蠻或讎瑙「……ぬぅう……貴様ぁ……やはり、殺す!!!」
バリバリバリバリッ
辺りに電撃が走る
……かんな圧倒的優位……このままケリがつくのだろうか!?
続
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