Eighter -Noble Gathering-
10ther 〜闘王少女は狂乱す D〜



#7
萌となえのDNAデータから作られた小さな修羅……桐馬和子……そんな彼女を斃すため……彼女に
導かれてやってきたのは萌……そして死合が始まったのだが……
桐馬和子「ねぇ、お姉さん……どぉ?良い話でしょ?もっともっともぉっといろおんな人を殺せるんだよ!?」
なんだかぶりっ子ぶって萌を誘う和子……
伊達宗美むねみ(おいおい、もし萌が話にのっちまったらどうすんだい!?)
柳生兵子ひょうこ(心配ありません)
宗美むねみも流石に萌の上に萌っぽい和子が相手じゃ分が悪いぞ……と思っているが……
冥時みょうじ萌「下らん……」
和子「え!?」
しかし、萌はきっぱりと断る
萌「俺は誰ともつるまない……」
直江万夏まなつ「……うん?」
あれ!?その昔、閣氏カクシ新撰組の一員としてつるんでいなかったっけ!?などと考える万夏まなつだが、突っ込まないで
居た方が無難だと考え何も言わない……
萌「俺は孤高の剣鬼……それがどういうことか分からないのか……フン……子供に分かるわけはないか
 ……」
前田松子しょうこ(……それが『孤高の剣鬼』が『孤高の剣鬼』たる由縁……)
そもそも、九星団にしろ、閣氏カクシ新撰組にしろ萌は確かに席を置いていたが、誰かと組んで死合ったことは一度も
ない……誰ともつるまないとはそういう意味である。
和子「……だよ……何だよ……何だよ!!何よそれ!!何よ!!何よ何よ!!だったらもういいよ……
 あなたも、そこの5人も……誰もかれも……まとめて全員ぶっ殺すんだから!!」
グオオオオオオオッ
聞き分けのない子供のように不満をぶつけた和子は(事実、聞き分けのない子供なのですが……)その後に
異様な邪気で自分を包む
兵子ひょうこ「……終焉の時、近し……」
島友近ゆこん兵子ひょうこさん……もう少し具体的なお告げをお願いしますわ」
そんな時、ぽつりと兵子ひょうこが核心に迫った謎の発言を行うのだが……手短すぎる言葉も時には困りものである
萌「……フン……いいだろう……俺とてキサマみたいな気に入らないガキを生かしておくわけには
 いかないのでね……」
スラッ
四屠しとの陣発動させ萌は和子に死刑宣告を下す。
萌「全力で潰させてもらう」
和子「それはこっちぃい!!!みんな、死んじゃえぇ〜〜〜!!覇鬼魔刃霾宴はきまじんばいえん」
ドギャオオオオアアアアアアッ
剣を振るうとともに砂塵を舞い上がらせ巨大な竜巻を作り、それを放出する和子

#8
萌「……雷公殺鳴陣らいこうさいめいじん!」
チュギョオオオオアムッ
竜巻めがけて雷が落ちる
和子「馬〜〜鹿、馬〜〜〜鹿……大地の竜巻に電気なんか通じるもんかぁ!!」
萌「フン……俺の狙いはここからだ!」
ヴオムッ
空間転移で一気に和子の背後を取る
和子「なっ!?」
手練れとはいえ、所詮子供……
萌「終わりだ!!」
ビュンッ
左右4本の刀が和子を狙う……咄嗟に小太刀で防御に徹した和子だが……
ザシャアアアアッ
やはり、普通の小太刀に萌の四天刃は通じなかった
和子「か……は!?」
ドシャアアッ
萌「……フン……」
たおれた和子を一瞥し、そして、萌はその場を去っていく
ザッ
宗美むねみ「あ、お、おい……」
・
・・
・・・
松子しょうこ「行っちゃいましたね……」
万夏まなつ「そ〜ね……」
萌が去り残された赫眼かくがん同盟の一行はぽつりと呟く
友近ゆこん「さて……では、私達もそろそろ行きますか?」
ん〜〜、と背伸びをしながら友近ゆこんが呟く
宗美むねみ「ん〜〜〜……そういや何でここに来てたんだっけ?」
友近ゆこん「いやですわ。宗美むねみさん……依頼ですわよ、依頼……」
まさか、忘れちゃったんですの!?と友近ゆこん
兵子ひょうこ「……時間がありません……急いで行きましょう……」
友近ゆこん「ええ、そうね……遅れたら依頼料も減らされてしまいますわ」
宗美むねみ「いや、だから、何の……」
兵子ひょうこ「……話は歩きながら……」
たたたたっ
と、言うわけで、赫眼かくがん同盟もまた、その場を立ち去る。
余談だが、依頼人クライアントとの待ち合わせには遅れず到着することができて依頼料も減らされることなく
依頼もまた無事に完遂できたんだとか……
・
・・
・・・
ジャリッ
かみ総介「……ここか!?」
警官「は……はい……かみ警部……」
その後、総介が到着したころには……全てが終わった後であった……
山咲やまざき桜「警部……あれは……」
そこにあった1つの死体……
中川邦武ほうむ「これは……桐馬……和子!!?」
ばっさりと2重のX字に斬り裂かれている和子……
総介「萌の太刀筋だな……これは……」
警官「萌……というと……」
邦武ほうむ「あの、『孤高の剣鬼』ですか!?」
総介「……もはやこんな場所にいる必要は無い……行くぞ……」
警官「え!?行くって……どこにです!?かみ警部……ちょ、おいていかないで下さい……」
総介「貴様らもとっとと持ち場所へ戻れ!」
一同「はは……はいッ!!」
後日……新ロアノーク製薬に捜査のメスが入ったということは言うまでも無く……こうして……世間を
震撼させたこの闘王事件は幕を閉じたのであった……
※ちなみに、和子の作成にはやっぱりオーパーツが絡んでいたらしいが……それはまた別の話である。


END

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