Eighter -Noble Gathering-
7ther 〜真理からの帰還者リターナー C〜



#5
真理の神殿から帰還した一行……だが、今まで平穏を保っていた芒星ぼうせいが突如乱心……!?
彼を救うには、遅すぎた……と言うのか!?
梓與鷹よたか「……総……」
かみ総介「……知識の闇に捉われ過ぎた……」
白拍子かんな「……助けるのが……遅かった……と……?」
総介「……」
そんなかんなを前にしても、総介は無言で佇む
與鷹よたか「そんな……」
……命があっただけでも、よしと思うしかないな……と総介は冷たく言い放つ……
時野芒星ぼうせい「がああああ!!!」
ガラガラッ
ドサバサッ
その間にも芒星ぼうせい威隻法腱いせき・はっけんに纏わる研究書籍やら何やらをひっくり返し大暴れ……
時野玲子「兄さん……落ち着いて……」
芒星ぼうせい「黙れッ!俺に……触れるな!!」
ドガッ
玲子「きゃっ!?」
だが、彼を止める手立てなどない……その後も何かに取りつかれたかのように机の中をひっかきまわし、
部屋中を散らかしにかかる芒星ぼうせい
玲子「……兄さん……!!?」
そんな兄をヨヨヨと見つめる妹、玲子であった……
白拍子かなり「……で、話は変わるけど、この場はどうするのかしら!?」
と、とっても大変な事態の中、あえて空気を読まずにかなりが話を切り出す
総介「……與鷹よたか……ここの資料を全部Eighter本部お前んトコで保管しろ!」
與鷹よたか「え!?」
総介「もはやアイツにとってはゴミでしかない……」
しかし……などと與鷹よたかが考え込んでいると、芒星ぼうせいが会話に割り込んでくる
芒星ぼうせい「……ああ、こんなもの……全てくれてやる!!もうウンザリだ!俺は……」
ドガンッ
持っていた歴史の墓場に関する文献を床にたたきつけ、芒星ぼうせいが叫ぶ
総介「そういうことだ……行くぞ、桜」
山咲やまざき桜「はい、警部……」
與鷹よたか「総……!?」
ここでやるべきことは全て終わった……と総介は足早に部屋を出ていく……
※ちなみに、それをただ呆然と見つめる與鷹よたかであった
玲子「……どういう……ことですか!?……」
総介が桜と共に去った後、キっと與鷹よたかを睨んで玲子が叫ぶ
與鷹よたか「……いや……これは……」
ドカドカッ
與鷹よたかがなんて説明しようかなどと考えている間に、部屋の中にあった歴史の墓場、威隻法腱いせき・はっけん関連の物品は全て
廊下に投げ出されていた
芒星ぼうせい「お前ら全員、俺の部屋から出ていけ!!」
ドガッ
バタムッ
玲子「兄さん……兄さん!!?」
ドンドンッ
部屋に閉じ込った芒星ぼうせい……ドアを叩いて兄と疎通を図ろうとする妹……だが、芒星ぼうせいはそれに答えない

#6
総介「……救いだすことが必ずしも正しいとは限らない……と、そいうこともある……」
廊下にて、投げ出された威隻法腱いせき・はっけん著作の書籍を手に取りながら総介が語る
※ってか、総介、桜とともに帰った……んじゃなかったのね……(をいをい)
與鷹よたか「総……お前は……あの場で、彼を見捨てて帰ってくればよかった……と!?」
総介「……」
かなり「……まぁ、分不相応に真理の神殿に足を踏み入れた結果がコレよ……」
玲子「……兄さん……」
ずるずる……
兄の部屋のドアの前で、へたり込む妹……
與鷹よたか「……」
そんな玲子を見て與鷹よたかは……しかし、流石にかける言葉が見当たらない……
総介「與鷹よたか……お前は、今、やるべきことを行え……」
與鷹よたか「総……?」
……與鷹よたかが今、やるべきこと……それは、芒星ぼうせいの持っていた文献を、Eighterで保管・管理すること……
グニャリッ
既にかんながルシャと連絡をとり、空間スクリーンが出現している。
ルシャーティー・エィユゥミス「……なるほど、こちらの書籍を全部……」
かんな「はい、お願いします」
・
・・
・・・
と、言うわけでOCTUを駆使して文献を1冊残らずルシャの元へと転送したかんなであった……
かなり「さ、やることもやったし、帰るわよ!」
もう、こんな場所にいても意味がないしね……とかなり……
與鷹よたか「……」
だが、與鷹よたかはまだ、芒星ぼうせいのことを気にかけている
※かんなも同じです。
総介「……與鷹よたか……いくらお前が心配したところで、何も結果は変わらん……」
今はそっとしておいてやるのが一番だ……と総介……
かんな「……ですが……」
かなり「カオスプレートと書物は貰ったんだし、今回の依頼はこれでおしまいよ」
かんなも……本当は分かっているんでしょ?……もはや、彼はどうにもならないってことを……とかなり
その言葉に、かんなは流石に沈黙するしかないのであった……
與鷹よたか「クソッ……こんな……こんな結果になるなどと……」
ドカッと壁を殴りながら忌々しげに叫ぶ與鷹よたか……
こんな後味の悪い依頼結果などない……
総介「……真理とは残酷だが、正しい……これは、誰の言葉だったかな……」
行くぞ……桜……と、今度こそ本当に総介は桜とともに去っていく……
一同「……」
・
・・
・・・
『歴史の墓場』の管理……総介の壮大な理想を與鷹よたかは……Eighter一行はどこまで叶えることができる
のだろうか!?


END

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