Eighter -Midnight Howling-
50ther 〜死を喰うハンカチ C〜



#5
 Eighterに迫る刺客(笑)
 暗殺の七人(サイレントキル)……奴らは本当にイタリア随一の暗殺チームなのだろうか?今となってはそんな疑問すら浮かんでく
る。
 そして、そんな暗殺の七人(サイレントキル)の最後の一人がかんなに迫る。
 ……いや、迫れてなかった……
 天四斗(あまよと)、某所
ヴィオーラ・ドメニカ(どうしてこうなった……)
白拍子かれん「ええっと……」
 ぽりぽりと頬をかくかれん。
 暗殺の七人(サイレントキル)が一人、ヴィオーラは人知れずかんなに迫り文字通り暗殺しようと思ったのだが、突如横からかれん
が飛び出てきたのだ。
かれん(かなり姉さんの命令でここまでやってきたのはいいけど……)
 そう、全てはかなりの命令……と言うか、かなりの運のおかげと言うべきか……
※これはかんなを陰ながらサポートするため……ではなく、単に面白半分。いや、面白全部だ!
ヴィオーラ「まぁいい、貴様、何者だ?」
かれん「いや、アンタこそ何者よ!」
ヴィオーラ「俺様か……フッ、俺様こそイタリア随一の暗殺チーム、暗殺の七人(サイレントキル)の末席に名を連ねるただの盟主で
ある」
かれん「いや、その紹介おかしいでしょ!」
 なんでリーダーが末席なのか。と、いうかそもそもロッソがリーダーなのではなかったのか?
ヴィオーラ「此度はとあるガキの依頼でなぁ、Eighter抹殺の任についた……はずだった……貴様が邪魔しなけれ
ば今頃俺はかんなを殺せていたというのに」
 凄い自信だ……
かれん「そう……何を隠そう私はかんなの姉よ!」
ヴィオーラ「な、何ぃ!?」
 驚きズボンの後ろポケットから手帳を取り出し、中に挟んであったかんなの写真と見比べる
ヴィオーラ「貴様、巫山戯(ふざけ)るのも大概にしろよ!」
かれん「いや、どういう意味よ!」
ヴィオーラ「遺伝の法則を無視すんじゃねぇ!」
かれん「……」
 別に遺伝の法則は無視していない……はずだ。きっと。確かに、かなり、かれん、かんなの三姉妹のうち、かれ
んだけ瞳や髪の色が違うが……
※ちなみに、なぜかれんだけかんなやかなりと比べて瞳や髪の色が違うのか……それはいずれ明かされるかも……
 しれない。
ヴィオーラ「まぁいいわ、貴様がかんなの自称姉というのならば、貴様を殺して首を手土産にしてくれるわ!」
 そういいつつ、ヴィオーラは胸ポケットから紫のハンカチを取り出す。
 そして次の瞬間それは雌雄一対の刀剣へと変化する。
 いや、自称じゃないんだけど、と思いつつも、目の前のハンカチの変化でそれがすっ飛ばされるかれん
かれん「オーパーツ……」
ヴィオーラ「そう!これぞ、貴様に最期を(もたら)すもの、その名も、虹女神の逆衣(アイリス・アンチクロス)!」
かれん(さっきの子供からの依頼ってのは……間違いなく場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が関与しているわね……)
 かれんもまた予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)に手をかける。

#6
ヴィオーラ「イタリアに古くから伝わる古武術、天心流殺法を受けてみよ!」
かれん「……」
 どう考えても日本の流派だなぁ……とそんなことを考えるかれん。と、次の瞬間、ヴィオーラが動く。
 今のはかれんの隙を誘うヴィオーラの手だったとでもいうのか!?
ヴィオーラ「喰らえ!秘剣・喪狩笛斬(もがりてきざん)!」
 ズドガンッ
 一足飛びからの十字斬……しかし、それを回避するかれん。
ヴィオーラ「少しはできるようだな」
かれん(こいつ……)
 一瞬の隙を付かれ、初動が遅れたとはいえ、回避は間に合った。
 このことからも、ヴィオーラの腕が知れるというものである。
かれん(どういうことなの?)
 油断させて隙を誘う手なのか、それとも……
かれん(まぁいいわ、全力で叩き潰してから聞いてみればいいことね)
ヴィオーラ「フッ、先ほどの秘剣を難なく避けるとは、貴様、至高の域に達していると見える」
かれん「あ、そう……」
ヴィオーラ「だが、次の秘剣はそうはいかんぞ」
 叫ぶと両手の剣を鋏のように構えなおすヴィオーラ。
ヴィオーラ「死ね!真祖爪斬(しんそそうざん)!」
 シャキンッ
 左右で鋏を持つように剣を構えて繰り出すのはやっぱり、鋏で切るような斬撃である。
かれん「闇暝極蒙晦(おんみょうごくぼうけ)!」
 ゴガガガガッ
 闇の剣気で具現化させた龍、火の鳥、麒麟、(かめ)を一気に解き放つかれん
ヴィオーラ「ぐぎゃああ!?」
 そして、かれんの解き放った奥義はヴィオーラに炸裂。そのままヴィオーラは派手に吹き飛ぶのであった。
かれん「何なの、この茶番……」
 やはり、ヴィオーラは(かれんからしてみれば)弱かった。
ヴィオーラ「馬鹿な……こんな馬鹿なことが……」
 やはり、かんな以外をターゲットにすべきではなかった……と後悔しつつそのまま後退りするヴィオーラ
かれん(いや、かんなでも結果は同じだったと思うけど…)
 またぽりぽり頬をかきながらかれんは思う。
 そして、ヴィオーラが力尽きたのを見届けた後、結局なんだったんだろう……と思いつつかれんは去っていくの
であった。
 ちなみに、Eighter本部に集合した一行は襲われたけど撃退した旨を報告、次の襲撃に備えることになるのだが
それはまた別の話である。

#7
 歴史の墓場、某所
 ここは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在が屯する空間……そして、暗殺の七人(サイレントキル)(ことごと)く返り討ちに合うところを一行は
見届けていた。
歯付サヤ「このザマでは全然ダメだったのではないかしら?」
手寸(てぃすぬ)クディミ「馬鹿な、こんなことあり得るんすか!?」
未来邇(みらりに)ルアド「これは想定外なんだな!」
 驚愕に眼を剥く二人。
泥諏(でぃす)クォヴァ「大口叩いた割には大したことなかったらしいね」
 先ほど場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の上位存在に対して大口を叩いた割にはてんで大したことがないな……サヤとクォヴァ
は嘲る様にクディミとルアドを見るが、そこで固まる。
 なぜなら、クディミとルアドはニヤリと笑みを浮かべていたからだ。それが意味する事とは一体!?
クディミ「やっぱり適合者でもない人間(パーツ)風情ではダメすか」
ルアド「そろそろ真打を登場させる頃合いなんだな」
 今までのこれは単なる余興だったとでもいうのか?
サヤ「だったら見せてもらおうかしら、あなた方が用意した《キツネザルの使徒》を屠る策を!」
 この後、Eighterに襲い掛かる魔手とは一体何なのか!?
 次回を待て……なんちゃって
※をいをい、どこのSD戦国伝だよ


END

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