Eighter -Midnight Howling-
47ther 〜巫剣(ふけん)走る試作剣者(セイバーオルタ) D〜



#7
 ロックスケルトンの奪還の手助けをしてほしいと言われたのに肝心のサポートを一切行わずに先に進んでしまっ
ているけど、まぁ、いいよね?
※よくないです!
(かみ)総介「お前たちと遊んでいる暇はないんでな……」
 そういって総介は最初から蒼王の刃(ブルーロード)藍后の刄(ブルーエンプレス)の二刀流
写輪丸「幻覚と踊れ」
 突如世界が歪む……と同時に写輪丸が増える
梓與鷹(よたか)「なっ?!」
 ガキンッ
写輪丸「えっ!?」
総介「残念だが、貴様の幻覚は俺には通用しない」
 しかし、的確に本体を攻撃する総介
写輪丸「そんな……ありえない!」
 愕然とする写輪丸だが、これは総介に鬥址偶襾(ツァトゥグア)の加護があるからに他ならない。
ブラディデザイア「……今宵の私は血に飢えている……」
 ……正確には『今宵"も"』なのではないのか?(いや、こんなこと突っ込んでもしょうがないけど)
総介「フンッ」
 ギンッ
 更に迫るブラディデザイアの拳も藍后の刄(ブルーエンプレス)で受け止める総介。
 となると、必然的にガラハドキラーの相手は沢斗(たくと)ということになる。

 迫る凶刃を日本刀として鍛え直されたデュランダルで受ける沢斗(たくと)
ガラハドキラー「少しは楽しめそうね」
河上沢斗(たくと)「いや〜、それほどでも……あるよ」
 自画自賛かよ!
 だが、それは余裕の表れともいえる。
 ……単に総介が二人も相手しなくてはならないので大変だ……ってなことではない……と思う。
写輪丸「このっ」
ブラディデザイア「血をよこせっ!」
総介「フン……」
 左右から迫る凶刃(片方は拳だけど……)をこともなげに受け止める総介。
総介(この程度で俺達をどうにかできるなどと、俺達も随分となめられたものだな……)
 だが、だからと言って瞬殺はしない。
 どこに監視の目があるとも限らないからだ。……それはつまり、敵に偽の情報を与えるがためと言って過言では
ない。
 まぁ、この程度を見破れない相手でもなかろうが……
※だったら無駄に時間をかけるのはあまり得策ではないのでは?
與鷹(よたか)(総の奴……それに明殺(みょうさつ)者もだが、なんであんな戦い方を?)
 一方そんな死合を見て與鷹(よたか)は疑問が尽きない様子。
※こんな観客の様子からも変だなって気づかれそうなんですが……事前に打ち合わせを……いや、している暇もな
 かったのかもしれないですが……
 と、言うかなんの打ち合わせもしてないのに、総介の意をくんで(?)合わせてくれている明殺(みょうさつ)者ってさり気に
すごくないですか?

#8
 一方、そんな総介、明殺(みょうさつ)者と三賢刃(さんけんじん)との死合はしっかりと監視されていた……
憂粋(うぃすい)タブレ(どう思うのだ?)
羅叉(らさ)タブラ(手を抜いているかもね……)
 しかも場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の中位存在二人に!
*「いける!やはり、私の妄想力(ちから)は世界一ぃい〜〜〜〜!」
 でもって、そんな死合状況を見てすっかり騙されている女性が一人。
 彼女の名は才川キューティ。クリンゲフィシュの盟主で、自らを堕天使エセマリア・エクスカリバーと名乗る変
人だ。
 まぁ、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に騙されて利用されていることに気づけない彼女なので、この死合状況から有利だと勘
違いしてしまうのは仕方のないことなのかもしれない。
*、*「……」
 彼女の隣にはやはり、フードを目深に被っっており、表情が(うかが)えない存在が二人いた。
 片方は銘を黒王切閻羅と言い、キューティー、もとい堕天使エセマリア・エクスカリバーの設定によると突如謎
の左目を負傷した巨馬を一刀のもとに斬り伏せたとも、廃棄物の王を討ち取ったとも言われる斬馬刀である。
 最初の方に出てきた岩透(いわとおし)を打ち破った御刃(ごじん)である。
※黒王って……
 もう片方は銘をラグナリンと言い、堕天使エセマリア・エクスカリバーの設定によると神々の魂すら打ち砕く漆
黒の魔刃だという。
※神々の魂すら打ち砕くって……
タブレ(所詮は人間(パーツ)……否定されし剣意(ディソード・ウィル)を与えたところでこの程度か……)
 唐突に出てきた謎の単語、否定されし剣意(ディソード・ウィル)……それが場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の名称である。
 その効果は……イマジナリーフレンドを現実のものにする代わりに使えば使うほどに現実世界へ戻れなくなって
行くという代物だ。

 そして、話は総介らの死合へと戻る……
沢斗(たくと)「そろそろお終いにしようか……」
総介「フン、そうだな……」
 幾度かの打ち合いを経てこの死合もそろそろ閉幕へ……
写輪丸「終わらせる?……いいよ!」
ガラハドキラー「いよいよ本当に、殺してでも奪い取る時だ!」
ブラディデザイア「血を流せ!」
 三賢刃(さんけんじん)もこの死合に決着をつけることは望むところと言うわけで気合を入れ直す。
ガラハドキラー「砕け散れぇ!」
ブラディデザイア「血をッ!」
沢斗(たくと)九留極天(くどきょくてん)!」
総介「臠蒼極連(れんそうごくりん)!」
 ザガガガガガガガガガッ
 総介も、沢斗(たくと)も奇しくも一瞬九斬。ガラハドキラーとブラディデザイアが攻撃を繰り出すよりも前に全てを終わ
らせる。
 バキィンッ
写輪丸「な、そんなっ!?」
 九斬をまともに喰らい砕け散る二振り。
 そしてそれをただ茫然と見る事しかできなかった写輪丸。
総介、沢斗(たくと)「はあっ!」
 ズダンッ
写輪丸「ああっ?!」
 更に隙だらけの写輪丸を見逃す二人ではない!
 三賢刃(さんけんじん)、ここに滅殺さる!

#9
 そんな風にゆるゆると死合を終わらせてみると、クラッゲンプッシュの相手を丸投げしていたラージックーギミ
がやってくる。
ラージックーギミ「お、追いついた!」
與鷹(よたか)「どうやらそっちも終わったようだな……」
ラージックーギミ「ああ……」
 そう、ラージックーギミはクラッゲンプッシュに勝利した!故にラージックーギミは刀身に(ヒビ)の入った四尺二寸
の大太刀を携えていた。
総介「まぁ、お前を待っていたわけではないんだがな……」
與鷹(よたか)「おいおい、総……」
ラージックーギミ「……ってか、アンタ誰だ?」
沢斗(たくと)「俺は通りすがりの明殺(みょうさつ)者だよ」
ラージックーギミ「なるほど……」
與鷹(よたか)「いや、それで納得できるのかよ!」
 今の説明では絶対納得できないだろうが!と與鷹(よたか)盛大な突っ込み。
総介「長々説明しなくていいのは助かる」
 いや、そういうことじゃないだろ……
 と、ともかく、一行は先へ……その先に待っているものは何か!?
※いや、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)でしょ?なんて言わないで……


END

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