Eighter -Midnight Howling-
42nder 〜大包平(おおかねひら)伊達違う(ダテじゃない!) D〜



#7
 スウィートプラントが放った謎の刺客……それはぶっちゃけると刀剣男子だった
※ぶっちゃけすぎぃ!
 燭台切はこちらにつき、大包平と死合い、一行は先へ進むと、顕明連(けんみょうれん)が行く手を塞ぐ!
(かみ)総介「こっちは急いでいるんでな、そこを通せ!」
Code-ALS「断る!余は主よりこの先に進むものの排除を命じられておる」
梓與鷹(よたか)「ちっ、斃すしかないってことかよ!」
 ここで問題となるのは、誰が行くかということだ。
 與鷹(よたか)らにとってしてみれば、かんなは万が一のために最後まで温存したいという思わくがある。
 そうなると残りは自分か総介か……宗美(むねみ)成実(なるみ)(けい)(かい)。りりかは戦力として考えていいものなのか……?
天然蛍(あましか・けい)「よし、ここはじゃんけんで決めよう!」
突込魁(とつこみ・かい)「何を巫山戯(ふざけ)たことを!」
(けい)「……なんてまどろっこしいことはやってないで俺が行くね」
 じゃ、さっきの何だったんだ!と一同は心の中で突っ込みを入れる。
Code-ALS「何人たりともここは通さん!主より受けた命は絶対だからな!」
徳川りりか「心意気は立派だけど、従う主は考え直した方がいいわね……」
一同「……」
 まぁ、ともかく、(けい) VS 顕明連(けんみょうれん)、もといCode-ALSとの死合は始まった。
(けい)「行っくよ〜〜」
 ボボボッ
 間抜けな叫び声と共に(けい)の右手に炎が収束していく。其の右に纏いしは紅き炎爪……燃ゆる紅蓮の(かいな)……これぞ、
夢炎の刃、真・炎双刃なり!
Code-ALS「面白い芸当だが……余も負けるわけにはいかん!……唸れ渦潮!走れ海神(わだつみ)!」
 抜刀と同時に当たりに潮の香りのする水が迸る。
一同「いや、何張りあってんだよ!」
 思わず突っ込む一行。
 顕明連(けんみょうれん)……それは近江の水海の蛇の尾より取りし剣……であるならば、海水を操ることなど造作もないという事
だ。(本当か、それ?)
(けい)「水、嫌いだって言ったのに……」
(かい)「そいつ相手には言ってねぇだろうが!」
 すぱこ〜〜んとハリセン一発。
 ……一体どこからハリセンを取り出すのか……それは千〇かなめと(かい)との秘密である。
※勝手に千〇かなめを巻き込むのやめろ!
 それはともかく、(けい)相手に水の攻撃を繰り出すのは自殺行為に等しい……この死合、サラっと終わってしまうの
ではないか……そんなことを考える人も少なからずいるだろう。與鷹(よたか)もそのうちの一人だ。
(けい)紅龍炎舞(こうりゅうえんぶ)!」
 ゴオッ
 深紅の炎の龍が四方よりCode-ALSに襲い掛かる
Code-ALS「フッ……海水双無(かいすいそうぶ)!」
 バシュッ……ジュッ
 流れるような動作で迫る炎の龍を斬って捨てていく。しかも、ただ斬るだけではない。海水を纏った刃が炎の龍
をかき消しているのだ。
(けい)「今思ったけど、俺、アイツとすげぇ相性悪ぃ」
(かい)「今更過ぎるわッ!」
 (かい)、魂の突っ込み(叫び)だった。

#8
與鷹(よたか)(でも、変だな……今まで水を使うような相手と死合ってきた際、(けい)はそんなに梃子摺(てこず)っているようには見え
なかったんだが……)
白拍子かんな(それは、おそらく、相手が(けい)に敵意を持っていたからでしょうね……)
與鷹(よたか)(なるほど……)
 害意がある敵には殺意をもって炎で滅する……それが(けい)……なのか!?
※聞くな!
 しかし、今回の敵、顕明連(けんみょうれん)……Code-ALSは(けい)に対して敵意をもって水で攻撃を繰り出しているわけではない。
 そのため、(けい)も親の仇の如く滅してやろうとは思えない……のだろう(多分)だから、苦戦することになる。
 こんなところで(けい)攻略方法が分かってしまったわけだが、おそらくCode-ALSだからこそ使える戦法なのであろう
……人ではない、刀が人の姿をとったモノなので敵意を持つという概念がない……のか!?
※だから、聞くな!
(けい)蒼鳳炎舞(そうほうえんぶ)!」
Code-ALS「海水双無(かいすいそうぶ)!」
 ドガッジュオオオッ
 青き炎の鳳を四つ、Code-ALSに襲われるも、Code-ALSはやはり、海水を纏った刃で切り裂き捨てる。
Code-ALS「何だ?お主の力はこの程度か?」
(けい)「地味に心に傷を負った」
一同「え〜……」
 そんなことで傷ついている場合ではない。
(けい)「じゃ、ちょっとだけ本気だす〜……火龍双刃(かりゅうそうじん)!」
 そう叫ぶとともに、全身に炎を纏う
Code-ALS「こちらも負けてはおれんな!」
 謎の対抗心を燃やし、全身に水を纏うCode-ALS
 (対抗心を)燃やしているのに、水を纏うとは、これいかに?
(けい)「だったら、こっちは、炎黒鎧爪(えんこくがいそう)!」
 更に全身に黒き炎を纏う(けい)。さっきのCode-ALSに負けじと躍起になる
(かい)「そっちも張り合ってんじゃないわよ!」
 渾身の突っ込み……だが、無視ッ!
Code-ALS「まだまだぁ!」
 更にCode-ALSも謎の対抗心で、全身に赤い水を纏う。
(かい)(な、なんか流水二刀流の剣士と死合っているのを見てるみたいだわ……)
 ただ、相手は二刀流ではなく、一刀流なのだが……
(けい)「おおおお!!」
Code-ALS「はああああ!!」
 両者とも気合だけは十分だ。
(けい)黒炎虎舞(こくえんこぶ)!」
Code-ALS「海神奏車(かいじんそうしゃ)!」
 スドゴガッ
 黒き炎で虎を作り、爪と牙によってCode-ALSをかみ砕きにかかる(けい)。
 対してCode-ALSは渦を成した海水を纏った斬撃で迎え撃つ。
Code-ALS「お、おおお!?」
 激突の結果……競り勝ったのは(けい)だった。
(けい)()ったッ!」
 そのまま勢いに乗って間合いを詰めると上段から袈裟がけにCode-ALSを斬り降ろす(けい)
Code-ALS「ぐ、ぐがあああっ!?」
 後方に飛び退って回避……だが、少し間に合わなかった。斬撃の余波を喰らい、吹き飛ぶCode-ALS

#9
(けい)「やっぱりね……日本刀にとって海水は天敵……だから、そんなにいっぱい海水を纏っていちゃあ弱くなるのは
必至」
(かい)「嘘ぉ!?あの(けい)がいろいろ考えて死合ってるぅ!?」
 驚愕に眼を瞠る(かい)。
 酷い言い様だが、何を考えているのか、そもそも、何か考えているのかよくわからないのが(けい)なので、(かい)の驚き
は正当なものである。
Code-ALS「過信は……身を滅ぼす……か……」
(けい)「うん、正しく文字通り……だね」
Code-ALS「……よかろう……余は貴様らを止めることはできなんだ……」
 がくりとそのばに頽れるCode-ALS。だが、忘れるな……余は三明の剣の一本だということを……それを最後の言
葉にCode-ALSは刀身に(ヒビ)の入った一本の刀に戻るのであった。
りりか「何?こういうのあと二回あるの!?」
與鷹(よたか)「……」
 相手が場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)だと分かった以上、まごまごしている場合ではない。残り二振りはサクっと斃してしま
うに限る……静かにそう決意するのは総介であった。


END

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