Eighter -Midnight Howling-
41ster 〜燭台切は伊達違う(ダテじゃない!) B〜



#3
 愛知県、某所、徳川宗家の屋敷
徳川りりか「さて、どうしたものかなぁ……」
 先代()より仰せつかった任務……それは端的に言うととある組織の解体……だが、そんなものが自分一人の手で負
えるわけもなく……
りりか「梶音に頼んでも断られるのは目に見えているし……」
 梶音……それは服部梶音のことである。彼女は伊賀忍軍の首領にはなりたくなかったが、服部半蔵の子孫だから
という理由で担ぎあげられてしまったかわいそうな女子高生である。
 ってか、その情報はもう古いから……今や彼女は忍びにならんと躍起になってるから!
りりか「仕方がない、こうなったら……」
 と、りりかはある場所へと向かうのであった。
※彼女が向かう先はまぁ、どこだかわかりますね?困ったときのEighter頼みってヤツです。

 天四斗(あまよと)、Eighter本部
某敢(それがし・いさむ)「依頼でござるか」
りりか「うむ」
 スウィートプラントなる組織を知っているか?とりりかは問う
(いさむ)「聞かぬ名でござるが……」
(かみ)総介「スウィートプラント……それは最近ハバを利かせているシンジケートの名だ!」
梓與鷹(よたか)「総!?」
 と、その時、突如としてSRAPの総介が殴りこんでくる。
山咲(やまざき)桜「組織を牛耳るのはユピテガデム・安室・ビオブレンなる人物で、彼が組織の頂点に立ってから一気にその
名は轟きました」
りりか「ってか、よく調べてるわね……はっ、もしかして私が依頼することを事前に察知して下調べしてくれてい
たとか!?」
與鷹(よたか)「いや、あのな……」
 無論、そんなわけはない。
りりか「ありがとう物吉!」
 持っていた脇差にほおずりしだすりりか。
 物吉……物吉貞宗とは徳川家康の愛刀で、この脇差をもちて戦に臨むと必ず勝利したという逸話を持つ。徳川の
幸運の守り刀である。
與鷹(よたか)「で、総……お前が来たってことはこの件は」
総介「ああ、そうだ……」
 オーパーツが絡んでいる……そういうことだ。
 ってことはこの案件、最初からりりかには手に負えないものだったってことになるけど……葵子もそれが分から
ないわけではないと思うのだが……
りりか「え?何々?どういうこと?」
與鷹(よたか)「いや、気にするな……こっちの話だ……」
りりか「あ、そう」
 興味がないのか妙にあっさりと引き下がるりりかであった。
天然蛍(あましか・けい)「話は聞かせてもらった!面白そうだから俺も行く〜」
一同「あのな……」
突込魁(とつこみ・かい)「物見遊山じゃないわっ!」
 スパコ〜ン
 突如乱入する(けい)と、盛大に突っ込む(かい)。もはやおなじみの光景だ。
りりか「あれ?あなたは……」
(けい)「ん?何?」
 首をかしげる(けい)
りりか「……」
 かつて、剣術の砕天(さいてん)、天下布武杯にて、乱入してきた裏の世界の殺し屋をアッサリと返り討ちにして颯爽と去っ
ていった謎の漢……それが天然(けい)である。
※まぁ、直接の面識はないんですがね……

#4
與鷹(よたか)「で、そのスウィートプラントの拠点はどこにあるんだ?」
桜「はい、熊本県、上天草にあるようです」
 かんなが調べるのかと思いきや既に調査は終えている桜であった。
※じゃ、今回かんなの出番ないんじゃないの?なんて突っ込んではいけない。
與鷹(よたか)「……」
 そして、そんな桜からの情報を得て與鷹(よたか)は黙り込んでしまう。
りりか「どしたの?」
 怪訝に思い與鷹(よたか)の方を見るりりか。
與鷹(よたか)(スウィートは甘い、プラントは草……そして上天草といえば……)
 上天草……それは、かの天草四郎の故郷である。
 更にスウィートプラントのトップ、ユピテガデム・安室・ビオブレン……それはアマクサ(ジュピター・ガンダム)、アム□・レイのバイ
オ脳を彷彿させる名前である。
 すべてが『アマクサ』に繋がっているなどと出来過ぎているとしか思えない。
與鷹(よたか)「ここで考えていても仕方がないか……」
 全ては上天草へ行けばわかる……はずだ。
 ともかく、一行は上天草のスウィートプラントの拠点へと足を運ぶのであった。

 熊本県、上天草某所、スウィートプラントの拠点
桜「ここは近隣からは砂時計の通り名がつけられているようです」
與鷹(よたか)「まぁ、確かに砂時計みたいな形ではあるわな……」
総介「フン……」
 砂時計の通り名を持つスウィートプラントの拠点……砂時計の形をしたスペースコロニーとしてプラントという
モノがあったりするのでそういうことなのか?なんて思ってしまう與鷹(よたか)であった。
 と、そんな時であった。
伊達宗美(むねみ)「ここが奴らの拠点なのか?」
片倉十夜「はい、宗美(むねみ)様。黒脛巾(くろはばき)組に探りを入れてもらった結果なので……」
 宗美(むねみ)、十夜がなぜかここへやってきた。
りりか「んん?宗美(むねみ)、なんであなたがここにいるの?」
宗美(むねみ)「ゲェッ!?りりか!?……そっちこそどうしてここに!?」
 びっくり仰天の宗美(むねみ)。それもそのはずである。なんたって奪われた燭台切光忠を献上する相手とこんな場所で鉢
合わせるなどと思ってもみなかった出来事である。
 燭台切光忠が盗まれたという事実はなんとしてでも隠し通したい宗美(むねみ)である。
総介「お前らもスウィートプラントに用があるのか?」
宗美(むねみ)「スウィートプラントぉ?」
與鷹(よたか)「何だ?違うのか?」
十夜(確かに、黒脛巾(くろはばき)組からの情報によるとキャンドルスティックスラッシャーではなく、スウィートプラントと
いう名前が出てきました)
宗美(むねみ)(両者は同じもの?いや、傘下にあるってことか……)
 果たして、キャンドルスティックスラッシャーとはスウィートプラント傘下の組織なのか!?
 そして、宗美(むねみ)は燭台切光忠が盗まれたという事実を隠し通せるのか!?


続

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