Eighter -Midnight Howling-
29ther 〜闇影(やみ)ニ堕ツル大地(ガイア) C〜



#5
 與鷹(よたか)がオルタナチス幹部、青光のカーボナードと死合っている際、かれんは赤光のブロンゼと死合を繰り広げて
いた。
 ここで話はかれんのほうへ移ります。
白拍子かれん「『せいこう』のカーボナード……なんていやらしい名前なの……」
一同「『せいこう』で真っ先に思いつくのそれかよ!」
 寧ろ、そんなことを考えるかれんの方がいやらしいのでは?
ブロンゼ「フッ、死合の最中によそ見とは余裕だな!」
かれん「アンタもアンタで赤なのか青なのかハッキリしなさいよ!」
 ブロンゼ(bronze)とは要するに青銅って意味である。と、言うわけで『赤光の青銅』ってなんだよ!ってかれ
んは渾身の突っ込みを披露したのだった。
※ただ、日本語に訳すとそうなってしまうわけであって、ブロンゼは青銅って意味じゃなくて人名なので訳しては
 イカンです。
ブロンゼ「何を言っているのかはわからんが、名前を馬鹿にされたのだけはなんとなくわかった……貴様、生かし
ておかん!」
 ゴゴオッと怒りに呼応するようにブロンゼを包む炎が激しく猛る。
ブロンゼ「ドイツが誇る、世界一の炎で貴様をあぶってやるわ!」
 スラリとサーベルを抜き放つと、その刃に炎が絡みついていく。
かれん「日焼けは乙女の肌の天敵なのでノーセンキューです」
 叫ぶとともに、予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)を構えるかれん
ブロンゼ「ほざけ!大文字!」
 十文字斬りならぬ、大文字斬りを繰り出すブロンゼ。斬撃の後、大文字の炎がかれんに襲い来る。
かれん「冽沍極舞刃(れつごきょくぶじん)」
 カキ〜〜ン
 しかし、そんな炎もかれんの放つ冽沍極舞刃(れつごきょくぶじん)の前には凍り付き、砕け散る
ブロンゼ「何だと?」
 驚くブロンゼにニヤリと悪い笑顔を見せるかれん。
 あ、これ、九星団率いてEighterに盾突いていたころのかれんの笑顔だ……
※盾突くって……
 冽沍極舞刃(れつごきょくぶじん)は冷気の刃で相手の原子運動を止めて凍り付かせる技。それは王位なる吊り劔章(ダモクレス・ブレーディア)で操った炎でも同様なのだ。
ブロンゼ「もう一度やってみるがいいわ!火炎車ァっ!」
 斬撃を放つと炎が牛のいない牛車のような姿となってかれんに襲いかかる。
 これ、火炎車ちゃう、火車や!
かれん「冽沍極舞刃(れつごきょくぶじん)!」
 しかし、再び凍り付いていく炎……だが、しかし
かれん「な、何ですって?」
 火車の車輪、そこには炎がまるで憤怒の形相を浮かべているような感じで燃え盛り、かれんの冷気を溶かし続け
ていた。
ブロンゼ「貴様は忘れている!炎は水には弱くても、氷には強い!」
かれん「はっ!」
※まって、それポケ〇ンの属性理論だから!

#6
 ついにかれんの冷気が押し負け、火車がかれんに襲い掛かる
かれん「くっ」
 どうに回避すると、火車はそのまま地面に激突、炎を散らしながら消えていった。
かれん「なるほど、少しはできるようね……」
ブロンゼ「フッ、これが、シュヴェールトの力よ!」
かれん「でもね、私の使う流派は氷だけしか扱えないような代物じゃないのよ!」
ブロンゼ「だったら見せてみろ!お前の全てを!火炎車!」
 再び火車がかれんに襲い掛かる
かれん「煉獄極舞刃(れんごくきょくぶじん)!」
 業火の刃で応戦するかれん
ブロンゼ「炎に炎で対抗するなどと笑止ッ」
 だが、しかし、かれんの炎が火車を真っ二つに叩き割った時点でブロンゼは驚愕する
かれん「なめないでよね!」
ブロンゼ「よかろう、ならば貴様には、ドイツの火災は世界一ってことを教えてやる!」
 いや、待って、火災なんて災害を世界一と誇るのはどうなのか……ドイツ国民から顰蹙(ひんしゅく)買わないか……
ブロンゼ「ニトロチャージ」
 全身を炎で包むと同時に一足飛びにかかりブロンゼ
かれん「煉獄極舞刃(れんごくきょくぶじん)!」
 迫る炎を纏ったサーベルを業火を纏った予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)で受け止める。
ブロンゼ「フッ」
 ニヤァっと笑みを浮かべるとすぐさま距離を置いてかれんと対峙するブロンゼ。そして、再び突撃
ブロンゼ「ニトロチャージ!」
かれん「無駄よ、無駄!煉獄極舞刃(れんごくきょくぶじん)!……え?」
 しかし、ブロンゼは先ほどよりも早く踏み込み斬撃を繰り出してくる。
 まだ対応できない速さではないのでかれんは逡巡しつつも業火を纏った予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)で応戦するのだった。
ブロンゼ「ニトロチャージ!」
 またしてもすぐさま後退すると再び同じ突撃技
かれん「さっきよりも早く?!」
 見間違いでも何でもない、明らかにスピードが増している。
ブロンゼ「これがシュヴェールトの力よ!ニトロチャージは攻撃するだけではない、俺のスピードも上げる妙技な
のだ!」
かれん「……」
 それ、ポ〇モンのニトロチャージって技のまるパクリじゃないか!
 まぁ、これまでのオルタナチスのメンバーはなぜか全員ポケ〇ンの技を使ってきたけれども……
ブロンゼ「更に行くぞ!ニトロチャージ!」
かれん「くっ……光焔熾(こうえんし)!更にKR耀(こくげんよう)!」
 かれんも闇と炎を身に纏い自身を強化させてブロンゼのスピードに対抗する。
ブロンゼ「ほぉ?」
 果たして、この死合、どう決着するのか?


続

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