Eighter -Midnight Howling-
11ther 〜有り得ぬ受胎酷恥 C〜
#5
神奈川県で起こった嬰児(遺棄事件……それはタダの嬰児(遺棄事件ではなく、『爬虫人類嬰児(遺棄事件』だった
そして、事件の犯人を追いつめるべく、総介は神奈川県へ……
神奈川県、赤毛庵
*「株戸(さんですか?……」
上(総介「ああ、コイツだ……」
すっと懐から株戸亜羅(の写真を取り出し店主に見せる総介
*「ああ〜!あの常連さん……そういえば、最近見かけませんねぇ……」
総介は早速赤毛庵で事件の容疑者(既に総介の中では事件の犯人確定)について話を聞いてみたのだが……あま
り大した話は聞けなかった……
更に言うと、最近は見かけないと言う始末……
山咲(桜「……逃げた……のではないでしょうか?」
総介「……」
いや、それはないだろう……と総介……
なぜそこまで断定出来るのか……
*「あの……その人が何か?」
総介「……先日の嬰児(遺棄事件……それを仕組んだのが彼である疑いがありましてね……」
*「まぁ、嬰児(を仕込んだのが彼だったと!」
普通に考えればお相手が彼だった……と思うので『仕込んだ』と発言した店主だったが、実際には彼が『仕込ん
だ』わけではない……故に総介の『仕組んだ』が正しいのだ……
総介「……奴の住所も聞いておけばよかったか……」
まぁ、そこは警察の仕事……であるからこそ、特に聞いてはいなかったのだが……もし、これが無能警官だった
なら、すかさず奴の住所までも聞きだしていただろう……
*「いえ、住所なら……分かりますよ……」
そういって、店主は奥から彼の携帯番号、メルアド、住所が記載されていたメモを持ってくる
総介「これは?」
*「はい、彼が、ウチの禊美(に渡していたものです……」
総介、桜「……」
しかし、彼女は二次元にうつつを抜かすオタク……三次元の彼が住所やメルアドを渡したところで反応するはず
がない……だからこそ、そのメモは店内に放置されていたのだ……
総介は彼女の酷いオタクっぷりに呆れつつも、感謝して、その住所を頼りに株戸(の家へと向かう
神奈川県、株戸(の家
総介「こちらに株戸亜羅(がいると思うのだが……」
株戸亜羅(「……す、すみません……ちょっと……体調不良でして……今、人に会うことは出来ないんですが……」
総介「体調不良?……それは貴様の自業自得だろう……貴様が原諏禊美(に何かしでかしたことは既に分
かっているんだ!」
亜羅(「ッ!」
総介の言葉に驚愕、そのままドタバタと逃げ出すそぶりを見せる亜羅(
桜「警部……」
総介「無駄だ……奴は逃げられんよ……」
そして、総介はのんびりと……優雅に……しかし、確実に追い詰めるべく家の中へと足を運ぶのであった……
#6
亜羅(「はっ……」
逃げ出そうとした矢先、総介に見つかりパニックになっている亜羅(
総介「もう、逃げられんぞ……」
亜羅(「う……ぐぅ……」
お腹を抱えて蹲(る亜羅(……
目立つのはお腹の出っ張り……一見すると成人病や中年太りにも見えるが、実はそうではない……これこそが総
介が亜羅(が逃げ出せないと判断した理由……
※別にデブは逃げ足が遅いと罵っているわけではありません。
総介「……人を呪わば穴二つ……」
桜「……警部……まさか……」
そして、桜もはっと気付く……この、目の前の異様な光景に……
総介「そうだ……」
そう、彼は肥満ではなく、身重……つまり、妊娠状態だったのだ……
総介「場違いな黒き遺物(……赤子なる優先枠(」
それは、想像妊娠を現実にする場違いな黒き遺物(……本来は実在する相手との想像妊娠を現実のものにする代物
なのだが、今回は架空の存在との想像妊娠までもを現実にして見せたのだ……
総介「そして、それが貴様の代償だ……」
ギロリと亜羅(を睨みつけながら総介が叫ぶ
亜羅(「だ、代償って……何だよ……」
人を孕ませれば穴二つ……赤子なる優先枠(は、相手の想像妊娠を現実にするだけではなく、使用者に全く誰の子
か分からない子を身ごもらせる魔性のオーパーツ……
そして、亜羅(は場違いな黒き遺物(に唆され……その毒牙にかかり、男性であるにも関わらず、妊娠してしまった
のだ……
男性だろうが女性だろうが問答無用で使用者を妊娠させる魔性のオーパーツ……それが場違いな黒き遺物(……
総介「さてと……話は署で聞こう」
……いや、それよりも、まずは病院か……と総介
男性が妊娠などとどう考えても子宮外妊娠しかありえない……そのため、活かすにしろ、殺すにしろ、帝王切開
は必須……
いや、女性の場合、帝王切開ならば、男性の場合、女帝切開と言うべきなのか……
※そんなの、もぉぉおう、ど〜〜だっていいんだよッ!
……こうして、漫画キャラかつ、爬虫人類(とのクォーター……そして、本当にどこの……いや
そもそも、人間なのかも不明な赤子……二人の謎の子供がこの世に出生することとなった……
#7
某所……場違いな黒き遺物(が集う場所にて……
*「……使用者が何であれ、強制的に妊娠させる……なかなか面白かったよ……」
今回の事件の一部始終を見ながら、謎の少年が呟く……
*「でも、結局、アレも破壊されたけどね……」
そう、既にあの場違いな黒き遺物(、赤子なる優先枠(は総介の手によって破壊されている……
*「まぁ、いいんじゃないの……別に……」
*「ところで、使用者がアンドロイドだった場合はどうなるんだ?」
*「ふふふ……勿論、どんな存在でもアレの効力は範囲内だよ……」
*「そうか……それは、是非見たかった……」
……こうして、場違いな黒き遺物(どもの暗躍は続くのである……
END
前の話へ 戻る 次の話へ