Eighter -Midnight Howling-
1ster 〜その名は黒き遺物 A〜



#0
 カトリーヌによる未曾有の情報化メディア社会崩壊事件……しかし、この事件も、Eighter一行の手によって事なき
を得る……
 この一件により、九大オーパーツCPがひとつ、アトランティスを破壊されたEighter一行であったが、しかし
代わりにそれを超越する究極のオーパーツCP、レムリアを手に入れる……
 そして、今日も、世界は回る……

#1
 天四斗あまよと、某所
警官「豪谷静寂しじま!貴様は完全に包囲されている!」
豪谷静寂しじま「……」
 人気のない路地裏……チンピラをぶち殺してニヤリと微笑む静寂しじまに警官が立ち向かう……
警官「大人しく投降すれば……」
静寂しじま「シャアアアア!」
警官「なっ?」
 だが、静寂しじまは聞く耳持たず……そのまま一足飛びに警官に襲いかかり、そして、右手に装備していた爪で警官を
引き裂き殺す
警官「ガハッ?」
静寂しじま「ヒハハハ……ヒヒ……」
 ……数分後……静寂しじまが去ると……そこには静寂が訪れた……

 <富山、富山県警
警官「中川警部……これで今月五件目です……」
中川邦武ほうむ「……分かってる……分かっているが……」
 しかし、静寂しじまは理性がないのか……投降を呼びかける警官を無視して攻撃を繰り出し、そして、辺りを血の海に
するバケモノである……
かみ総介「豪谷静寂しじま……右手に装備した爪で相手を引き裂き殺す……か」
警官一同「かかっ……かかかかっ……」
山咲やまざき桜「いい加減にしてくださいね……」
 何の前触れも無く、総介が登場し、やはり、一行は盛大に驚き狼狽えるのであった
総介「……この事件、お前らでは解決できん……手を退け!」
邦武ほうむかみ警部……それって……」
警官「そんな、かみ警部……我々で何とかしますから……」
 勝手に事件を取り上げないでください……と無能警官……
総介「お前らで解決できるとでも?」
警官「そ、それは……なんというか……」
総介「ともかく、この事件は俺が受け持つ……異論がある奴は前に出ろ!」
警官一同「いえ、まったくもってございません!」
 総介に刃向かえる無能警官など存在せず……かくして、無能警官一行はこの事件から手を引くこととなった……
総介「行くぞ、山咲やまざき……」
桜「はい、警部……」
 そして、総介は桜を引き連れ、Eighter本部へと足を運ぶ……

 天四斗あまよと、Eighter本部
梓與鷹よたか「……豪谷静寂しじま……か、確かに、最近ニュースで巷を騒がせている殺人鬼だな……」
総介「ああ、そうだ……」
白拍子かんな「……その静寂しじまですが、どうやら、既にこの近くに……」
與鷹よたか「何だって!?」
 レムリアで検索した結果をみなに伝えるかんな……確かに、静寂しじまは今、この付近にやってきている……

#2
 レムリアの情報を元に、與鷹よたからはすぐさま静寂しじまのいる場所へと赴く
與鷹よたか「そこまでだ!静寂しじま!」
静寂しじま「……」
 幸いにも、まだ、この場で凶行には及んでいなかった静寂しじま……
総介「大人しく投降すれば、罪は幾許か軽くなる……」
静寂しじま「シャアアッ!」
 しかし、総介の言葉の途中で襲いかかる静寂しじま
かんな「はっ」
 だが、かんながいち早く飛び出し、静寂しじまの右手の爪を受ける
與鷹よたか「聞く耳持たずとは聞いたが……しかし、ここまでとは……」
総介「……」
 そんな與鷹よたかの言葉を聞き流し、総介はいつになく険しい表情で静寂しじまを睨みつける
與鷹よたか「……総……?」
総介「……奴は操られている……」
與鷹よたか「え?何に?」
かんな「このオーパーツ、狂瓜に破爪無しゴード・ノー・ファングにです」
 静寂しじまの爪を神滅超越者ラグナロクエクセルで受け止めながらかんなが呟く
與鷹よたか「人を操るオーパーツ……?」
桜「……正しくは人を道具パーツとして扱うオーパーツ」
與鷹よたか「なっ!?それって……まさか……」
 桜の言葉を聞き、與鷹よたかも驚愕に目を剥く。
 ……今までにもオーパーツを悪用して事件を巻き起こす連中は多々出てきた……故に、総介はオーパーツを管理
すべきだと主張したのだが……それはおいといて……
 しかし、そんな奴らも、オーパーツに操られて事件を起こしたのではない、自分の野心に呑まれてオーパーツを
悪用していたにすぎない……
 オーパーツとはいえ、道具……使い人の良しあしによって善にも悪にもなる……だが、目の前の静寂しじまは違う……
 彼はオーパーツに利用され動いているのだ……
総介「そうだ……オーパーツには二つの種類がある……ひとつは人に使われることを望むオーパーツ……」
 それは、今まで與鷹よたからが目にしてきた普通のオーパーツのことである。
桜「そして、もうひとつは人を道具パーツのように使うことを望むオーパーツ……」
 そう、それこそが静寂しじまが装備している狂瓜に破爪無しゴード・ノー・ファングである。
総介「人に道具パーツとして使われることを望むオーパーツを場違いな白き遺物ポジティヴ・オーパーツと言い、人を道具パーツのように使うことを望
むオーパーツを場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツと言う……」
桜「そして、一般的にオーパーツというと場違いな白き遺物ポジティヴ・オーパーツを指します……」
與鷹よたか「まさか、場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツが本当に存在するなんて……」
総介「……」
 確かに、総介も、場違いな黒き遺物ネガティヴ・オーパーツを見るのはこれが初めてである……
 と、言うことはさておき……かんなは静寂しじまを食い止めることができるのか!?


続

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