Eighter -Grand Harmonise-
44ther 〜周期的な殺人衝動 B〜



#3
『話し合い』のつもりがいつの間にか『果し合い』となり母を殺したという漢、能勢耶麻太やまた……そんな言い分を
警察が聞くわけもなく、ヤツは今だ取調室の中にいる……
ちなみに、一方その頃、総介は桜と共にEighter本部にいた……
白拍子かんな「能勢耶麻太やまた……経歴は……3歳の時、友達の宝物のカブトムシを殺し、8歳の時、飼っていた
 猫を殺し、13歳で父を事故死に見せかけて殺し、現在、18歳で彼女のことでもめて母を殺した……となって
 います」
かみ総介「ふむ、やはり5年周期か……」
総介は1人頷き……それに與鷹よたかが口を挟む
梓與鷹よたか「……5年周期の……『殺し』衝動?」
山咲やまざき桜「始めの殺しの衝動の際に、何かあったのでしょうか?」
総介「さぁな……」
と、そんな会話の中、更にアトランティスを操作し、情報を引き出すかんな
かんな「考えられる原因は彼の中に眠る殺戮の血、龍の血にあるかと……」
與鷹よたか「殺戮の血!?」
空間スクリーンに情報を映し出すかんな
総介「……なるほどな……」
桜「無意識のうちに……血が覚醒し、無意識のうちに殺しを繰り返してきた……と、いうことでしょうか?」
空間スクリーンに開示された情報を見ながら桜が呟く
かんな「そうなりますね」
與鷹よたか「じゃあ……交換輸血でもすりゃあ治るのか?」
一同「おいおい……」
かんな「『血液』という概念の血ではありませんよ。リーダー……」
すかさずかんなが突っ込みを入れる
與鷹よたか(……いや、分かってるって……)
総介「と、なると、それを鎮めるためには……やはり……」
かんな「ええ、その龍をたおすしかありません」
総介「……分かった……いくぞ、山咲やまざき」
桜「あ、はい、警部」
それだけが分かれば十分だ……と総介は踵を返しEighter本部を去っていく
與鷹よたか「おい、総……仮にたおすとしても……龍の血が目覚めるのに5年の周期があるんじゃないのか!?」
ピタリッ
與鷹よたかのその言葉に立ち止まる総介
総介「一度殺しを行えば、鎮まると言うことは……完全に覚醒してはいない……ということだな……」
かんな「ええ、そうなります」
そうでなければ、今頃無制限に殺しを行っているはずだ……とかんな……
與鷹よたか「……だったら……?」
総介「……ならば無理やりでも完全に覚醒させてたおす!それしかあるまい!」
桜「警部?」
総介「心配要らん」
ガチャッ
バタムッ
そして、今度こそ、総介は東京都へと戻る……
與鷹よたか「……大丈夫……かなぁ?」
かんな「……何とかなると思いますよ」
與鷹よたか「……まぁ、なら、いいか……」
※かんなの言葉に安堵しすぎな気がするが……それだけかんなの言葉が絶対だってことですかね

#4
そして、話は東京都へと戻る……
東京都、警視庁
警官「ええい!いい加減にしやがれ!!」
ダンッ
耶麻太やまたの言葉にいら立ちを覚えつつ、机をたたく警官
能勢能勢耶麻太やまた「だから、俺は……」
今だに平行線な両者……このままでは埒が明かない……
ガチャッ
と、そこへやってくる総介
一同「かかかッ!かみ警部!!?」
総介「出ろ!耶麻太やまた……」
耶麻太やまた「え!?」
中川邦武「かみ警部!?困りますよ……勝手に釈放だなんて……」
総介「違う……釈放ではない……こんな場所では狭すぎるからな……」
一同「???」
耶麻太やまた「……何……するんだ?てめぇ……」
総介「……お前の呪われた半生を更生してやるんだよ……」
耶麻太やまた「はぁ!?なにを……」
総介「いいから、来いっ」
グイッ
耶麻太やまた「あ、ちょ……」
ずるずるずる……
そのまま耶麻太やまたを引っ張って署を去っていく総介
邦武「ちょ、かみ警部……」
・
・・
・・・
そして、総介はそのままかんなの助けも借り、歴史の墓場へと転移する
歴史の墓場
総介「……ここならば問題あるまい……」
耶麻太やまた「どこだよ……ここ……ここで一体何をするってんだよ!」
スラッ
蒼王の刃ブルーロードを構える総介
総介「……さて……始めよう……」
耶麻太やまた「ちょ、待て……何だ!?その刀……アンタ、警官だろ!?……俺を殺すとかそんな……」
ギイイ〜〜〜〜ン
と、そのとき、蒼王の刃ブルーロードの刃が青く光る……
耶麻太やまた「くぅ……」
ガクリッ
その蒼き光を見続けると……やがて倒れる耶麻太やまたであった……
・
・・
・・・
ドクンッ
更に、暫くすると……鼓動が……辺りに響く
総介「……ようやく、お目覚めか……お前に眠る、龍の血とやら……」
グググッ
耶麻太やまた「……俺を呼び覚ます……お前は……誰だ!?」
立ち上がる耶麻太やまた……いや、もはや彼は耶麻太やまたではない……彼に眠る龍の血が目覚めし後の殺戮者
総介「……お前をたおすもの……」
耶麻太やまた「……ほざけぇ!」
ドドドドッ
気が弾け飛ぶ……
総介「……当たらんよ……」
スッ
だが、軽くあしらう総介
……耶麻太やまたの中に眠りし殺戮の血は目覚めた……あとは……それをたおすだけだが……果たして……


続

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