Eighter -Grand Harmonise-
42nder 〜天然は炎水にいかる C〜



#5
けい……怒りの心を捨て、しんと互角に戦う……のも束の間……逆に窮地に追い込まれてしまう……そして
まるで隕石のような衝撃を持つ水龍が激突し……けいは……死す!?
突込魁とつこみ・かいけいぃいい!!!」
天然蛍あましか・けい「ううう……大きな声出さないでよ……」
かい「はい!?」
振り向くと、かいのすぐ近くにけいがいた……いや、正確には投げ捨てられていた……投げ捨てられ、地面に
激突したままなので、ヘンな格好のままである
かいけい!?アンタ……なんでこんな場所に……」
けい「じいさん……アンタ……何しようと……」
かいの質問に答えるより前に、けいは手を伸ばし叫ぶ
かい「え!?」
……そういえば……かいの近くにいた聖十郎がいない……
水炎みなほむら聖十郎「けいよ……儂の死に様……とくと見ておくのだ!」
けい「じいさん……」
シュオオオオオオッ
やがて……煙が晴れ……
零大辰れいだい・しん「お?」
へこんだ大地に立つ聖十郎……
しん「ヘッ……命拾いしたか……つくづく悪運の強いヤツだな……けい」
だが、それも終わりだ……と言い終える前に、聖十郎が動く
聖十郎「……炎水之極えんすいのきわみ!」
ドッ
突如しんに水の龍が襲い掛かる
しん「ハッ!この俺に水を使うとは狂ったか!ジジ……」
ゴッ
しん「ぐお!?」
だが、その水龍はしんを聖十郎にひきつけ……
聖十郎「うおおおお!!!!」
ドンッ
そして、炎の鳥がしんを弾き飛ばす
しん「ぐ……ぐおおおおおおおお!!!?」
ドガンッ
弾き飛ぶしん
かい「な……何!?今の!?」
聖十郎「……けい!……お前にこの……最期の奥義を……送……ゴハアアアアアッ」
ドサッ
吐血し、その場に倒れる聖十郎
けい「じ……じいさん!?」
ダダッ
やっと体勢を立て直すことが完了したけいは急いで駆けつける
聖十郎「……けい……お前なら……お前なら……ヤツを止められる……だっ……から……」
だくだく……と血がとめどなく溢れ出る聖十郎
けい「分かった……分かったから……じいさん……」
聖十郎「け……けい」
・
・・
・・・
キッ
暫し、無言で会話を行った後、しんをきつく睨みつけるけい

#6
ゴゴゴゴゴゴゴッ
かい「くっ……何!?この……寒気!?」
けい……再び怒りに身をやつす……そして、その怒りは……辺りを震撼させる……
しん「味な真似をしおって……!!」
けいしん……許さない……」
しん「ハッ!何が許さんだ!キサマは塵ひとつ残さず殺してやるよ!奥義ッ!虚溶絶水陣きょゆうぜっすいじん!!!」
ドオオオオオオオッ
虚ろの水で鳳凰を無の水で麒麟を造り、あたり一面を破壊しつくす
けい「……炎水之極えんすいのきわみ」
ズオギャアアアアアッ
水龍がしんを絡め取り、引き寄せる
しんけい「うおおおおおお!!!!!」
ドゴギャアアアアアアッ
全てを破壊する水の鳳凰と麒麟に全てを焼き尽くす炎の鳥が激突し……
カアアアッ
ズムグオオオオォオオ〜〜〜〜オオオオオンッ
けいしん「ぐううう……!!!?」
2つの技の衝撃により爆発が巻き起こる
かい「くっ……」
・
・・
・・・
シュオオオオオ〜〜
しばらくして爆煙が晴れると……
けい「ぐ、ぐぅ……」
かいけい……!?」
ひざまずくはけい……
しん「フ、フフフ……」
そして、勝ち誇ったかのように立っているしん
かいけい!!」
だだっ
いてもたってもいられず、けいに駆けつけるかい……しかし、無情にも兇刃は……
しん「死……」
バキョアアアアアアアッ
と、その時、双剣・激流と静水が砕け散る
しん「な……何……ごはあああああ!!?」
そしてしんも吐血し、その場にひざまずく……最終奥義『炎水之極えんすいのきわみ』……立て続けに2回も喰らえば流石にただでは
済まない……
しん「ぐ……ぐぐぐぐぐ……おのれ!おのれけい!おのれ聖十郎!今回は俺の負けじゃねぇ!貴様ら2人掛かり
 で……だからな!けい!次に逢う時がキサマの最期だ!!」
バッ
その捨て台詞を残し……しんは去っていく
けい「……」
かいけい……大丈夫?」
かいが駆けつけ、話しかけてみるも、けいは無反応……
よろよろ……
と、思いきや、そのまま師匠のもとへ……
かいけい?」
けい「じいさん……」
だが……既に水炎みなほむら聖十郎は……息絶えていた
ガクリッ
その場に頽れるけい
けい「……じ……聖十郎師匠ぅう!!!」
※おお!初めて敬意を評しているぞ。(いや、こんなときにふざけられても困るから……)
かい「……けいけい「……なんでだよ……なんで……なんでだよぉ!」
*(……お前たちの未来に……幸あらんことを……)
……ふと聞こえた声……それは聖十郎のものだったのか……今となっては……知る由も無い……
けい「……水炎みなほむら聖十郎師匠ぉおおおお!!」
……破壊尽くされた道場で……けいの叫びがむなしく谺する……
かい「……」
かいも、かいでどんな言葉を投げかけてあげればいいのか分からず無言に……
けい「……」
……しかし、悲しんでいる場合ではない……しんたおすこと……それが……聖十郎へのはなむけとなろう……
けいよ……ここで立ち止まっている場合ではない……


END

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