Eighter -Grand Harmonise-
37ther 〜剣鬼は至宝を得る D〜
#7
敢との真のケリをつけるべく、敢(の師匠の道場を訪れた萌……かくて、死合は始まったのだが、萌の剣には
迷いがあり、敢(に軽くあしらわれてしまう……
だが、今、萌は敢(の言葉にふっきれ、長きにわたった死合に決着が……つく!?
冥時(萌「ハアアアア!!!」
某敢(「ぬううう……」
ギギンッ
ギギギンッ
そのまままたしても激しい鍔迫り合いを繰り広げる両雄……ただ、今度は両者に付け入る隙が無い……
ビシビシッ
バキバキッ
そして、斬撃の余波でカオサイトの壁、床、天井は次々と砕けてゆく……
敢((くっ……)
萌(やるなぁ……敢(ぅうう!!)
ザッ
ダダンッ
しばらく鍔迫り合いを行った後、互いに距離を置く
萌「そうだ……これだ……こうでなくてはキサマを斬る意味が無いッ!!」
敢(「……左様でござるか……」
言葉とは裏腹に敢(もまた、この死合を楽しいと感じてはいた……
萌「ハッ!絶氷突槍(!」
ドンドンドンドンドンドンッ
氷の槍が地面から飛び出し敢(に襲わせる萌
敢(「ぬん!炎翼翩舞(」
ゴアウッ
その氷の槍を抜刀時の摩擦熱による炎で溶かす敢(
萌「ならばッ!六壬移臠陣(!」
敢(「ぬっ……恒娥震臠舞(!」
ゴギャギャギャギャギャギャギャギャギャッ
効果が無いと分かればすぐさま次の手を打つ萌。
空間を転移しながら斬り刻む萌……そして、敢(はと言うと、斬り裂く、滅ぼす、断つの3斬攻撃で応戦する
ブシュウウウッ
敢(「くっ……」
萌「ちいいいっ……」
ザザザッ
互いにダメージを負い、そのまま後退
萌(奥義でもこの程度か……強い……さすがは剣聖……)
敢((急激に成長しているでござるな……いや、これはむしろ進化……でござるか!?)
萌(だが……いや、だからこそヤツを超える!ヤツを斬る!!)
敢((……この死合……敗れたならば拙者もまだまだ未熟……ということでござるな……)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
更に、この期に及んで両雄の殺気が吊り上がる
#8
萌(次で……決める!!)
敢((終わりにするでござるよ……)
敢(、萌「ハッ」
ゴアッ
両者一気に間合いを詰め……
萌「天蓬紅蓮陣(!」
ドンッ
敢(を闇で包みこもうとする萌
敢(「命驪天禽舞(!」
バアアアッ
だが、光が落ちてきてその闇を祓う
萌「はあああああああ!!!!」
敢(「うおおおおおおお!!!!」
ドオオオオオオンッ
ガラガラガラガラガラッ
そして2人は激突し……奥義と奥義のぶつかり合いにて、カオサイトの壁、天井、床は完全に崩壊……
カオサイトの瓦礫が両者に降り注ぐ。
※ってか、そんな状態なら2人とも生き埋めになるんじゃないかって!?……なりません。
萌「……フ……」
敢(「フフフ……」
ドサドサッ
両者……その場で頽(れる
・
・・
・・・
萌「……」
敢(「……邪悪な……禍々しい気が無くなった……でござるな……」
萌「……はははは……」
そして、先に立ち上がったのは敢(……
見渡すと、カオサイトで漆黒だったその地下空間は、クリスタル出てきているかのような青白い空間へと変化して
いた……そして、壁に2人の技の余波で出来た傷……この壁が実はカオサイトの100倍の硬度を誇る
アルティマイトである……などと、敢(も萌も知らない……
※ちなみに、アルティマイトは信念で破壊できる……なんてことはありません。
萌「……ああ……負けた……だから……俺を殺せ!」
敢(「……」
パチリッ
萌のお決まりの文句……に対し、無言で納刀する敢(
萌「……ああ……そうだな……お前はそういうヤツだ……」
最早、敢(の行動に驚きも怒りも表わさない萌
敢(「……そうでござる……拙者が斬るのは人ではござらん……心でござる……」
萌(心……か……俺は剣鬼……剣の鬼……心なんて捨てたつもりでいたが……)
萌「……ああ、そうか……心……か……」
敢(「……お主にどのような心境の変化があったかは拙者には分からぬ……だが、お主がこの先も拙者に
挑むのであれば……拙者はいつでも応じるでござるよ……」
萌「ふふ……ふふふ……」
萌(ああ……分かったよ……松子……お前が言っていたことが……俺は……剣鬼でありながら……
剣聖をめざしていたんだな……)
萌「はははは……ははは……」
ググググッ
立ち上がる萌
パチリッ
そして刀を全て納刀し、その場で佇む……
敢(「冥時(殿……」
萌「……だがな……敢(……俺はあくまで『孤高の剣鬼』として剣の道を征く!」
敢(「……拙者にお主の道を否定することなどできぬでござる……お主はお主なりに……剣を極められよ」
萌「フン……」
スタスタスタッ
道場を後にする萌……それを見守る敢(……こうして……敢(と萌との因縁は終わった……だが……
敢(、松子、萌……この3人を取り巻く関係は……まだ始まったばかり……!?
END
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