Eighter -Grand Harmonise-
30ther 〜木刀の悪魔は再び A〜



#0
木刀一本あればどんなものでも『叩き割る』ことの出来る漢、刃金鐵郎はがね・てつろう……彼の持つ木刀、割鉄牙かってつがは総介の手に
よって破壊されたのだが……彼の伝説は終わっては無かった……
今回はそんな『何でも叩き割る漢』の物語……

#1
東京都、某所
ザッ
*「ああ?何だ?キサマ……ここを新倍鎌会ニュー・ディサイズと知ってやってきたのか?」
鐵郎てつろう……新倍鎌会ニュー・ディサイズに殴り込み……その目的は……
刃金鐵郎はがね・てつろう「……骨度触燻こっど・ぶれいぶだな……早速だが、死んでもらうぜ!!」
木刀を手に鐵郎てつろうは咆える
*「ハッ!たかが木刀一本で、何が出来る!!ものども、やっちまえぇええ!!!」
一同「おおおう!!!!」
ドドドドドドドッ
だが、近くにいた護衛などが鐵郎てつろうを軽視し、そのままなだれ込む
鐵郎てつろう「フッ……叩割舞こうかつのまい・斬」
バギャンッ
ズギャシャアアッ
*「ごえあああ!!!?」
だが、しかし、襲いかかった連中はみな、片っ端からガタガタな切り口で叩き割られていく
*「な……なあ!?」
*「ヤ……ヤツは……今、何をしたんだ!?」
それを見た一行は震え上がり、その場を動けない……
骨度触燻こっど・ぶれいぶ「……木刀一本で……何でも叩き割る漢……か……」
一同「触燻ぶれいぶさん!?」
と、ここで、触燻ぶれいぶが呟く
触燻ぶれいぶ「だが、お前の愛刀は叩き壊されたはずだが……?」
鐵郎てつろう「ハッ!叩き壊されたのは割鉄牙かってつが!そして、我が手にあるのは割艦爪かっかんそう!何の問題がある!?」
一同「……」
*「触燻ぶれいぶさん……」
触燻ぶれいぶ「……お前ら、下がれ」
一同「は!?……触燻ぶれいぶさん!?」
触燻ぶれいぶ「ヤツは俺でないと斃せん……」
*「……分かりました……」
ザザザッ
と、言うわけで、一同は退く……
触燻ぶれいぶ「生きて帰れると思うなよ?」
ズシャンッ
斬馬刀を手にする触燻ぶれいぶ
鐵郎てつろう「フハハハハ!そんなチンケな刀でこの木刀を破壊できると思うな!!」
一同(いやいや、木刀と斬馬刀って……普通そんな台詞出てこないだろ……)
木刀1本あればなんでも叩き割る……そんな彼だからこそ出てくる台詞ではある……
鐵郎てつろう「……我が割艦爪かっかんそう……そして、打斬術法だざんじゅつほうの錆と化すがいいわ!!」
触燻ぶれいぶ「ほざけッ!我が斃琉鋒過ペイルホースの前に散るがいいッ!」
ズゴアアアアッ
重量兵器を担いでいるにも関わらず一気に間合いを詰める触燻ぶれいぶ。
そのまま鐡郎めがけて上段から一気に振り下ろす
一同「出た!触燻ぶれいぶさん名物、五大奥義が1つ……天断・禁馬超きんばちょう」
一気に湧き立つ一行……
※五大奥義で……その1つが禁『馬超』……もしや残りの4つって……

#2
触燻ぶれいぶ「きぇい!!!」
ブンッ
そして振り下ろされる斬馬刀
鐵郎てつろう「ハッ……叩割舞こうかつのまい・斬」
ドバギャインッ
触燻ぶれいぶ「ほ……げあ!?」
だが……そんな、触燻ぶれいぶも虚しく……斬馬刀ごと叩き割られてしまう
一同「は……へ!?」
ほんの一瞬の出来事に、一行も何が起こったのかさっぱり理解出ずにいる……
*「な……な……何が……!?」
鐡郎「……次は……てめぇらだ……」
一同「ヒ……ヒィ〜〜〜……に……逃げろぉおお!!!」
ダダダダッ
一同、撤退
鐵郎てつろう「逃がすかよぉ!!!」
ドギャンッ
バギャンッ
ベギンッ
ゴキンッ
一同「ごけあかああ!!?」
・
・・
・・・
翌日
警官「中川警部……このガタガタな切り口……」
中川邦武ほうむ「やはり、刃金鐵郎はがね・てつろうの仕業か……」
警官「……でしょうなぁ……」
現場検証に来た警官たち
邦武ほうむ「この新倍鎌会ニュー・ディサイズは……ミッションαにて壊滅命令が出されていたが……まさか、こうも簡単に壊滅して
 しまうとはな……」
※ニューディサイズにミッションα(α任務無部隊)……センチネルだなぁ……
警官「……しかし、彼のエモノは前回破壊されたはずでは!?」
邦武ほうむ「……エモノが1つとは限らん……そういうことだろ?」
警官「……そう……ですよね?」
ドタバタッ
と、そこへ駆けつける警官
警官「中川警部!!」
邦武ほうむ「どうした?騒々しい……」
警官「街で鐵郎てつろうを見かけた……との報告が……」
邦武ほうむ「な……何ぃいい!?」
警官「ヤツは現在、新宿方面に逃走中とのことです」
邦武ほうむ「よし、分かった。直ちに現場に急行するぞ!」
警官「ハッ!」
と、言うわけでその現場は別な班に任せ、警察一行は新宿へと急行した……
東京都、新宿
邦武ほうむ刃金鐵郎はがね・てつろう!!」
鐵郎てつろう「ああ!?」
警官「キサマは完全に包囲されている!!!おとなしく……するんだ!!」
鐵郎てつろうを取り囲む警官
鐵郎てつろう「……フン……だったらどうした?とっとと逮捕しに来いよ!」
警官「ぐ……」
邦武ほうむ(迂闊に攻め入ってはダメ……ヤツの木刀に叩き割られてしまう……かといって……包囲している
 だけでは何の意味も無い……動かないと……動かないと……でも……)
鐵郎てつろう「おらおら?どうした?取り囲むしか能が無いのかぁ!?」
邦武ほうむ「……くっ……」
……警官隊 VS 鐵郎てつろう……この戦いは……どうなる!?


続

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