Eighter -Grand Harmonise-
23rder 〜相手を求めて西走 A〜



#0
自分に適した刀を求めて京都府までやってきた沢斗たくと……いや、自分に適した刀を求めていたのは沢斗たくとだけでは
無かった……鍛えなおされた刀を手にした沢斗たくとそうはその場で早速死合うことに……
……そして……

#1
……ここで、話はちょっと変わります。
京都府、某所
*「……くだらん……」
ビュオオオオ〜〜〜
屍の山の上に立つ男……彼の近くに、生きとし生けるものは一切存在しない……ただ、彼だけがその場に
座している……それだけである……
*「……無敵ってのは実に虚しいものだな……」
空を仰ぎながら……漢は呟く……
*「……」
ひとしきり、佇んだ後、その場を後にする漢……
・
・・
・・・
そして、話は戻り……
京都府、金枝業物店付近
斎藤そう、河上沢斗たくと「はああああ!!!」
ギギギン
ギギン
ギギギギギィン
お互い技では勝負を決められないと悟ったのか再び鍔迫り合いへと移行していた……
安村みずち「互角だね……」
安村おろち「……」
おろち(互角!?……どこが……明らかに沢斗たくとは手を抜いている……なぜ……そう姉さんに合わせて闘って
 どんなメリットがあるって言うんだ?)
相変わらず、沢斗たくとの考えていることはよくわからない……とおろち……
そう「そこっ!!!天狼禍亂てんろうからん」
ゴギャギャギャギャギャギャギャッ
そして、死合の方では……一瞬の隙を突いて乱れ撃ちを放つそう
沢斗たくと「おおっとぉ……」
ヒュオヒュオヒュオヒュオアッ
だが、それをいとも簡単に完全回避する沢斗たくと
そう「な……に!?」
沢斗たくと「王手っ!!」
ギュアッ
かくて、横薙ぎがそうを捉える……
そう(ちぃ……)
ピタッ
……かと思いきや直前で止まる
一同「へ!?」
この一撃で、全てが決する……と、そう思われたのに、そんなことはなく、一同は拍子抜け……
そして、ケリがつけられなかったことに怒りを覚えたそうが咆える
そう「……何のつもりだ……沢斗たくと……」
くるっ
しかし、そうの問いに答えることもなく、沢斗たくとそうに背中を見せる

#2
そう「ふざけてい……」
言い終える前に凄い気が迫る……流石に、そうも言葉を止めざるをえなかった……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
みずち「な……何……この……気……」
その尋常ならざる気迫に……みずちもたじたじ……
おろち「……来る……!」
その場に……何かが来る!!
コツコツコツコツコツ……
……そして、冒頭で登場した漢が、やってくる……
沢斗たくと「……何だ?アンタ……?」
その気迫に圧され……一同が声も出ない状況の中、沢斗たくとが意を決して聞いてみる……
*「……俺……か?……そうだなぁ……人は豹尾ひょうび神の使いって呼んでいるな……」
そう豹尾ひょうび神の……使い?」
……その通り名に覚えがあった沢斗たくとはすかさず情報を開示
沢斗たくと「……あ〜〜、確か究極の殺し屋だったけど……引退したって……噂があったような……名前は
 ……確か……神木火雲……」
そう「神木……火雲」
未だ気圧されているそうは……名前を繰り返すことしかできなかった……
そんな中、火雲は呟く……
神木火雲「……何も殺しが出来なくなったから引退したんじゃ無いさ……この世に俺に敵うヤツがいない
 からだ……無敵というものは虚しい……もう先が無い……」
沢斗たくと「ふぅん……」
みずち「ここに来たのはなんでさ?」
火雲「……なに、単なる気まぐれだ……ここに俺をたおせるヤツがいるわけでもない……ただ、足がここに
 向いただけだ……」
そう「ふざけたことを……自分をたおせるヤツなど居ない!?……自惚れるのも大概にするんだな……」
火雲「……ふぅん?……やるの?……まぁ……死んでもいいってんなら、俺は止めないけどな」
スラッ
抜刀する火雲
沢斗たくと「……2対1でもいいのかな?」
火雲「……お望みならば4人まとめて相手してやってもいいぜ?」
みずち「なっ……」
おろち「……ふざけてるな……」
チャキキッ
みずちおろちも臨戦態勢を取る
火雲「……だがな……1度刀を抜いた以上、生きるか死ぬか……2つに1つだってことを忘れるなよ?」
ギュオンッ
みずち「死ぬのはアンタの方だよっ」
一足飛びにかかるみずち
おろち「退け!みずち!!」
火雲「ハッ!」
ゴギャオッ
みずち「ぐ……ぐううう!!!?」
ザザザザザザザッ
1瞬で弾き飛ばされるみずち
そう「な……何て力だ……」
ヒュオンッ
火雲「隙だらけだなぁ……おい……」
そう「なっ!?」
ドギャオオオッ
一気に背後をとられ、弾き飛ばされるそう
そう「ぐ……ぐぐ……」
おろち「お姉さ……」
火雲「人の心配をしているヒマがあったら自分の心配をするんだな!」
ゴギャアアッ
おろち「ぐお!?」
やっぱり弾き飛ばされるおろち
火雲「最後はアンタ……」
ギイインッ
沢斗たくと「ぐ……ぐぐぐぐぐ……」
ザザザザザザッ
防御に徹するもガードごと弾き飛ばされる
火雲「……ほぉう……」
一同(こ……こいつ……)
この……バケモノ、たおせるのか?


続

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