Eighter -Extra Voyage-
78ther 〜ナゾノ不明ゲノム〜



#0
 ゲノム、それは最後のフロンティア
※どういうこと!?
 さておき、これはナゾの不明ゲノム解析中というエクスティンクション
※エ『クスティンクション』じゃなく、エ『ピソード』……絶滅!?ってか、無理あり過ぎ……

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
西塚秋晴(しゅうせい)「邪魔するぜ!」
一同「またかよ……」
 ある日のこと、またしても、自称天才発明家、西塚秋晴(しゅうせい)がEighter本部を訪れたことからすべては始まった
秋晴(しゅうせい)「早速だが、君たちはゲノム編集というのを知っているかね?」
梓與鷹(よたか)「また唐突だな……いや、あまり知らんけど……」
秋晴(しゅうせい)「よろしい、では教えて差し上げよう。さぁ!無知蒙昧な連中に詳しく説明をしてさしあげろ!」
 と、いきなり自分は一方後ろに下がり、助手の嘘言(うそいえ)うさぎを前に出す
一同(いや、肝心な部分は人任せかよ!)
嘘言(うそいえ)うさぎ「詳しく話すと難しくて途中で居眠りしてしまう人も出てくるかと思いますので簡単に説明しますね…
…えっと、思い通りに標的遺伝子を改変する技術のことをゲノム編集って言うんです」
一同「めっちゃ簡単に言う!」
 確かに言うは易し、行うは難しとはこのことを言うのだろう。
秋晴(しゅうせい)「つまり、簡単に言うとナゾノヒトゲノム編集中ということだ」
※いや、ナカノヒ〇ゲノム実況中じゃないんだから
秋晴(しゅうせい)「そこで私はゲノム編集の申し子となるべくいろいろと作ってみた」
一同(まるでユーチューバーの歌ってみたみたいな軽いノリで言うけど、無茶苦茶だよなこの人)
 と、言うか、なぜこの人は毎度毎度Eighter本部にやってきて見せびらかすのか、それがまず分からない。
 ここを東京特許許可局か何かと勘違いしているのではなかろうか?
秋晴(しゅうせい)「まずは発明No.YY00325!カマボコ味のカニ!」
一同「そんなん食うくらいだったら普通にカニカマ食うわ!」
 一同、盛大な突っ込みであった。
うさぎ「これでタラバガニをカマボコだよと偽ることも可能です」
一同「だから、どんなときそれ使うの!?」
 用途が不明すぎてもう訳が分からない……ってか、カニをカマボコ味にするとか遺伝子編集しすぎだろ!
うさぎ「では、時間がおしているので次は二品一気に行きましょう」
一同(別に時間は押してないがな)

#2
秋晴(しゅうせい)「発明No.YY00689、ヒラメ味のカレイ!発明No.YY00751、ササミ味のササゲ!」
一同「……」
 本当に訳が分からなかった。
百鬼あろえ「ヒラメ味のカレイって要するに見た目はヒラメのカレイってことでしょ?」
 だったら、それは既に実在するのですが……
雨水(おぼろ)「それよりも私はササミ味のササゲってのが気になる」
うさぎ「はい、その昔、料理番組でこともあろうにササミとササゲを間違えたという前代未聞の事件があったこと
をヒントに、間違えても味としては問題ないだろうってなモノを作ってみようと考えたのがそれなんです」
一同「……」
※なお、ササミとササゲを間違えたという料理番組は実際にありました。そんな間違いある!?與鷹(よたか)(この〇〇味の××シリーズってまだ続きそうだな……)
あろえ(……た、確かに……)
 と、そんなどうでもいい話題で盛り上がるEighterのメンバーであった
※いや、たいして盛り上がってもないけど……
秋晴(しゅうせい)「では次ッ!発明No.YY01013、アルミサッシ味のサルミアッキ」
一同「ちょっとマテッ!」
うさぎ「アルミサッシとサルミアッキ、食べろと言われたらどっちを選びますか?という究極の選択にアナタはど
う答えますか?……という、問いの答えがこちらにまります」
一同「どっちもヤだよ!」
 拒否権はないのか!?
 そもそもアルミサッシは食べ物ではないッ!
 そして、サルミアッキは食べたくないッ!
うさぎ「ちなみに、ここだけの話ですが、実際にはアルミサッシの味ではなく、一円玉の味がします」
一同「いや、そんなこと言われても……」
※ってかアンタは一円玉を食べたことあるの!?
秋晴(しゅうせい)「よぉし、次ッ!発明No.YY01053、イクラ味のミカン!」
一同「それミカン + 醤油だよね!?」
うさぎ「はい。ミカンを醤油で育てたものがこちらになります……と、言うか、醤油でも育てられるようにゲノム
編集した結果、イクラのような味がするようになったんですよね」
與鷹(よたか)「ってか、醤油で育てられるミカンって方が尋常じゃないんだが……」
 塩水で育てられるコーンという遺伝子改良の食物を思い出す一行であった。

#3
秋晴(しゅうせい)「そして、最後ッ!これこそが私が心血を注いでゲノム編集した究極の一品ッ!発明No.YY02020、真ミラクル
フルーツ!これは脳に直接作用して酸味を甘味と判断させることができる正にミラクルなフルーツなのだ!」
一同「普通にヤバい物体Xじゃねぇかッ!」
 ゲノム編集どころか、人の脳をいじくりまわすヤバいドラッグとしか思えない。
うさぎ「なお、逆に甘味が酸味として感じられるといったことはありませんのでご安心ください」
一同「いや、どこに安心する要素が!?」
秋晴(しゅうせい)「どうだね!?この真ミラクルフルーツは!これで酸っぱいものが苦手って人も安心!」
あろえ「通報していいですか?」
 つきあってられません!
秋晴(しゅうせい)「ななな、なんでだ!?」
うさぎ「ここは一旦退きましょう」
秋晴(しゅうせい)「クッ……これで終わったと思うなよ!」
與鷹(よたか)「いや、その捨て台詞なんなの?!」
 それだけ言い残すと秋晴(しゅうせい)はうさぎと共にEighter本部を後にするのであった。
(おぼろ)「本当に、あの人、何をしにきたんでしょうか?」
與鷹(よたか)「それは俺が聞きたい……」
 そして、これからもきっと秋晴(しゅうせい)は謎の発明を見せびらかしにくるのだろう……
 どうして、彼はそんなことをするのか……その謎が解き明かされる時はこないのかもしれない。
※いや、解き明かしてよ!


END

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