Eighter -Extra Voyage-
42nder 〜勝負師(ギャンブラー)と探偵業と B〜



#3
 闇テンの狩人……御水駈王流(みみずく・おうる)……彼が玄人(バイニン)をやめるきっかけになった事件がこれ……そう、彼は新たなる博打へ
の道を切り開いたのだ!!
 そして、突如巻き起こった殺人事件……
 一夜明けたその日……ホテルは警察と野次馬とで大いににぎわっていた……
愛神核羅(かくら)「ねぇ……何があったんだろう?」
御水駈王流(みみずく・おうる)「サツが来てるってことは、何か事件でもあったんじゃねぇの?」
 核羅(かくら)王流(おうる)もまた、今日もとくにやることがないので、野次馬として人だかりの中に入っていくことに……
 天四斗(あまよと)、ホテル四季、303号室
志摩椅埴亜(いじえ)「ふぅむ……ガイ者は會野(おの)隆夫……背後からナイフで一突き……か」
小池康雄「そんな……隆夫……隆夫ぉおお……」
 まるで恋人が殺されたかのようにその場に頽れる康雄……もしや、この人、ホモなの!?と野次馬もヤジを飛ば
してみる……
警官「落ち着いてください。小池さん……」
 愛があれば性別の差なんて問題ありません……と、あくまでホモを前提に間違ったフォローを入れる警官
 ちなみに、その後、更に『俺はホモなんて人間のやることじゃねぇ!』とか正に外道な台詞を言い出して顰蹙を
買うのだが、それはまた、別の話である。
警官「志摩警部……盗まれたものは……無いようですね……」
椅埴亜(いじえ)「つまり、金目的ではなく……恨みによる犯行ってことか……?」
警官「何か……心当たりとか……ありませんかね?」
藤堂冨二「いや……無いと思いますよ……うんうん」
康雄「……だよな……」
 と、話しあっているその時……
警官「あ、志摩警部……ここ、見てください……」
 床に擦れた跡が
警官「もしかして……ここに何かあったのでは!?」
冨二「……あ……」
 そして、部屋を見渡していた冨二はあることに気が付く
冨二「隆夫の簡易金庫だッ!……」
一同「なんです!?」
冨二「隆夫はいつも簡易金庫を持ち歩いていたんですよ……それが……見当たらない……」
警官「と、すると……」
 それが盗まれた……!?……じゃあ、これは金目当ての犯行か……と思った矢先、出鼻をくじく康雄
康雄「……そ……その金庫なら……俺が……ヤツから預かった……」
冨二「え?そうなのか!?……誰にも手渡さないって言っていたのに!?」
 あいつが、自分の彼女を差し出しても、あの金庫は護るってな位の代物なのに、それを預けるだなんて……余程
の事態だな……と冨二

#4
康雄「いや……昨日の晩俺の部屋にイキナリ奴が入ってきてな……金庫を渡してきて『絶対空けるなよ、何が何で
も!』って念を押して帰っていきやがったんだよ……」
冨二「そうなのか……?」
椅埴亜(いじえ)「では、失礼ですが……」
 と、その金庫を拝借しようとする志摩警部
康雄「だ、ダメですよ、今となってはヤツの遺言です。あれだけは譲れません」
 だが、頑なに断る康雄
椅埴亜(いじえ)「いや、しかしですな……もし、あなたに託したというのならば、これは事件に繋がる何らかの手掛りにな
るかもしれないのですぞ……」
康雄「……わ、わかりました……」

 と、言うわけで隣の部屋から金庫を持ってくる康雄
警官「では、早速明けてみましょうか……」
康雄「ダ、ダメだって……何があっても開けるなって、ヤツの遺言なんだ」
 とにかく静止する康雄
椅埴亜(いじえ)「しかしですな……今はそんなこと構ってられないでしょう……」
康雄「……それに……俺も冨二も番号を知らない……」
冨二「ああ……そういえば、知らないよな……」
椅埴亜(いじえ)「……鍵の分からない金庫か……」
王流(おうる)(ふ〜〜〜ん、8桁の番号かぁ……)
核羅(かくら)(殺人……事件……かぁ……)
 野次馬の中で、王流(おうる)核羅(かくら)は暇そうにそんなことを考える
警官「仕方ない……こじあけるとするか……」
康雄「ちょ、やめてくださいよ……この簡易金庫はヤツの特注で……なぁ?」
冨二「え?……あ、ああ……何でも無理にこじ開けようとすると中身を爆破させるとか……聞いた覚えがあるな…
…」
一同「な……何だって!?」
 トンでもない仕組みの金庫に一同はビックリ仰天
警官(志摩警部……そんな金庫、あるんですかねぇ……)
椅埴亜(いじえ)(まるでスパイものの映画に出てくる小物のようだな……)
 と、話し込んでいる中……王流(おうる)は……
王流(おうる)「気分転換に……ちょいとやるか……」
核羅(かくら)「え?何を!?」
王流(おうる)「決まってるだろ……運試し……」
核羅(かくら)「ふぅ〜〜ん」

椅埴亜(いじえ)「ともかく、コレは製造元に問い合わせて……あ〜〜、お前は野次馬の撤去!それからお前はホテルの従業
員に事情調査……いいな!」
一同「はっ!」
 かくて、野次馬を解散させ、ホテルに泊まっていたものは別室にて事情聴取が行われた……
 ……そして、そんな中……
王流(おうる)「あ〜〜、すいません。私こういうものですが……」
 303号室の前に陣取っている警官に名詞(偽造)を差し出す王流(おうる)
警官「戸部探偵事務所……戸部副郎!?」
王流(おうる)「はい、今回は休暇で来ていたんですが、殺人事件が起きたと聞きましてですね……」
 そして……運命の歯車は回り始めた……


続

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