Eighter -Extra Voyage-
15ther 〜雨水家の家庭事情 B〜



#3
 ある日突然訪れた(おぼろ)の弟、(りょう)……彼の依頼は家出した(たき)姉さんを探すこと……(りょう)の訪問により知られざる?(おぼろ)の
素性が発覚する……なんと!(おぼろ)は日本五大財閥が1つ、S&W財閥の人間だったのだ!
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
雨水(おぼろ)「さて、探しましょうか……姉さんを!」
 と、そんなことを言っていると、そこへかれんが颯爽と参上する。
白拍子かれん「はいはい、呼びました!?みなさん」
白拍子かんな「姉さん違いです」
 それはひょっとしてギャグで言っているのか!?と一同。
かれん「うっ……鋭いツッコミ……」
梓與鷹(よたか)「……で、かれんは何か用なのか?」
かれん「フッ、姉さんを探すとなればかんなの姉!この私の出番よ!」
 無駄に自信満々で応えるかれんだが、更にスパっと切り捨てるかんな
かんな「何の根拠にもなってないんですけど……」
かれん「大丈夫!私の千里眼にかかればリーダーがいつ、どこで何をやっているかくらいバッチリ把握できるわよ
!」
與鷹(よたか)限定じゃねえか!何の役にも立たないよ!それ……
與鷹(よたか)「関係無いし……てか何だ?そのストーカーまがいな行動!?」
かんな(姉さん、本当に身を退いたんですかねぇ……このままだともう1回くらい斃しちゃいそうです)
 かんな、かれんに対して密かに怒りを……
 ズズズズズッ
かれん「……えっと……」
 その、怒りの視線がかれんを窮地に追いやるのだが……
某敢(それがし・いさむ)「ま、まぁ、この際かれん殿の戯言は置いておくでござるよ」
 かんなに対して(?)救いの手を出す(いさむ)
かれん「うわっ……さりげにヒドイことを……」
與鷹(よたか)「……いや、正論だろ……」

 とりあえず、話は依頼のことに戻る……
雨水(りょう)「姉の捜索、頼むぜ!マジで……」
かんな「……とりあえず、アトランティスで検索かけてみますね」
(りょう)「え!?マジ!?最近のパソコンってそんなことも出来るの!?」
與鷹(よたか)「いやいやいや、最近のパソコン違うし……」
 アトランティスで検索中のかんな……そんな中、(おぼろ)が呟く……
(おぼろ)「あ〜〜、でも姉さんが逃げ出したの分かるな〜〜」
百鬼あろえ「……それは、自分も逃げ出したから?」
 (おぼろ)も、逃げだしてきて、今、ここにいるの?とあろえが素朴な疑問を……
(おぼろ)「ちょ、私は逃げ出してなんかいないわよ!!」

#4
(りょう)「ま、逃げ出してない……ってなことにしておこうか……」
(おぼろ)「……(りょう)!ちょっと来い……」
 ゴゴゴゴゴゴッ
 さりげなく呟いた(りょう)……そんな(りょう)に対してKill Youオーラ全開な(おぼろ)……
(おぼろ)「……姉さん、目がヤバイよ……」
(おぼろ)「私の眼のことより、今は貴方の命のことを心配なさい、(りょう)(りょう)「ヒィッ!!?」

 姉弟のささやかなじゃれあいがありまして……それが終わった後、あろえが再び質問を行う。
あろえ「で、結局……どういう意味?」
(おぼろ)(りょう)「オヤジが……エロイ!」
 その質問に対して……(おぼろ)(りょう)の答えは見事にハモった……
一同「……さいですか……」
(りょう)「聞いてくれよ、ウチに数人メイドいるんだが、選考条件がルックスとドジっ娘かどうかなんだぜ……」
一同「……ああ、なるほど……」
 遠い目で、見知らぬ(おぼろ)(りょう)の父親がいるのかな……ってな方向を眺める一行
 ……そんな中、(おぼろ)(おぼろ)で私の苦労が分かった?みたいな顔をしている……と、そんな折……
かんな「はい、分かりました。心配しなくても直にこっちに来ますよ」
一同「はい!?」
 アトランティスでの解析が終わり、(たき)さんはもうすぐこっちにやってきます……と告げる。
 ギイッ
 そして、その次の瞬間、本当にふらりと(たき)がEighter本部へと入って来る
(おぼろ)(りょう)「姉さん!!」
雨水(たき)「あ……」
 バタムッ
 ダダッ
 (りょう)が居ることを確認するや否や、突如ドアを開けて出て行く(たき)
かれん「逃さないわよん!」
 ダダッ
 ゴシャンッ
 ガキャンッ
 バキイッ

一同「……何やってんだ……かれん……」
 しばらくの轟音の後……(たき)が入ってくる
(たき)「ちょ、貴方……こんなことしていいとでも思っているの!?」
かんな「すみません、ウチのバカ姉が……」
かれん「はうあ!かんなが暴言を!!」
與鷹(よたか)「いやいや、かんなじゃなくても言うと思うぞ……」
 ちょっとロープでグルグル巻きにされている(たき)
(たき)「……ああ、もう、逃げないから、分かったからとにかくほどきなさいよ!!」

 早速ほどいてみる
(たき)「……で!?」
かれん「逃げない!?」
(たき)「だから、逃げないって言ったでしょ!?」
かれん「そんな……普通逃げないといいつつ逃げるものなのに……!」
かんな「はいはい、話が進みませんからそこらへんにしましょうね」
 と、そんなことに構わず携帯で連絡を取る(りょう)
(りょう)「おう、オヤジ……」
*「キサマはもう息子なんかじゃねぇ!」
(りょう)(イチイチうるさいなぁ……もう……)
(りょう)「……あ〜〜〜、穀雨(こくう)さん……無事(たき)さんを生け捕り……じゃなかった見つけましたよ」
雨水穀雨(こくう)「おし!すぐ行く!今すぐ行くから首を洗って待っていろ!」
(りょう)「なんでやねん!!」
 ……(りょう)(たき)、どっちが首を洗って待っていればいいんだ?(おい)


続

前の話へ 戻る 次の話へ