Eighter -Extra Voyage-
7ther 〜夙怨(しゅくえん)婀嬌(あきょう)の剣客 A〜



#0
 これは、とある剣客の生まれ変わりという者と……その者が追い求める仇敵に関する事件を綴ったエピブレード
※エピ『ブレ』ードじゃなくエピ『ソ』ードだから!

#1
 天四斗(あまよと)、某所
 ズドオンッ
*「ガッ!?」
*「ぐぬっ!?」
 長剣を手にした男が2人の男と死合い、そして、今しがた、勝負がついたところである。
 チキッ
*「……お前ら……本当は誰の末裔だ!?」
 長剣を突きつけて漢が問う
*「ヒッ……す、すみません……俺、武蔵玄信の子孫じゃなく、武蔵小杉の子孫です……」
*「おおお……俺は……武蔵中原の……子孫で……」
 漢2人は震えながらに告白する
*「チッ……ええい、去れ!!巌流の剣で相手にするまでも無い!!」
*、*「ひ……ひぃい〜〜〜」
そして、2人は去っていく……残された漢はと言うと……
*「ええい、武蔵新城の子孫、武蔵政名の子孫、武蔵小金井の子孫、武蔵境の子孫……武蔵玄信の子孫は一体どこ
にいるんだ!!?」
 この漢……佐々木浩太といい、佐々木小次郎の魂を継ぐもの……すなわち小次郎の生まれ変わりらしい。
 彼の目的は勿論宮本武蔵玄信の子孫と死合い、そして勝つことである……

 天四斗(あまよと)、Eighter本部
某敢(それがし・いさむ)「ふむ、して、用件は……何でござるか?」
 数日後、彼はEighter本部を訪れていた
佐々木浩太「……この世のどこかにいる宮本武蔵の子孫を探し出すことだ……」
(いさむ)「何と!宮本……武蔵の子孫でござるか!?」
浩太「ああ、だが、武蔵政名の子孫じゃあない、正真正銘、宮本武蔵玄信の方の子孫を頼みたい」
 ちゃんと宮本武蔵玄信であることを忘れずに告げる浩太
百鬼あろえ「宮本武蔵って1人じゃなかったんだね……」
雨水(おぼろ)「……先祖の仇討ちってことですか?」
 と、そんな中、あろえがぼそりと呟き、(おぼろ)が確認を行ってみる。
浩太「仇も何も……小次郎は武蔵と死合っていないんだよ……」
(おぼろ)「いや、あの……」
 それじゃ、歴史と食い違ってない!?と(おぼろ)……と、そこに、(いさむ)が助言を行う。
(いさむ)「……フム。確かに、小次郎は武蔵と死合う前に小次郎を敵視していたものどもに殺された……という説もある
ようでござるが……」
浩太「おうよ!それこそ真実である!!……だから、俺は……どうしても、武蔵の子孫と死合いたいんだ!そして
武蔵の子孫に自分の先祖の方が強かったと証明したいのよ!!」
あろえ「いやいや、証明も何も、子孫相手に先祖が強かった〜〜なんて言ってもどうしようもないかと」
 あろえ、素朴な突っ込みを行ってみるのだが、聞いてはくれない依頼人(クライアント)

#2
(おぼろ)「で、報酬は?」
 そんな中、(おぼろ)が颯爽と報酬の話を切り出す。
浩太「……うむ、この小次郎の使った正真正銘の備前長船長光を……と、言うわけにはいかないけど……」
一同「おい!」
 背にした長剣に手をかけたと思いきや、すぐさま手を離す依頼人(クライアント)。そのまま持ってきていた包みに手をかける
浩太「……代わりといっては何だが、この燕華爛舞(えんからんぶ)を……」
 それは……1振りの宝剣……
あろえ「……それは……?」
浩太「うむ。佐々木家に途中から代々伝わるようになった宝剣だ。なんでも、天下を支配する力を秘めているとか
言い、選ばれし者にしか抜くことができないと言う代物だ」
一同「……」
※途中からって……何さ!?
 そして、あろえはあろえで何か似たような名前の宝剣をどこかで聞いたことがあったような……などと思って見
る。
※それって、もしや……賢嘉(けんか)○舞のことですか!?……ってか、よく考えたら、Kがあるかないかの違いじゃない
 か!
あろえ「……あの、その前に1ついいですかね?」
浩太「ん?何だ?」
あろえ「本当に武蔵の子孫ってこの世にいるんですか!?……途中で途絶えたりってことは……?」
 そして、あろえはここで素朴な疑問を口にしてみる。
 確かに、いくら探せと言われても、存在しないものは探しようがない……
浩太「ありえん。なぜなら……小次郎がそう言ったからだ!」
 そんなことを思っていると依頼人(クライアント)は断固としてそれを否定する。
(おぼろ)「小次郎がって……」
 (おぼろ)が若干呆れていると、依頼人(クライアント)はさらに続ける。
浩太「俺は佐々木小次郎の魂を継ぎしもの……故にこの身に佐々木小次郎の魂が宿っている……そして、その魂が
叫びかけるのだ!宮本武蔵の子孫がこの世にいる!!と……」
一同「あ〜〜〜、そう……」
 と、言うわけで、かんな、アトランティスを駆使して武蔵玄信の子孫を検索することに……
白拍子かんな「……確かに、宮本武蔵玄信の子孫はこの時代に存在していますね……」
浩太「おお!やはりか!!」
かんな「場所は……」
 アトランティスのディスプレイに表示された住所は……
浩太「んなっ!?……これはぁ!!?」
 ……ついに、発覚!宮本武蔵玄信の子孫のありか!!……果たして、佐々木浩太は……無事に武蔵を斃して宿願
を果たすことができるのだろうか!?


続

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