Eighter -Extra Voyage-
3rder 〜世にも不憫な遺産 A〜



#0
 それは……とある富豪の知られざる遺産に関するエピランス
※エピ『ランス』じゃなく、エピ『ソード』だから!

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
*「エクスト大前田という人物をご存知ですか?」
 ある日、姉弟の依頼人(クライアント)がEighter本部を訪ねてきた。
梓與鷹(よたか)「……エクスト……大前田……?」
 聞いたことがないなぁ……と首をかしげているとかんなが超運で説明をしてくれる。
白拍子かんな「エクスト大前田……本名、大前田漸伍郎。とても風変わりで奇人として有名な富豪です」
與鷹(よたか)「『貴人の中の奇人』か……聞いたことがあったな……」
 でもって、そっちの通り名なら知っていた與鷹(よたか)……
*「はい、で、依頼の内容は……彼の残した遺産というものがあるのですが……」
與鷹(よたか)「つまり、それを探し出して欲しい……と」
 ちなみに、姉の方は崇子、弟の方は靖男と言う。
梔曹(からたち・つかさ)「そんなもん、自分たちで探し出せないの!?」
與鷹(よたか)「いやいや、探し出せないからこそここへ来ているんだろう?」
(つかさ)「……」
 最もな意見に打ちのめされる(つかさ)
大前田崇子「それで……依頼料は……出来れば、その遺産で支払いたいと思うのですが……」
與鷹(よたか)「え!?」
大前田靖男「俺たちはその遺産がどんなものか聞かされていないし、どこにあるのかも分かっていない……ただ、
価値あるものとしか……知らされていない」
與鷹(よたか)「ふむぅ……」
(つかさ)「リーダー……安易に受けないで下さいよ。この手の遺産ってのは仰々しく価値があるとか言いながら、何の価
値も無いってなことだってあるんですから……」
百鬼あろえ「そうそう、ラジオとかね」
かんな「ルパンじゃないんだから……」
 あろえの意見にボソリと呟くかんな
靖男「そして、もう1つ問題があるんです……」
與鷹(よたか)「問題?」
 まだ何か厄介なことでも?と與鷹(よたか)が首をかしげていると……
靖男「……父は、貴人の中の奇人と呼ばれるほどの奇人でして……父の建てた別荘もまた……壮大なカラクリ屋敷
になっているのです」
あろえ「父って……ひょっとしてあなたたち、彼の子供なの!?」
崇子「……ええ」
靖男「フフッ……奇人の子供の癖に普通だ!……といつも罵られて来ましたよ……お前ら……世の中には遺伝しな
いことだってあるんだぞ!!親鸞(しんらん)の子、善鸞(ぜんらん)親鸞(しんらん)の教えを否定したじゃねぇか!!そういう前例があるんだから
蛙の子は蛙なんて妄想は捨てろぉ!!!」
 がぁ〜〜〜っと興奮して叫ぶ弟さん
與鷹(よたか)「お、落ち着いてください。……あろえ、お前も……迂闊な意見を言うんじゃない!!」
あろえ「……すみません、リーダー……」
 なんとか依頼人(クライアント)を宥める與鷹(よたか)であった……

#2
靖男「ふぅ……ふぅ……」
かんな「……あまり期待しない方がいいですよ……その遺産……」
 そして、ようやく落ち着いたところで、かんなが口を挟む
靖男「はい!?」
崇子「……どういうこと!?……まさか本当にあまり価値がないとでも!?」
 まさか……と、思いつつ、崇子が訪ねてみる。
かんな「……いえ、価値はありますよ……おそらく世界に2つとない代物ですよ。……その遺産は現在知られてい
る公式の記録を抜く……それほどのもの……です」
 かんな、超運によって彼の遺産の概要を説明してみる。
あろえ「じゃ、なぜ期待しない方がいいのよ?」
 確かに、そんな凄い代物なら普通は期待が高まるものだが……かんなはなんだか冷めた様子
かんな「……それは、実際に見ないと信じてくれないと思いますし……」
 百聞は一見に如かず……という言葉もあります……とかんな……
靖男「価値があるのに期待できない……ってよくわからないなぁ……」
與鷹(よたか)「……まぁ、ともかく、行って見れば分かる……ならば、実際に確かめるのがいいだろう……ここであれだこ
れだと詮索しても仕方がない……」
靖男「……確かに……それはそうだな……」
かんな「と、言うわけで……行きますか?」
與鷹(よたか)「おう!」
あろえ「はいはい!私もその期待しない方がいい価値ある遺産、見てみたいです!!」
與鷹(よたか)「おいおい、ハイキングか何かに行くんじゃないんだから……」

 と、言うわけで、一行はエクスト大前田のカラクリ屋敷へと足を運ぶ
 天四斗(あまよと)EBFLFU(エブフレフ)
あろえ「何!?この……『EBFLFU(エブフレフ)』って……」
靖男「あ、それは……『Extraordinary Big Front Lice Field Unstableness』の略で……」
かんな「直訳すると『異常な大きい前の田んぼの火宅』……転じて『エクスト大前田の火宅』」
一同「……」
 建物の名前が既に滅茶苦茶だ……と一同は思う。
※ちなみに、エクストと言うのは『Extraordinary』の略で異常なとかそんな意味合いの単語。『Extraordinary』
 を『エクスト』と略すのはきっとEx-Sに影響でも受けたんじゃないですかね?
一同「……」
靖男「まぁ……父の奇人、変人ぶりは異常だった……と、聞いていますが……」
崇子「ちなみに、伝説となった1番の奇人エピソードは……聞かないで下さいね……」
あろえ「そういわれるとすっごく気になるんですけど……」
※ってか伝説になっているのなら、皆が知っているのではないのか!?
與鷹(よたか)「……と、ともかく、入るぞ?」
 ……一行はEBFLFU(エブフレフ)へと足を踏み入れる……果たして彼の遺産とは!?


続

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