Eighter -Extra Voyage-
2nder 〜斬らねばならぬ炎 A〜



#0
 これは、後にユーズレスラボ化学大火災と呼ばれる事件について綴ったエメラルド
※エ『メラル』ドじゃなくエ『ピソー』ドだから!……緑柱石かよ!(いや普通エメラルドを緑柱石とは言わない
 し!)『エ』と『ド』しかあってないし!

#1
 天四斗(あまよと)、ユーズレスラボ
 ここ、日々、全く役に立たないものを世間に公表する研究所でそれは起こった……
研究員「完成しました!無駄野所長!!枠剤です」
 完成した代物を手に研究員は叫ぶ
無駄野堪羽(たまりば)「おお……ついに完成したか……」
研究員「はいぃい!!」
堪羽(たまりば)「この枠剤……思いつきから開発まで3年……ついに完成したんだな……」
研究員「はいぃい……」
堪羽(たまりば)「よし、早速厳重に保管しておけよ」
研究員「任せてください」
 つるっ
研究員「あら〜〜ん!?」
堪羽(たまりば)「ま……待てぇい!」
 ガッシャァ〜〜
 枠剤を持っていた研究員は派手に転倒し、溶液が床にぶちまけられる
研究員「しまった!枠剤が……」
堪羽(たまりば)「いかん!そっちには炎が!」
 そして、運が悪いことに、その近くに火が……
 ボッ
 ゴアアアアアアアアッ
 すぐさま枠剤に引火するし、破竹の勢いで研究所が燃えだす
 ジリリリリリリリッ
堪羽(たまりば)「いかん!いかんぞ!!!」
 シャアアアア〜〜〜〜
 そして、スプリンクラーが反応し、直ちに放水が始まるのだが
 ゴオオオウッバチバチバチッ
 まるでスプリンクラーから放出されているのがガソリンであるかの如く、炎は勢いを増していく
研究員「博士、避難準備を!!」
堪羽(たまりば)「バカモノ!枠剤をこおままにしておけるか!!」
研究員「しかし、博士……」
 バキバキッ
 ズウウウンッ
 激しい火災で、研究所が崩壊していく
研究員「ここは危険です!博士……どうにか、一旦退避してください」
堪羽(たまりば)「くっ……」
 ダダッ
 その後、近隣の人から通報を受け、消防が出動するのだが……
堪羽(たまりば)「だめだ!そんなことをしては火に油を注ぐことになる!!」
 ゴオオオオオッ
消防隊員「な……なああ!!?」
 ボッ
 ゴバアアアアアンッ
 消火作業が行われたのだが……消火剤に引火、そのまま消火剤を辿り、ホースへ引火、最終的には消防車にまで
引火する
消防隊員「誰だ!?消火剤をガソリンにすり替えたバカものは!?」
一同「ンな奴いねぇよ!!!」

#2
 3日後……
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
*「3日前にユーズレスラボにて起きた化学火災ですが、未だ火は消えず……むしろ更に威力を増しており付近の
住民は暑さの余り引越しを行うなどの被害が出ているようです」
 ユーズレスラボ大火災はたちまちTVのニュースにも取り上げられ……鎮火できない謎の火災として世間を震えあ
がらせた……
梓與鷹(よたか)「……で?」
*「……はい、私、そのユーズレスラボに勤めておりました……六見瓦斯機(むいみ・がすき)と言うものでして……」
 Eighter本部にやってきた白衣を着た依頼人(クライアント)がそう答える
六見瓦斯機(むいみ・がすき)「ご存知の通り……ユーズレスラボの化学火災を消し止めてもらいたいのです」
 消しとめたいもなにも、そういうものは消防の仕事じゃないのか?と一同が思っていると……
瓦斯機(がすき)「これは……消防には無理な話……と、言うのも、火災の原因となったのは我々が開発した枠剤と言うもの
でして……」
百鬼あろえ「わく……ざい!?」
 見慣れない単語に疑問を抱くあろえ
瓦斯機(がすき)「はい。枠剤とは(Frame)……そして(Flame)と掛け合わせてつけた名前でして……」
白拍子かんな「1度火がつくとこの世のありとあらゆるものを燃料代わりに燃え続ける代物……」
 かんなが超運をもってして続きを答える
瓦斯機(がすき)「……はい」
一同「んなぁにいぃ!!!?」
瓦斯機(がすき)「だから、消防署の最新鋭の消火剤ですら、あれにとってはただの燃料……」
あろえ「ってか何でそんな役立たずな代物を作ったんですか!?」
 突っ込んでみるあろえ
瓦斯機(がすき)「何を言います!無意味、無駄、無能なものこそ我々の憧れ!それが理解できないとは……」
一同「理解できるかッ!!」
瓦斯機(がすき)「びばっ!無意味行動!我々は日々無駄に力をつぎ込んでいる!!君も、どうだい!?無駄なことに心血を
注いでみないか?」
 と、力説する瓦斯機(がすき)
一同「だから、こんな場所で勧誘を始めないで下さい!」
雨水(おぼろ)「と、言うか研究所が焼け落ちた……ってか今もなお燃えているんだから、新人募集を行ってもどこで研究
をするのよ!?」
瓦斯機(がすき)「うっく……」
 (おぼろ)の冷静な突っ込みに言葉が詰まる瓦斯機(がすき)

 まぁ、そんなことはさておいて……
瓦斯機(がすき)「……それで……どうにか、出来ませんか?!……このまま枠剤を放って置けば……いずれ、あれは第4の
太陽と化すでしょう!!」
與鷹(よたか)「何故に4番目!?」
瓦斯機(がすき)「フッ、1番目は太陽、2番目は核、3番目は第3の太陽、とくれば次は4番目でしょう?」
 何か問題でも?と瓦斯機(がすき)……いや、それはいいとして、そもそも『第3の太陽』ってなんだ!?と一同
あろえ「あ、聞いたことある……確か旧ルに出て来た……核との比喩であろう兵器の名称がそんなんだった気がす
る……」
一同「……」
瓦斯機(がすき)「とにかく、お願いします」
 ガバっと土下座する瓦斯機(がすき)……
 この依頼……Eighterが受けるの!?それとも……放っておくの!?
※いや、流石に放っておくのはどうかと……

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