Eighter -Extra Voyage-
1ster 〜世にも奇妙なゾク A〜



#0
 これは……まだ九星団が暗躍していたころの物語……
 とあるおかしな暴走族の最後を綴った緑簾石(エピドート)
※エピ『ド』ー『ト』じゃなく、エピ『ソ』ー『ド』だから!

#1
 天四斗(あまよと)、某所
 パラリラパラリラパラリラパラリラ〜〜
 天四斗(あまよと)の夜街を疾走するスケ番集団……人々は彼女らを畏敬と憧れ(?)の念を持って葦洗魚(あしあらい)隊と呼んだ。
 ドルンドルンドルンッ
*「葦洗魚(あしあらい)隊総長……万稔有華とはあたいの事だよ!」
 1人桜塚○っくんみたいな口調で喋りだす総長。
万稔有華「今日みんなに集まってもらったのは他でも無い……先日、参謀の里腹蜜香に聞いたらあいつ、隊員条件
を満たしていなかったんだよ……ガッカリだよ……」
※お前、本当にスケバン恐子か!?
隊員「隊員条件……そんなのありましたっけ!?」
 と、入って日が浅いと思しき女性が呟く
有華「洗魚(処女)であることだよ!!」
隊員「えええ!!あんな大人しかった蜜香が!?」
隊員「清楚なふりをして実は淫乱だったなんて……」
 ザワザワと騒ぎ出す一員
※……ってかどんな集団なんだ?この暴走族!?
有華「と、言うわけで今回は、この中で何人、本当に隊員条件を満たしているか……満たしていないヤツがいない
のか……抜き打ちチェックを行う!!」
一同「って、どうやって調べるんですか!?」
※全くだ……
有華「うるさいね!あたいは何を隠そう催眠術の達人よ!!はい……長者(ながもの)三代、ちょっと前に出なさい」
 指で手招きをする有華
長者(ながもの)三代「は……はい」
 と、言うわけで恐る恐る前に出る三代
有華「さぁ、行くわよ……この五円玉を良く見て……」
 と、よくある古典的な催眠術を行う有華
 ゆらゆらゆら……
有華「さぁ……答えなさい……あなたは……」
三代「はぁ……はぁ……はぁ……」
 催眠術にかかった三代はなんだか様子がおかしい……
隊員「あの……明らかに様子がおかしいんですが……」
有華「ん!?」
 ガバッ
隊員「ちょ、何!?」
 そして、いきなり襲い掛かる三代
有華「し……しまった!これ、催眠術じゃなく催淫術だった!!」
一同「どんな間違いだぁあああ!!!」
三代「総長ぉ〜〜、私の初めて、もらってください(はぁと)」
有華「だが、断るっ!!」
 ばしっ
 襲ってくる三代の顔面に手を突き出して貞操を死守する有華

 と、まぁ……ちょっとした騒動があったのだが……それはこれから始まる騒動に比べればなんでもないに等しい
ことで……
 ザッ
 そこに、闇夜に紛れてある人物が……

#2
三代「ちょっと、何よ、アンタ……」
 突如、その場に現れた不相応な人物に三代が睨みを利かせる……と、同時に隊員も全員、そいつの方を向く
冥時(みょうじ)萌「……」
 その場にいたのは冥時(みょうじ)萌……
萌(何だ?この連中は……こんな奴らが九星団の障害になるのか!?)
 ……数刻前、九星団盟主の依頼を受け、彼女はここへやってきた……
萌「……まぁ……いい……」
 ズラッ
 親指、薬指、小指で1本、人差し指、中指と薬指、小指の背で1本を持つ無理のある方法な片手二刀抜刀……
萌「遊んでやろう……」
隊員「総長ぉ〜〜〜、こいつ……どうします!?」
有華「……葦洗魚(あしあらい)隊に喧嘩を売るなんて良い度胸じゃないのさ……やっちゃいな!」
隊員「いえっさ〜〜〜」
 ドルンドルンッ
 ギュオオオオッ
 と、隊員の数名がバイクに跨り、そのまま萌を目がけて突進する
萌「はああ!!斬空破(ざんくうは)ッ!」
 ドズガアアアッ
 ギュインッザカッ
一同「なっ!?」
 人間VSバイク……通常はバイクの突進力に為す術など無いかと思われたが……萌の刃風による一閃はバイクもろ
とも隊員を切り刻む
 ドゴアアアアンッ
 引火し、爆破、炎上するバイク
三代「す、少しはやるようねぇ……」
 啖呵を切ってみるものの、内心おどおどしている三代
有華「ちょっと……アンタ何者よ!あたい達に何の恨みがあるってのよ?」
萌「……これから死に行くヤツらに言うことは無い……だが、お前らが俺達にとって邪魔なだけだ……」
 刀を構え直し、萌が叫ぶ
 ズズズズッと辺りに静寂かつ、邪悪な殺気が浸食する
一同「ひっ!?」
 そのあまりの邪悪さに、後退る一般隊員
有華「……貴方達……逃げなさい……」
隊員「そ、総長……」
三代「あんたたちじゃ、荷が重いって言ってるのよ!」
隊員「……わ……分かり……ましたっ!!」
 ダダダッ
 そして、一般隊員は蜘蛛の子を散らすかの如く逃げ去っていく
 ヴオムッ
萌「……どこへ逃げるってんだ!?……地獄へか?」
一同「!!!?」
 逃げ出した進行方向に突如現れる萌。さながらテレポートである
※まぁ、実際に瞬間移動というかそんな感じなんですがね……
三代「そんなっ!?」
萌「散れッ!!斬空破(ざんくうは)ッ!!」
 ズガシャアアアッ
 ザバシュアアアアッ
一同「あぎゃあああ!!!?」
 かくて、三代と有華を残し、その場に居合わせた葦洗魚(あしあらい)隊メンバーは殺される
三代「アンタ……」
有華「よくもやってくれたじゃないの……」
萌「フン……」
 ヴオンッ
萌「貴様も死ね!」
三代「いっ!?」
有華「三代!?」
 そして、再び瞬時に間合いを詰め、片手の2本の兇刃が三代に迫る……
 グオッ
 ……葦洗魚(あしあらい)隊まさかの登場と同時に退場!?


続

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