Eighter -Chaos Desorder-
51ster 〜殺人容疑が與鷹よたかに A〜



#0
これは……ある漢のある漢に対する復讐劇の話……その漢は、魔道に堕ち……そして、今もなお天に輝く
ある漢を貶めんと虎視眈々と復讐の牙を研いでいた……

#1
天四斗あまよと神蓋しんがい流八極拳道場
ズドムッ
……そこに突如マントを頭から被った漢が道場破りにやってきた
*「うおうるああああ!!!」
ズドガシャアアアッ
*「ごへはああ!?」
投げ飛ばされる男たち……みな、壁に、床に、天井に盛大にぶつかり、そのまま沈黙する
*「弱い!弱い!弱いわぁ!!テメェらじゃ話にならないんだよ!!」
ビシイッと指を立てて、挑発する漢……
*「ぐ……ごご……」
ガクリッ
ドタタッ
門下生が頽れ……そして、一連の騒ぎを聞きつけてやってきた道場の師範は、惨状に絶句する
*「貴様が、この道場の師範……蝦原えびわら源三郎か……」
蝦原えびわら源三郎「お主……何ゆえに道場破りなぞ行う!?」
*「ケッ!無差別殺人なんかになぁ!理由なんていらねえだろうが!!」
源三郎「な……何だと!?……」
*「し……師範……門下生が……門下生が……全て……」
辛うじて生き残った門下生が……最後の力を振り絞って惨状を伝え……事切れる……
そう、この道場の門下生は……全てあの1人の漢に皆殺しにされたのだ……
源三郎「キ……貴様ぁ!!名前は何と言う!?」
*「ヘッ……俺様の名前はなぁ!!梓……梓與鷹よたか!!!双狼拳そうろうけんの梓與鷹よたかよ!!」
源三郎「……来い!!梓とやら……貴様に神蓋しんがい流八極拳の真髄……見せてやる」
梓與鷹よたか「ヘッ!来い!!ヘッポコ!!」
ギュオアアッ
一気に間合いを詰める源三郎
源三郎「神蓋しんがい流八極拳、奥義!惨滅さんめつ」
ドアアアアアッ
右手を上から下に振り下ろし相手を両断する剛の拳
與鷹よたか「ぬるいわぁッ!」
ガシイッ
源三郎「な……何いぃ!?」
必殺の一撃は……いとも簡単に……しかも、片手で受け止められる
源三郎(バ……馬鹿な……触れるものを全て叩き割る我が剛拳を受けただと!?)
がくがく……
得体の知れない拳を前に、師範は膝が震えだす……
與鷹よたか「教えてやるぜ!!……『究極』を名乗らぬ八極拳如きに、この俺はたおせん!!……おおおあっ!
 五狼十字ごろうじゅうじッ!」
ドドドドドドッ
頭、心臓、腹、両腕と5つの部分に強力拳撃
源三郎「お……ごえあああああ!?」
ドシャアア……
致死の5連撃を喰らった源三郎は即、絶命するのであった……
・
・・
・・・
與鷹よたか「ハッハッハ……ハァ〜〜〜〜ッハッハッハッハ!!!!俺の名は梓與鷹よたか……貴様ら……この俺の名を
 よぉ〜〜く覚えておきやがれ!!フハァ〜〜〜ッハッハッハッハッハ!!」
……そして、與鷹よたかは道場を後にするのであった……

#2
翌日……
天四斗あまよと、Eighter本部
バムッ!
中川邦武ほうむ「警察だ!……梓與鷹よたか!梓與鷹よたかはいるか!?」
やっぱりと言うべきか、通報を受けた警察はEighter本部を急襲、與鷹よたかに問い詰める
與鷹よたか「は……はぁ!?」
邦武ほうむ神蓋しんがい流八極拳道場の師範、蝦原えびわら源三郎殺人の疑いで逮捕する!」
與鷹よたか「ちょ、ちょっと待て……なんだよ!?それ!?」
邦武ほうむ「死者35名を出し、逃げた罪は重いぞ!」
百鬼あろえ「リーダー……まさかそんなことをするなんて思っても見ませんでした」
與鷹よたか「コラコラコラ!俺はやってないっての!」
邦武ほうむ「フンッ!だがな、唯一生き残った漢は殺しを行った犯人が確かに双狼拳そうろうけんの梓與鷹よたかだと名乗ったと言っている
 んだ……言い逃れは出来んぞ!!」
あろえ「これは決定的な証拠ですねぇ……」
與鷹よたか「ちょ、なんでやねん!!」
邦武ほうむ「いいから、署まで来てもらおうか!!」
與鷹よたか「……分かったよ……もう、好きにしやがれってんだ……」
と、言うわけで署に連れて行かれる與鷹よたか
あろえ「……ってか本当に連れてかれちゃったよ……冗談だったのに……」
一同「うぉい!!」
※あろえ……お前な……
・
・・
・・・
<富山、富山県警
與鷹よたか「大体、犯行時刻、俺は依頼人クライアントと逢っていてだな……依頼人クライアントに言えば分かるはずだ……」
邦武ほうむ「……ええい!!」
與鷹よたか「それになぁ……頭からマント被ってて素顔見た人が居ないってんなら、誰だってそう名乗れるだろ
 ……」
と、そこに……
警官「中川警部!」
邦武ほうむ「おう、どうだった!?」
警官「羅門天地氏の道場へ行ったのですが……やはり、梓氏の名を語って殺人を行う人などいないとのこと
 です」
警官「……むぅう……」
與鷹よたか「大体そんなことして何に……はっ!?」
言葉が詰まる與鷹よたか
邦武ほうむ「ああ?……どうした!?」
與鷹よたか「……そうか……1人だけそんなことをするようなヤツがいるなぁ……」
邦武ほうむ「何!?」
與鷹よたか「あの漢……拳では敵わないからって……俺の名を語って殺人を行う事にしたってのか!?」
警官「……その漢の名前とは……?」
與鷹よたか「天宮……天宮ゆたかだ……」
邦武ほうむ「天宮……?」
與鷹よたか「ああ……かつて双狼拳そうろうけんをならっていたが破門された漢だ……」
一同「……」
天宮ゆたかの復讐……それは與鷹よたかの名を語って殺人をすることなのか……


続

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