Eighter -Chaos Desorder-
28ther 〜マヤ文明英霊奇譚 D〜



#7
白拍子かんな「天四斗あまよとの近くの盗掘団、『黒の1092』のアジトに向かっているみたいです」
検索の結果、水晶の剣と同じように、以外にも天四斗あまよとに黒耀の剣はあった……これもまた、白拍子の超運の庇護
によるものか……
梓與鷹よたか「そうと決まれば……」
白拍子ときお「行くぞ!!」
早速一行は黒の1092のアジトへと足を運ぶ。
一方、その頃……
天四斗あまよと、黒の1092アジト
*「ヒッ……たん、頼む……命だけは……」
蛇牙重次郎「……」
ズブシャアアッ
命乞いも無視し、無常に盗掘者達を惨殺する重次郎……
重次郎「……黒耀の剣……」
カツカツカツカツ……
・
・・
・・・
與鷹よたか「うおっ!?なんだ……こりゃ!?」
一行がアジトに到着すると、そこは一面血の海であった……
ときお「……おそらく……盗掘者達の……」
盗掘者とはいえ、被害にあったのだろう……とときお……
かんな「……奥に……います……」
一同「!!」
ずおおおおおおおっ
屍の山の上に立つ重次郎……右に血まみれの水晶の剣、左に黒耀の剣を持っている
ときお「……くっ、既に黒耀の剣も……手に入れたか!?」
重次郎「我は……新生マヤの王!」
重次郎は重々しく叫び、そのまま2つの剣を天に掲げる。
ズドオンッ
與鷹よたか「ごおっ!?何!?」
次の瞬間、アジトの天上は吹き飛ぶ、空を見ることが可能に……
ボウッ
ときお「むっ……あれは……」
そして、ひっそりと月が出る……
與鷹よたか「月……だと!?」
……今は、昼間なのだが……空に輝いているのは昼の月ではなく、夜の月……いや、そもそも、空は夜
のように暗かった……
與鷹よたか(マヤの英霊に取りつかれ……そして、引き起こされた現象……と、言うわけか……)
重次郎「今こそ、時は満ちたり……」
ときお(……くそっ……ヤツは新たなるマヤの支配者として世界に君臨する気か……)
ときお「させんぞ!」
バッ
がしっ
何としてでも阻止しようと懐から何かを取り出そうとするときお……だが……何者かに止められる

#8
ときお「か、かんな!?」
ときおを制止したのはかんな……
かんな「……ここは、私が行きます」
ときお「しかし……」
実の娘を危険に晒すなど出来ない……と親のときおは叫ぶ
スラッ
そんなことを気にせず、かんなは炎の記憶を抜刀する
與鷹よたか「か、かんな……いける……のか!?」
かんな「大丈夫です。私を信じてください……」
與鷹よたか、ときお「……」
かんなが自分で何とかするというのなら、それは超運でなんとかなるという意味である……と、言うわけで2人
の漢はかんなを見守ることに……
ジャリッ
重次郎「……我の覇道を邪魔立てするか……?……人間の小娘が……」
かんな「……結果的にはそうなりますね……新生・マヤの王……」
重次郎「ならば……」
キュゴアッ
月からさながらマクロウェーブでも受信するかのように2つの刀に光が届き……
重次郎「死ね!」
ゴガッ
與鷹よたか、ときお「か、かんなぁ!?」
青白き光の剣閃がかんなに向かう……絶体絶命のその時……いつぞやの靄が再びかんなの傍に……
*(愚かな人の王……我に……月で勝負を挑むなどと……)
シュオオオオオッ
重次郎「な……にぃ!?」
相手を殺し、その魂を奪い去る一撃が……炎の記憶に取り込まれる。ありえない出来事に、重次郎は叫ぶ
重次郎「お前は……何だ!!?……」
かんな「……」
ズズズズズッ
重次郎「はっ!!?」
そして、そのとき、重次郎だけは見た……かんなの額に輝く紋章を……
與鷹よたかとときおはかんなの背中しか見てないので見えてないのです。……ちなみに、何の紋章かって?
 それはまだ秘密です。
重次郎「馬鹿なッ!?」
額に輝く紋章と……かんなから発せられている神の狼狽うろたえる重次郎
かんな「てぇい!」
ダッ
ガキィンッ
重次郎「あ……うぐ!!?」
ドドスッ
そんな隙を逃すかんなではない……一足飛びに走り、水晶の剣と黒耀の剣を弾き飛ばすかんな。
ときお「やった!!」
重次郎「……あれ……おれ……何……」
ドサリッ
そして、正気に戻った重次郎はその場で倒れこむ。
與鷹よたか「……全ては水晶の剣が引き起こしたことってことか……」
全てが終わった後、かんなの額に輝く紋章もまた消えていた……よって、與鷹よたかとときおはかんなのに異変が
起こっていたことすら気が付いていない……
また、重次郎本人は盗掘者の一団を惨殺したことを覚えていない……と言う。
ぎょるるんっ
ときお「な……何だ!?」
そして、マヤの英霊の力によって夜にされていた空は……また、昼に戻る……
パチリッ……
そして、かんなは炎の記憶を納刀し、水晶の剣と黒耀の剣の方へ歩む
ときお「お、おい。かんな!?」
ずっずっ
2本を抜き取り……
かんな「はい、これで無事に盗掘されたものも戻ってきて一石二鳥ですね」
與鷹よたか「……」
ときお「そうだな……」
かんなの超運はマヤの英霊すら凌駕する……
こうして、マヤの王、復活未遂事件は幕を閉じることとなった……
ちなみに、ときおだが、暫くは天四斗あまよとに滞在し、マヤの遺跡に関するレポートを書くようである。
暫くはいつでも父親に逢えるのでらっき〜なかんなであった。


END

前の話へ 戻る 次の話へ