Eighter -Chaos Desorder-
22nder 〜闇に咆える綺羅星 B〜



#3
歴史の墓場、第七天廟だいななてんびょう・入り口
水野きゆみ「待っていたわ……」
あつしの前には水野きゆみ……
枳篤からたち・あつし「……欠けていたものは見つかったかい!?」
とりあえず、前回の敗因は見つかったか?と聞いてみるあつし……すると……
きゆみ「ええ……それは信念!!!信念無きものがどう足掻いても信念あるものには勝てない……だから、
 今度は私が勝つ!この……双剣・黎刃くろのはで!!」
シャッ
真っ黒な刀身の双剣を抜刀するきゆみ
あつし「……そうか……」
スラッ
こっちもE天刃びょうてんじん、炎天刃を抜刀する
きゆみ「はっ!双龍交差そうりゅうこうさ!」
ドドッ
十文字斬りを放つ
枳あつし「ハン……神風十文字かみかぜじゅうもんじ」
ガガキンッ
剣閃による十文字斬りによって応戦……2つの技はぶつかり合い、相殺される。
きゆみ「ふんっ!」
バババッ
距離を取るきゆみ、そして……
きゆみ真空冷襲吼しんくうれいしゅうこう」
ババババババババッ
大量の冷気の真空波を放つ
あつし「当たらん」
ドドッ
避けるどころかきゆみに向かって突っ込むあつし……
きゆみ「なっ!?」
あつし「甘いぜ!!」
そして、飛び掛るあつし
きゆみ「……甘いのはそっちだ!……アレは幻影……本物は……後ろに!」
バッ
きゆみ「……いない!?」
チャキッ
あつし「どこを見ているんだ?」
きゆみ「え!?」
背後にはなにもなく……後ろを見せた隙に刀が突きつけられる
きゆみ「くっ……」
あつし「信念か……」
ぼそりと呟くあつし
きゆみ「感傷に浸っている場合かッ!死ねッ!!斷壊咆狼烈だんかいほうろうれつッ!」
ドギャウッ
2つの刀を鋏のように合わせそのまま外側に薙ぎ払い剣閃を飛ばす
あつし「……神風蛟貔斬かみかぜきょうひざん」
ズドムッ
それに対してあつしは刀を地面に叩きつけた勢いで衝撃波を放つ

#4
きゆみ「ぐ……ぐうう……?!」
ズザザザザッ
技の威力は互角かと思われたが……競り負け、弾き飛ばされたのはきゆみであった……
きゆみ(な……何故なの!?何故私の技は弾かれる!?何故……あいつの技は私に当たる!?)
あつし「しかし、欠けているものがなんだか分からないのに強くなれたってのは尊敬に値するな……それほどお前
 の信念が強いと言うことか……いや、もはや信念じゃなく……執念か……」
あつしあつしで冷静に分析を行う……が、それを見たきゆみはキれる
きゆみ「お喋り、思想にふける暇を与えたつもりは無いッ!」
バッ
あつし「……無駄だ……」
ギャリ〜〜ン
きゆみ「はっ!?」
キュラキュラキュラキュラキュラ……
一足飛びにかかるきゆみだが……双剣を弾き飛ばされてしまう
ドドムッ
でもって、遠くに突き刺さる黎刃くろのは
あつし「……力の差はこれだけ……大人と子供の差だな……」
余裕と言うよりは……相手に失望した様子……
きゆみ「……くうううう……」
ババッ
一気に黎刃くろのはのもとまで退き、黎刃くろのはを手にする
きゆみ「なぜだ……なぜ……こうなる!?……信念も……修行のレベルなど知ったことではないが……
 訓練は欠かさず……でも……どうしてこうなる!?」
双剣を構え……しかし、勝てないことに焦りを覚えたきゆみはうろたえる
あつし「……だったら、教えてやるよ……」
きゆみ「は!?」
誰もその答えを教えてはくれないものと思っていたら……あつしが唐突に答えを教えてやると言い放つ……
あつし「お前の剣には心が無い……剣の心が無い以上、どう足掻いても俺には勝てん」
きゆみ「……ふざけないでちょうだい!!心!?何よ!剣の心って……真心を込めて殺し合いをしなさいって
 こと!?……冗談じゃないわ!誰がそんなことをするってのよ!!」
だが、それはきゆみの怒りの炎に油を注いだ結果となってしまったようだ……
あつし(そういう意味ではないのだが……)
チャキッ
やれやれ……仕方がないな……と双剣を構えなおすきゆみ
あつし「……まだやるのか!?」
もはや、勝敗は目に見えているぞ……それでも、死合を続けるか?とあつしなりの優しさ……
きゆみ「当然よ!!私は……あなたを斃す!!あなたを……あなたの誘薙いざなぎ双剣流を斃せるのは私の誘濤いざなみ双剣流
 だけ!!覚悟しなさい!!あなたの流派……絶やしてみせるわ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴッ
執念の殺気……立ち向かう勇気だけは立派である……
あつし「お前ごときの幼稚な剣でそれができると思うな!」
ズオオオオオオッ
あつしの殺気も高まり……
きゆみ「はっ!青龍妖風陣せいりゅうようふうじん!!」
ズオオオオオオギョアアアアアアッ
双剣を振るうと同時に剣閃で龍を具現化、その息吹であつしを吹き飛ばそうとする
あつし龍嵐神明陣りゅうらんしんめいじん!」
ドギャアアアアッ
剣圧で具現化した龍がきゆみに撒きつき、押しつぶそうとする
きゆみ「な……ああああ!!?」
きゆみが作り出した龍は一蹴され、そのままきゆみに龍が迫り……
ゴシャアアッ
バキバキバキッ
きゆみ「ぐ……くう……」
刀、折られ、地面に叩きつけられるきゆみ。もはや……立ち上がる気力は彼女には無い……
あつし「……これに懲りたら……もう1度最初から剣の心について学ぶんだな……」
きゆみ「……剣の……心……!?」
ガクリッ
それは……一体……何!?
……剣の心を知るまでも無く……きゆみはここに完全に敗北する……
※ちなみに、死んでいないので、まだこの先、知る余地はありますが……どうなるんですかね?

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