Eighter -Chaos Desorder-
16ther 〜異世界漂流浪漫譚 D〜



#7
白拍子かんな「……」
*「ふん、ふんふんふん♪」
かんな「……ん……ん!?」
*「あら、気がついた!?」
かんなが目を覚ますと……そこは異世界の……ある屋敷のベッドの上
メイド服に身をくるんだ女性が、かんなが目覚めたことに気が付き、ベッドへと歩み寄る。
*「ようこそ、八大帝国が一つ、風の帝国、ヴェントへ……私は……この屋敷のメイド兼主人の……
 マホロ・M・アークティックよ」
主人雇い主メイド雇われ人は兼用できる職業ではないだろ!
かんな「……ええっと……」
マホロ・M・アークティック「自由気ままな疾風ルイーナ・ウェントスがあなたを見つけた時はびっくりしちゃったわよ〜〜〜。まさか
 新領主様がヴェントにやって来るだなんて……もう、何年ぶりかしらねぇ……ええっと……確か……
 最後に先代領主様に出合ったのは……」
かんな「……」
そして、そのまま首をかしげて考え込むマホロ。
暫く時間が過ぎ……
マホロ「……ごめんなさい、私じゃなく、私の先祖だったわ……道理で覚えてないわけねぇ……」
かんな「は……はぁ……」
※ちなみに先代領主様が生きていた時代は今から1000年も前です。
かんな、超運で理解。ここは八大帝国、風の帝国、ヴェント……そして、自由気ままな疾風ルイーナ・ウェントスとはヴェントの
治安を維持する騎士団
マホロ「まぁ、ゆっくりしていってね……あと3日もすれば紅茶葉が熟成して出来上がるから……」
※紅茶を葉から作っているのか!?
かんな「……あ、お構いなく……私はこれから領主の城に行って正式に領主にならないといけませんので」
マホロ「あら……そうなの!?……あと1週間したら麦が穂を実らせて……クッキーを作ることができる
 のに……残念ね……」
※そして、今のヴェントの季節はいつなんだ!?と些細な突っ込みが……
かんな「すみません、クッキーと紅茶はまたいつか……」
マホロ「はい、いつでも来てくださいね〜〜〜」
そして、かんなは屋敷を後にする……
・
・・
・・・
ここ、ヴェントは……風の帝国……誰しも、自由気ままに過ごす……マイペース過ぎることが玉にきずの
場所……

#8
ザッ
そして、かんなはヴェントの城へとやってくる
兵士「Zzzz……」
かんな「……あの……すみません!?」
兵士「はっ!?」
門番が居眠りしている……のでちょっと起こしてみる
兵士「……こ、これはこれは……その指のルミナスリングは……ヴェントの新領主様ですね……先代様
 から直接話は聞き及んでおります。ささ、地下へどうぞ」
かんなの指の契約の指輪を見ると兵士は全てを理解し、かんなを丁寧に……しかしマイペースに城の地下へと
案内する。
※先代は1000年前の人物なので直接話を聞けるわけがないのだが、とりあえずスルーしてください。
 ここはそういう人物ばかりが集まる国ですから。(どんな国だよ!!)
兵士「ささ、どうぞ……この地下に……先代領主様、フェーン・L・ニーニョ様も酒場の崖から貴方を
 見守っておいでですよ……」
※誤:酒場の崖
 正:草場の陰
 ……ニュアンスはあっているんだけどね……全然違うよ……
かんな「……」
と、言うわけで、かんなが地下を進むと……
フェーン・L・ニーニョ(ヴェントを継ぎし者よ……)
かんな「……ここですね……」
その地下には……8つの祭壇と8つのイヤリング……
フェーン(お前が真にヴェントを継ぎし者なら……)
かんな「……この中から本物の領主の証、風耳環を探し当てろ……」
かんなが相手だと超運で先が読まれてしまうので若干面白くないなぁ……などと考える先代領主、フェーン
かんな「……ええっと……これですかね!?」
そして、かんなは迷わず超運で本物の風耳環のある祭壇へと足を運び、一発で本物を手にする
フェーン(……流石である……汝……新たなるヴェントの後継者である)
ビュゴオオアッ
かんな「くっ!?」
そして、突然の突風……
ピタリッ
それが止んだ時……7つの偽物の風耳環は全て最初からそこに無かったかの如く、消え失せていた……
かんな「……とりあえず、これで、みんなとも連絡が取れるはずだけど……」
若干光り輝くルミナスリングを前にかんなは呟く……
かんな「私だけ知っていても、仕方がないか……」
だが、連絡を取る方法をかんなしか知らない現状ではそれは連絡を取る手段がないのと同然であり……
とりあえず、かんなは城の外へ……
兵士「おお〜〜!流石は新領主様……先代様の仕掛けを軽々突破なされるとは……」
兵士「流石……先代様が見込んだだけのことはありますな……」
マホロ「あら、新領主様……ヴェント後継おめでとうございます」
と、そこへ先ほどのメイド兼主人、マホロもやってくる。
かんな「すみません、何分急いでいるもので……今度、機会があったらゆっくりと訪問したいと思いますが
 ……今は……」
兵士「何、構いはしないさ……ここは、自由の国、ヴェント……留まるも、立ち去るも自由……」
そして、かんなはみんなが待つであろう場所へと走る……のだが……その前に、みんなはちゃんとその場所
にいるのだろうか!?……まぁ、かんなの超運で何とかしそうだけど……


続

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