Eighter -Blindness Wizard-
51ster 〜役務の果ての過労 A〜
#0
SA(、それは高速道路の憩いの場(いや、その認識合ってる!?)
なお、駐車するだけの設備しかない場合はPA(と呼ばれる。(その認識もあってるの?)
そして、これはとあるSA(で起こった世間を騒がせた事件。
その裏で蠢くものは……
#1
栃木県、佐野市
そこにある高速道路、東北道の佐野SA(にて事件は起こった。
突如SA(の従業員がバッタバッタと倒れたのである。
検査の結果、従業員はそのほとんどが過労と診断された。
栃木県某所、ギャクテン・フーズ本社。
ここは問題となった佐野SA(に従業員を派遣していた株式会社である。
今、そんな渦中の会社に一人の男が舞い降りた。無藤正樹(、ギャクテン・フーズの総務部長である
無藤正樹(「社長!佐野SA(のことですが……」
社長室に殴り込み、社長の岸戒政(に啖呵を切る怖いもの知らずの総務部長
岸戒政(「貴様、無礼だぞ」
正樹(「それはご容赦ください。ですが、佐野SA(の業務体系はあまりにブラックすぎます。まずはこれを改善しない
ことにはどうにも」
戒政(「馬鹿も休み休み言いたまえ!何が『かろう』だ……そんなものは時代劇で十分だ!」
正樹(「巫山戯(ないでくださいよ、社長!」
戒政(「ハン、巫山戯(ているのはどっちだ!佐野SA(に従事している従業員の労働時間を見たぞ!」
バシっと労働時間に関する資料を叩きつける社長
戒政(「これを見ろ!誰もが残業時間マイナスだ!」
正樹(「そ、それは……」
戒政(「こんな軟弱な社員など、我が社には不要!解雇しておけ!」
正樹(「そんな横暴な……それではあまりに無茶苦茶です」
戒政(「ほぉう、社長たるこの私に盾突くとはいい度胸だな……いいだろう、ならば、貴様から解雇だ!出ていけ!
二度と我が社に顔を出す出ないわ!」
正樹(「……ええ、わかりましたよ!だったらこんな会社、辞めてやる!」
売り言葉に買い言葉とはこういうことを言うのだろうか……
戒政(「おぉ、自分から辞めるんなら結構。退職金は気が向いたらスイス銀行に振り込んでやる!」
※気が向いたら退職金を払うってマテコラ!
正樹(「アンタって人はッ!」
その場のノリと勢いで会社を辞めてしまった総務部長。
だが、しかし、その日の夜。事態は急変することとなる。
#2
正樹(がやってしまった……という思いを胸に帰宅すると社長だった漢からの留守電が入っていた。
ひとまず、折り返して電話してみると、トンでもないことを告げられる
戒政(「あっ、無藤君かね?……あの時はすまない」
正樹(「今更何を」
戒政(「だが、聞いてくれ、あの時は組織に見張られており、お前をクビにしないと俺の首が物理的に飛んだんだ。
わかってくれ」
正樹(「はぁ!?お前、頭おかしいんじゃねぇか!?」
組織に見張られていたとか厨二病じゃあるまいにと、正樹(は社長のSAN値を疑った
戒政(「詳しくは言えんのだ……これも喋ると組織の手によって俺が消される。だから……」
正樹(「てめぇ巫山戯(るのもいい加減にしろよ!」
あまりに無茶苦茶な内容なだけに、正樹(は頭にきて通話を終了するのであった。
正樹(「クソッ」
勝手に止めてしまってなんだが、佐野SA(で従事する部下たちの事も気がかりなため、正樹(は翌日には佐野SA(へ急
行することにした。
*「そっ、総務部長!?」
正樹(「すまんが俺はもう総務部長じゃないんだ……」
*「いや、でも来てくれただけでも嬉しいです」
正樹(「そ、そうか……」
一同「岸社長を退陣させるために我々はストライキを決行する所存です。総務部長には是非にその総指揮をとって
頂きたい」
正樹(「だから、何度も言うが俺は、もう総務部長ではない。だが、その要望受けよう」
一同「おおっ、ありがとうございます!」
*「総務部長万歳!」
一同「万歳!」
ドサリバサリ
正樹(「おいおい、大丈夫か!?」
*「ここんとこ、どうも過労気味で……」
*「ええ、これも全てはあのクソ社長のせいです!」
一同「あのクソ社長が退陣さえすれば、我々の過労も吹っ飛ぶでしょう!」
正樹(「……」
いや、なんかそれは違うんじゃないか?ってか、お前ら元気が有り余ってないか?と困惑する正樹(。
それに、残業時間がマイナスなのに過労と診断されたことも気にかかる。
そんなにここは激務なのだろうか?
正樹((確かに、ここ佐野SA(では名物の拉麺があることは事実だ……だが、たかがSA(の食事が連日大盛況で目も回る
忙しさなどありえるのか!?)
しかし、考えたところで答えはでなかった。
続
前の話へ 戻る 次の話へ