Eighter -Blindness Wizard-
43rder 〜月蝕の嘘殺(きょさつ)黒蜥蜴 A〜



#0
 果たして、オッサンの嘘は世界を変えるのか!?
※いや、だから、それはもういいから!しつこいっちゅ〜〜に!
 皇殉(こうじゅん)の脅威は去った。しかし、袁宸汪(えん・じんおう)はオーパーツを渡してくれない……
 かくて、袁宸汪(えん・じんおう)との死合は始まる。

#1
袁宸汪(えん・じんおう)「ギルターボ!巨大結合!」
 バカンッ
 袁教授が叫ぶと突如車のトランクが開きプロテクトアーマーが飛来。袁教授を包み込む。
※いや、巨大結合て、お前はガチでエンジン王かよ!……ってか、(むし)ろこれは勇〇王のイクイップ
宸汪(じんおう)「私がただ皇殉(こうじゅん)から逃げ続けているだけだと思っていたか!?」
 時には自ら皇殉(こうじゅん)を叩きのめし今に至っているのだ!と豪語する宸汪(じんおう)化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「つまり、次は貴様が相手になるってわけか!」
梓與鷹(よたか)「おい、大丈夫なのか?」
梶太郎(かぢだろう)「あぁ!?貴様、俺を誰だと思っていやがる!いずれ貴様を殺す漢だぞ!」
與鷹(よたか)「……」
 そんな時は来ないとは思うが……それよりもまだ死合いたいのかこいつは……と與鷹(よたか)は呆れていた。
梶太郎(かぢだろう)極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
 ゴガガガガガガガガッ
一同「何!?」
 拳打の嵐が宸汪(じんおう)に飛ぶ。がしかし、宸汪(じんおう)が緑色の燐光に包まれたかと思うと宙を舞い、優雅に全ての拳打を躱す
宸汪(じんおう)「次元天球がある私にそんなものは無意味だ!」
梶太郎(かぢだろう)「てめぇ、巫山戯(ふざけ)やがって……ならば、これはどうよ!銀號懺月(ぎんこうざんげつ)!」
 ドゴアッ
 きゅいんっ
 虎の咆哮の如き衝撃波も軽々と回避してドヤ顔の宸汪(じんおう)宸汪(じんおう)「無駄無駄」
與鷹(よたか)「あいつ……」
(かみ)総介「なるほどな……こうやってあいつはこれまで逃げ延びてきたのか……」
與鷹(よたか)「いや、そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」
 のんきに解説なんかやっている場合ではなかろう……と與鷹(よたか)は総介に突っ込みを入れる。
梶太郎(かぢだろう)「だが、逃げてばかりでは俺を倒すことはできんぞ!」
宸汪(じんおう)「フッ、そこにぬかりはないッ」
 ふおんっ
梶太郎(かぢだろう)「うおぅ!?」
 宸汪(じんおう)がすっと腕を上げると梶太郎(かぢだろう)が宙を舞う。
梶太郎(かぢだろう)「ま、まさか……」
 ズドンッ
梶太郎(かぢだろう)「げほあっ」
 そして、そのまま地面に梶太郎(かぢだろう)を叩きつける宸汪(じんおう)宸汪(じんおう)「これが私が完成させた究極奥義!次元天球イナズマ落とし!」
 一体どこにイナズマの要素があるのか、それは誰にも分からない。

#2
宸汪(じんおう)「もし、このまま退くというのならば、私もこれ以上の追撃はせん」
梶太郎(かぢだろう)「ざけんなよ!」
 と、啖呵を切ってみるが、現状では打つ手はなしに等しい
梶太郎(かぢだろう)「おい、貴様の双狼拳(そうろうけん)なら重力の壁を越えて奴に一撃当てられるか?」
與鷹(よたか)「いや、無理だな……」
梶太郎(かぢだろう)「チッ、双狼拳(そうろうけん)も存外使えねぇな!」
與鷹(よたか)「あのな……」
 双狼拳(そうろうけん)なら何でもできると本気で思っているならそれはお笑い種である。
 まぁ、流石に梶太郎(かぢだろう)もそこまで馬鹿ではないが……
梶太郎(かぢだろう)「じゃあ、奴が攻撃を繰り出してきたとき、お前のインチキ臭い奥義なら」
與鷹(よたか)「残念だが、それも無理だな……」
 物理法則を無視した技に対抗できるほど双狼拳(そうろうけん)も万能ではないのだ。
 それにしてもインチキ臭い奥義って酷い言い草だ……
梶太郎(かぢだろう)「クソッ、双狼拳(そうろうけん)、マジで使えねぇ……」
 いくら温厚な性格の與鷹(よたか)でも流石にイラっと来て一発ぶん殴ってやろうかと思ってしまうのであった。
※100%梶太郎(かぢだろう)の自業自得だけれど……と、言うか與鷹(よたか)ってそれほど温厚だったっけ!?(をい、作者……)
與鷹(よたか)(さて、どうするか……)
 宸汪(じんおう)の重力制御を突破しないことには勝つことはできない。
総介(ある人物の曰く……二つの力が宇宙に君臨している……光と、重力と……)
與鷹(よたか)(いや、いきなりなんだ?総……)
 本当に唐突だな……
 さておき、重力に対抗できるのは光である……と、いうことなのかもしれない
※断定じゃないのかよ!
 と、いうか、もし、仮に重力制御に対抗できる力が光だったとしても、今すぐどうこう出来るわけでもない。
與鷹(よたか)(やはり、ここはかんなに出てもらうしかないのか……)
 困ったときのかんな頼み……なんてことはあまりやりたくないのだが、こうなっては仕方がない……
山咲(やまざき)桜(いえ、私がいきます)
與鷹(よたか)(えぇ!?)
 今まで総介の命令に唯々諾々と従っているような印象しかなかった桜が進んで打開するなどと言い出して、與鷹(よたか)
は驚きを隠せなかった。
※いや、與鷹(よたか)も存外桜に対する考えが酷いな……
総介(やれるのか?山咲(やまざき)?)
桜(はい)
総介(……ならば、やってみろ)
桜(はい)
 果たして、桜にはどんな秘策があるというのか!?


続

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