Eighter -Blindness Wizard-
32nder 〜髭剃りと女子高生 A〜
#0
ある人物の曰く……髭を剃る、そして女子高生を拾う。
※いや、それとあるラノベのタイトルだから!
しかし、今回は女子高生を拾ったわけではなかった。寧ろ、逆だった……これはそんな女子高生と赤の他人の物
語?!
#1
愛知県某所
とあるマンションに、一人の男が女子高生になる娘と二人暮らしをしていた。
*「邪魔ッ、どいて!」
男が洗面所で髭を剃ろうとしていた時、娘が現れては男を洗面所からどかす。
*「はぁ……」
気難しい年ごろの娘を持つと苦労する……と独り言ち。
洗面所を追いやられた男は仕方がなく鏡を持ちながらキッチンへと赴く。
*「……あれ?そういえば、俺は今年で25歳の独身……なんで17歳の娘なんているんだっけ?!」
ふと、そんな疑問が浮かび上がる。しかし、いくら考えても答えは出ず、男は考えるのをやめた……
※いや、宇宙に放り出されたんじゃないんだから、もうちょっと考えようぜ……
男の名は煮田蓮汰(、女子高生の名は相田睡蓮。当然親子ではない、養子でもなければ親戚でもない。全くの赤の
他人だ。
どうしてこんなことになったのか……蓮汰は髭を剃りながら考えてみることにした。
事の起こりは数日前……
愛知県、愛不知(高校
学校が終わっても、家に帰らない……帰りたくない生徒がまだ教室に残っていた。相田睡蓮、五十嵐鈴蘭、空木
ひまわり、柄本ありす、興津かぐやの五人である。
しかし、いつまでも学校に居続けるわけにもいかない。
興津かぐや「だったら、いい方法があるんだけど」
一同「何!?」
そのいい方法とは何か、他の四人が食いつく。
かぐや「学校の近くに寺あるじゃん」
柄本ありす「あ〜、なんだっけ、壱平和之ソ寺(?」
かぐや「そうそう、そこそこ」
そこに最近やってきた坊主が人生相談なんてやってるんだけど、ひやかしのつもりで行ってみたらいいものを手
に入れたんだよね……とかぐやは言う。
かぐやはそこで不気味な赤い卵のようなオブジェクトを貰ったのだという。
空木ひまわり「で、それが何?」
かぐや「これをもって他人の家に押し入っても家族として接してくれるって優れものなのよ」
一同「え〜、嘘だぁ」
当然の反応である。勿論、かぐやだって最初は疑った。
#2
しかし、実際に知らないオッサンの家に入り込んで試してみるとガチで家族のように接してくれたのであった。
いわゆる神待ちとは根本的に違う。時分が他人の家で好き放題できる優れものなのだ。代金は身体で……なんて
ことも一切ない。まさにパーフェクト!
そこまで言われれば、他の四人も俄然興味が出てくるというものだ。
善は急げ!と、いう感じで四人はかぐやに連れられて早速壱平和之ソ寺(へと急ぐのであった
※いや、善でもなんでもないですが……
愛知県、壱平和之ソ寺(
*「おや、今回は大所帯ですな……」
寺に足を運ぶと、坊主が五人をお出迎え。彼の名は鴻延(
何を隠そう、この鴻延(。大神の降真靈(の高僧が一人なのである。
かぐや「ねぇ、私にくれたアレ、まだあるよね?」
鴻延(「ふむ……あなた方は実に運が良いですな……実はアレは最初から五つしか持ち合わせがなかったのです」
かぐや「だったら……」
鴻延(「いいでしょう。困っている人を助けるのことも修業の一環……いいでしょう。お渡ししますよ……」
一同「やった!」
そして、鴻延(は残りの四つを持ってくる。
一同「うわっ、キモッ……」
それはベル〇ルクに出てくる深紅のベ〇リットと例えるのが一番わかりやすい。そんなオブジェクトだった。
そして、それは場違いな白き遺物(……閑古鳥の啼く夜に(
赤の他人に子育てをさせるためのオーパーツ……かつて自分の容姿はそのままに、他人になり替わるというオー
パーツ、如不啼代替啼器(があったが、これはそれと同等の代物だ。
※アレは託卵とかいう間違った単語だが、今回は正真正銘、托卵である。
かくて五人の少女たちは他人の家に我が物顔で入り込み、勝手に養ってもらうことになったのだった。
数日後
鴻延(「さて、配置は完了した……」
なぜ彼が見ず知らずの女子高生にオーパーツを配布していたのか……それは彼らの目的の為である。
そう、異世界の神の召喚。これはそのための布石なのだ。
鴻延(「欲を言えばちゃんとした位置に配置してほしかったのですが、こればかりは仕方ありませんねぇ……」
続
前の話へ 戻る 次の話へ