Eighter -Blindness Wizard-
31ster 〜強欲が沈む夢跡地(サイハテ) A〜



#0
 アモンの傀儡となり、(けい)を殺しにかかった(かい)。
 だが、しかし、(けい)の手により(かい)は正気に戻された。
 そして、(かい)を唆したアモンに怒りの鉄槌が下される時が来る!?

#1
天然蛍(あましか・けい)「さてと、そろそろ出てきたら?」
アマイモン「チッ、やっぱりバレてたか」
(けい)「わぁ、本当にいたんだ」
アマイモン「はぁ!?」
 独り相撲的な感じで出現したことで少し恥をかいてしまうアモンであった
突込魁(とつこみ・かい)「なっ、あいつはッ!」
 そして、自分を唆した奴を(かい)が忘れるわけもない
(かい)「気を付けて、アレは見た目とは裏腹に危険な存在よ」
(けい)「ん〜〜、まぁ、大丈夫でしょ」
(かい)「そんな適当な……」
(けい)「まぁ、でも、(かい)はそこで待ってて」
 お守り変わりにちゃんと夢羅征(むらまさ)は持っててね……と伝えると(けい)はアモンの前に立つ。
(けい)「お待たせ」
アマイモン「今生の別れは住んだようだね……じゃぁ、そろそろ……」
 バチンッ
アマイモン「あがッ!?」
 (けい)を唆そうと、(けい)をよく観察したその瞬間、まるでブレーカーでも落とされたかのような激痛が走りその場で悶
えるアモン。
※いや、その例えなんなの!?全然痛そうじゃないんだけど……
アマイモン「貴様、何をした!?」
(けい)「え!?何もしてないけど……」
 確かになにかしたようには見えなかった……では、今のは一体何だったのか!?
 考えたところで答えは出ないため、アモンは気を取り直して(けい)を唆し、傀儡にしようと声をかける。
アマイモン「君は……なっ、そんな、馬鹿なッ!?」
 そこでアモンは愕然とした、いや、戦慄したと言ってもいい。
 (けい)には欲望が一切見当たらなかったからである。
 有史以来人の欲望に付け込んで心を(たぶら)かし、(もてあそ)び操ってきた七罪塔(しちざいとう)にとって欲望が一切存在しない人間に出会っ
たことなどなかった。
 (むし)ろ、そんなものは人間ではないッ!だからこそ、アモンは恐怖した。
アマイモン「貴様、本当に人間か!?」
(けい)「やだなぁ、もう、俺が人間以外の何に見えるっていうのさ?」
 寧ろ、君の方こそ人間じゃないよね?と問い返してくる始末である。
 ちなみに(けい)は敵の挑発に乗せられて怒り狂った際に、一時的に怒りと言う感情を捨ててクールダウンしたことが
あるという人間には決して実行不可能な芸当をやってのけた前科(伝説)を持っている。
 で、あるならば、欲望がないというのもあり得ない話ではないのかもしれない
※いや、ありえないからッ!

#2
アマイモン(ありえないッ!)
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の最高峰、七罪塔(しちざいとう)が、こともあろうに人間(パーツ)風情に恐怖を感じることなど、あってはならないこ
とだった。
 故にアモンは逃げることを決意した。
(けい)「あ、逃げちゃダメだってば」
 ズカッ
 しかし、(けい)がそれを許さない。真・炎双刃がアモンの影に突き刺さる
アマイモン「影縛り!?」
(けい)「違うよ。だって動けるでしょ?」
 そりゃそうだ。
アマイモン「……」
 封じられたのは転移手段……逃げることを封じられたのだ。
アマイモン「貴様ッ」
 ここまでされたらもはや逃げる気は失せた。必ず(けい)を殺す!と決意を新たにするアモン
アマイモン「龍の罪科たる牙(ファング・オブ・シンドラゴン)!」
 攻撃用の場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を召喚して(けい)に襲い掛かるアモン
(けい)「ほいっと」
 ガキンッ
アマイモン「何?!」
 さっきまで自分の影に突き刺さっていたはずの真・炎双刃が(けい)の手にある。
 後ろを振り向いても、そこに真・炎双刃はなかった。
 つまり、それはいつの間にか真・炎双刃が(けい)の手に戻ったということを意味している。
※なんて言っているが、(けい)は炎を集めて真・炎双刃を作り出してるので、さっき飛ばしたのを消して新しく作り直
 したとかそんなオチなんじゃないかと……
(けい)火龍双刃(かりゅうそうじん)紅龍炎舞(こうりゅうえんぶ)!」
 ズドゴガアアッ
 炎を纏ってパワーアップすると同時に、深紅の炎龍を四つアモンに打ち出す(けい)
アマイモン「淵鈎塞月(えんこうそくげつ)ッ!」
 しかし、その炎はすべて奪いつくされる。
アマイモン「自らの炎に飲まれて死ねッ!」
 そしてそっくり(けい)に返されるのだが……
 ピロリンピロリンッ
アマイモン「はぁっ!?」
 四つの炎龍が(けい)に激突したかと思った次の瞬間、(けい)の体が光り輝く。
(けい)「ごめんねぇ〜〜、俺、炎属性の攻撃を食らうと回復する体質なんだよ」
アマイモン「そんなゲームの世界の設定が現実世界にあってたまるかァッ!」
 アモン、魂の叫びだった。
※だけど、それが(けい)なんだよね……

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